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第3話 現実は違うな

 入学式は行われて無事に終わった。自分含めて新入生は先生に連れたら各クラスに移動する。クラスに着いたら机にフルネームが書かれている紙を見て、自分のフルネームと一緒だったらそこが自分の席になる。特に名前順ではないようだ。先生は一旦職員室に行く。オレは自分の席を探して、見つけたらフルネームを確認する。合っていたらカバンを机の横にかけて紙をどかして椅子に座る。


 入学式からここに座るまでは、気配遮断を使ってなかったが。今は使ってもいいよな。


 オレは気配遮断を使う。


 それにしても担任の先生は女性だった。ゲームでは男性の先生だったのに。やっぱりゲームと現実は違うな。それにゲームではオレが入るクラスはAクラスだけど、オレがいるクラスはCクラス。ここでも変わっている。主人公のエリオットとは隣の席じゃないけど、同じクラス。何とか入学式には間に合ったようだ。問題は・・・。


 オレは右隣を見る。


 問題は何故。何故貴女様が隣の席になっているんだよ。エメリー・ローレン・ウィドリングトン様・・・。今キョロキョロ周りを見てるけど、誰か探してるのか? エメリー様の前、後ろ、右の人には挨拶してたけど。多分オレにも挨拶したいけど、肝心のオレがいないから探してるのだろう。凄く悪い事をした・・・。挨拶はすべきだった。今から気配遮断をとい―――。


「おーいオメェーら、サッサと席に着け。席に着かねぇ奴はババァの鉄拳が飛ぶぞー」


 どうやら駄目だったようだ。先生は黒板に名前を書く。


「つーわけでわたしがこのクラスの担任、イゼベルだ。フルネームは言うのメンドクセェーから、普通にイゼベル先生と呼べ。何か質問は?」

「はい!」


 1人の生徒が手を上げる。


「えぇーと・・・。エディスか。質問は何だ?」

「先生はいくつでしょうか?」

「23だ」


「「「「「(若い!? 凄く若い!?)」」」」」


 オレ含め生徒全員がそう思った。


「他は?」

「ハイ! 婚約者いますか!!」

「いまはいねぇな。わたしが少しがさつだからな。募集はしてねぇ」


 確かに言葉使いがちょっと悪い。


「他」

「はい! 男性の好みは何でしょうか!」

「男性の好み? そんなのねぇよ」


 何か言葉使いもそうだが、これ教師として大丈夫か? 不安になってきた・・・。


「あー、質問に答えるのがメンドになった。今から名前を呼ぶが、自己紹介は明日にしろ。今日はサッサと終わらせたい。先ずはルー」

「はい」


 イゼベル先生は1人づつ名前を呼んで行く。オレはその間に気配遮断を使うのを止める。


「――――――ラザ」

「はい」


 オレが返事をすると生徒全員が驚く。途中で使うのをやめたはずなのに。


「お前・・・。まぁいいや、明日の自己紹介で聞く。カリス」


 イゼベル先生は次の生徒を呼んで行く。それが終わり次に行く。


「次はオメェーらの学生証だ。この学生証は他の街に行く時に、通行証にもなるし一部の店は学割になる。無くすんじゃねぇぞ。発行するのがメンドクセェーからな」


 そう言ってイゼベル先生は生徒たちに学生証を配っていく、それと同時にプリントも配られる。配り終わったら黒板の前に戻る。


「さっき配ったプリントは学生寮の案内図だ。ちゃんと男子寮と女子寮に別れてる。今日はこれ終わりだ。明日は自己紹介と校内案内の予定になっている。朝8時半以内席に座っておけよ。以上解散!」


 イゼベル先生はそう言って教室を出る。オレはすぐに気配遮断を使って、学生証は制服の内ポッケとに入れる。


 本当はこのまま学生寮に行きたいが。先ずはエリオットの尾行だな。実は今日でロザリー様とクリス様に会う。エメリー様に関してはもう会っている。最後のフランシスは4月の終わりに―――。ヤバいエリオットが移動してる!


 エリオットが教室を出て行くのを見て、オレはプリントとカバンを持ってその後を追う。


 エリオットはもう友達が出来てるな。まぁラザやエメリー様と仲良くならなければ、すぐに友達は出来るとは思っていた。


「いやーラザには驚かされたぜ。何故か席が1つ空いてると思っていたら、まさかそこにラザがいるとは思わなかったぜ」

「そうだよなー。何であんな事をしてたんだ?」

「さぁー? 何かの職業病じゃないの?」


「何だそれ? ラザは働いていたって言うのか?」

「いやそう言いたい訳じゃないけど・・・」

「まぁラザの事は明日の自己紹介で分かるだろ! それより早く学生寮に行こうぜ!」


 何かオレの話をしてるな。まぁいいけど。


 歩いていると奥から、辛うじて2人ぐらい来るのが見える。少しづつ近づいてきて顔を確認すると、ロザリー様とクリス様だった。エリオットたちを含めオレたちは、道を開けて頭を下げる。ロザリー様とクリス様も歩きながらだが「こんにちは」と言っていた去って行った。


「やっべー・・・。ロザリー様とクリス様に会えちゃったよ・・・」

「シエルティス学園の高嶺の花と、言われているだけはあるぜ・・・」

「しかもその高嶺の花に新たなメンバー加わったよね・・・」


「「「そう、エメリー様!」」」


 特にエリオットとの会話は無かったな。ゲームでは少しあったけど。それにしても何だあのテンションは? 男子高校生のテンションってやつか? ついていけないな・・・。もう特に何も無いだろうし学生寮に行こ。


 オレはエリオットたちを追い越して、学生寮に行く。




 学生寮に着いた後は、受付の所で鍵を受け取って自室に行く。自室に着いたら、鍵を入れて施錠を外して中に入る。


 5日前に送っておいた荷物もあるし丁度いい広さだな。これで1人部屋とか最高だろ。あ、ちゃんと靴を脱ぐところあるんだ。


 靴を脱いでカバンは机の上に置いて、オレはベットに仰向けになる。


 今日はどうしよっかな。学生寮の近くに食堂があったな・・・。晩御飯になるまで、ここでぐうたらしてるか。

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