第27話 変か?
7月30日。ロザリー様たちが家に来ているが、何だかんだで無事に暮らせている。トーマスさんに気配遮断を教わっている最中に、何故かロザリー様が乱入してきて。剣術の練習になった時もある。明日でオレたちは学園に戻ることになる。
「で、私の部屋に来て椅子に座ってますが。一体に何しに来たんですか、ロザリー様?」
「何だ、私がいると何か不都合でもあるのか?」
「別に不都合は無いですが、わざわざ私の部屋に来なくてもいいのでは?」
「なら私は何処に行けばいい? まさかお前の兄たちの方に行けとは、言わないだろうな?」
「言いませんよ。あの兄たちの方に行かせるくらいなら、まだ私の部屋に招いた方がいいですよ」
「そうだろ。ところでお前はベッドで何ダラダラをしているが。恥ずかしくないのか?」
「別に恥ずかしくは無いですよ。私の部屋で何をしようが私の勝手ですよ。明日になったらもう学園に戻るんですから、今ここでダラダラしないと、8月1日から7日までダラダラ出来ないんですよ~」
「あぁ合宿か・・・。そっちは何をするんだ?」
「えぇっと確か野営とか魔物の討伐ですかね。野営に関しては、実際にテントを設置して夜をこすと思いますよ。多分ですが」
「そうか。こっちは魔物の討伐と模擬戦と野営だな。野営中は私たち2年生は、1年生が野営中に襲撃しに行く事になっている」
「2年生が襲ってくるなんて、絶対に殺されるじゃないですか」
「いや殺しはしないぞ。ただボコボコにされるだけだ」
「ボコボコにされるんじゃないですかー。まぁ私のところも同じだと思いますが」
「確か冒険科の先生は、イゼベル先生だったな。元Sランク冒険者と聞くが、何で学園の先生になったのか、未だに分からないな」
「多分私は、イゼベル先生にボコボコにされるんですよ・・・」
「何か怒らせる事でもしたのか?」
「25日にあったパーティーで、ちょっと怒らせてしまって・・・」
「一体何をしたんだお前は・・・」
「口喧嘩でちょっと・・・。それよりエメリー様たちは何処にいるんですか? いつもなら一緒にいますよね」
「エメリーたちは、ラザの母君と一緒にお茶会をしているぞ」
「・・・あぁだからロザリー様は私のところに来たんですね。顔が「つまらない」って顔をしてますよ」
「顔に出ていたか。あのお茶会は楽しいのか? 一種の情報交換なら分かるが、ただお茶とお菓子を食べるだけなら。別にやらなくてもいいだろ・・・」
「ある種の社交だと思いますよ。後でエメリー様に怒られますよ」
「そうかもな。・・・これはラザに言っても意味がないかもしれないが、言ってもいいか?」
「内容にもよりますが、いいですよ」
「妹の下着を見るのは変か?」
「――――――はい? すみません、今なんて言いました?」
「だから「妹の下着を見るのは変か」っと言っている」
「あぁ幻聴じゃ無かったのか・・・。変と言えば、変ですね」
「や、やっぱりそうか・・・。そんなに変だろうか・・・」
「変ですよ。一応聞きますが、下着を見る以外に何をしてますか?」
「今の状態は一緒に風呂に入ったり、添い寝をしたりしてるな。私が学園に入学する前は、普通にキスはしていたな」
「キスもしてたんですか!? キスって大切なものの1つじゃないんですか!?」
「? キスをしたところで、何か失ったりするものなのか? 本当に親しい人なら、私はキスをしても構わないと思っているが。何かいけない事でも言ってるか?」
「いけないと言うか。普通はそんな事を、するもんじゃないと思いますよ。まぁ他人の事情なので、特に強く言いませんよ」
「可笑しいのか・・・。私は可笑しいことをしていたのか・・・?」
「私は可笑しいと思いますが、他の人たちはどうかは知りませんよ。これを機に他の人に聞いてみたらどうです?」
