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第25話 もしかして怒ってる?

 オレはドアを開けて中に入る。ペールはオレから下りてベットに向かってジャンプして、通りこしてまたベッドに向かってジャンプをする。それを何かも繰り返す。


「何で部屋から出たの?」

「自分の部屋に戻ったら。何故か知ってる人が勝手に、部屋を占拠されていたら。誰だって部屋から出ますよ」

「そうかな? それよりアタシからのお土産!」


 エディスさんは空間から赤瓶と青瓶を出す。オレはそれを受け取る。


「これは何ですか?」

「えっと赤が『媚薬』で青が『精力剤』どっちもウチで取り扱っている商品で、よく売れている商品だよ! 効果は保証するよ!」

「「「びやっ!」」」


 オレとエディスさん以外は顔を赤する。


「そうですか・・・。ところでこの2つは使ったことはありますか?」

「えっ、無いけど」

「じゃあこの機会に使ってみましょうか。先ずは媚薬からですね。これは飲むタイプのようなので、早速飲んでもらいましょう!」


「ラ、ラザ? もしかして怒ってる? ご、ごめんちょっとふざけ過ぎだ!」

「別に怒ってませんよ。ただどれくらいの効果があるか、気になったのでここで試してみようと」

「待って、その媚薬はかなり強力だから、仮にアタシが飲んだらラザを襲うよ!」


「襲えるものなら襲ってみてください。すぐにエメリー様を盾にします」

「私を盾にするのですか!?」

「エディスさん、早く飲んでください。あ、それとも飲ませてあげましょうか?」


 オレは少しづつエディスさんを追い詰める。


「―――もうそこまでにしておけ。流石に妹を盾にする事は許さんぞ」

「アタシはどうでもいいですか!?」

「分かりました。すみませんエメリー様、酷い事を言ってしまって」


「い、いえ。私は大丈夫ですが。・・・そのエディスを許したらどうですか?」

「ボクもそう思うよ。エディスも悪気があって、渡そうとしたわけじゃないだろうし」

「・・・まぁ許してあげますよ。よかったですね、ここで無様発情を晒さなくて・・・」


「う、うん・・・・・・。その瓶は回収するよ」


 オレは2つの瓶をエディスさんに返す。エディスさんは空間の中に瓶を入れる。


「で、何でオレの部屋にいるんですか?」

「ラザの部屋は何処かトーマスさんに案内してもらったんだ。ラザの事だから、