「そうだな・・・。一度クリスやエディスに聞いてみるか」
「―――ラザさん。そちらに姉さんは来ていますか?」
ドア越しでエメリー様の声が聞こえた。俺は部屋に入るように言う。
「姉さん・・・、やっぱりラザさんの部屋にいましたか・・・。姉さんは何でお茶会の時は、参加しないのでしょうか?」
「つまらいからな。お茶会はエメリーに任せる」
「もう、姉さんはいつもそうです。部屋に戻りますよ、ラザさんの邪魔をしてはいけませんよ」
「ベッドでだらしなく横になってるラザが、私の事を邪魔だと思っているのか?」
「「邪魔です」何て言っても説得力がないですね。少しくらいは身体を動かしますよ」
オレは起き上って身体を動かす。
「エメリーも来た事だし、私は部屋から出るか」
ロザリー様は椅子から立ち上がり、エメリー様の所に行ってそのまま止まる。
「どうしたんですか? 何か私の顔に付いてますか?」
するとロザリー様は急にエメリー様とキスをする。オレはそれを見て、顔を赤くして口を塞ぐ。
ななななな何をやっているんだ!? キス、姉妹でキスをしている!? わ、解らない・・・。ロザリー様にとってはこれが普通なのか・・・!?
少ししたらロザリー様はエメリー様から離れる。
「姉さん? 何でディープキスを?」
「ディープキス!? ししししし姉妹でディープキス!? 何で普通にそれが出来るんですか!」
「? 普通ですよね。私たちはいつもこうですか」
「普通、いつもこう・・・。駄目だ、オレには理解が出来ない・・・」
「やはり変か・・・。クリスとエディスに聞きに行くぞ」
「はい」
2人はオレの部屋から出る。オレはさっきの光景を忘れるために、ベッドに横になって寝る。
7月31日の朝。起きて朝ご飯を食べに行く。食べ終わったら部屋に戻て身支度をすませて、部屋から出て外で待っている馬車の方に行く。
「あれ。オレとペールが乗る馬車がない」
「クゥ、クゥ?」
何でオレが乗るはずの馬車が無いかと考えていたら、前から騎士がこっちに来る。
「ラザ・メルト・カルバーン様ですね。どうぞあの馬車に。常にロザリー様たちは乗っております」
「えっ? あの馬車にですか? オレが乗る馬車は一体何処に?」
「カルバーン家の馬車は出ません。今回はあの馬車に乗ってもらいます」
オレは色々言いたいが、待たせる訳にはいかないため。ペールを抱きかかえてすぐに馬車の方に行く。ドアを開けて馬車に乗る。
「来たか。まぁ空いてる場所に座れ」
ドアを閉めて、オレは空いてる場所に座る。クリス様は御者に出るように伝えて、馬車は動き出す。
「何で私が乗るはずの馬車がないんですか?」
「私がラザの両親に「ラザが乗る馬車の用意はしなくてもいい、私の方で送って行く」っと言ったからな。そうしたらすぐに馬車の手配を中止したぞ」
おのれ両親め・・・。オレを生贄にしたな・・・!
「・・・いいんですか。私がこの馬車に乗っていても?」
「アタシがこの場所に乗ってる時点で、色々問題あると思うよ」
「あぁそうですね。ところで顔が青いですけど、大丈夫ですか」
「大丈夫じゃないよ・・・。逆に何でラザは平気なの?」
「ペールを抱きかかえていますから、そのおかけで平気なんですよ。ペールがいなかったら、青ざめているか失神してますよ」
「そこまで!? ボクたちはキミを失神させるほどの、存在なのかい!?」
「そこまでの存在ですよ」
「――――――ッチ。ラザもアタシと同じ思いを、してもらおうと思ったのに・・・」
「聞こえてますよ。それより、エディスさんは6日もロザリー様たちと一緒にいたのに、まだ慣れていないんですか?」
「無理だった・・・。後何週間あれば慣れるかな・・・」
馬車が学園に着くまで、オレたちは雑談をする。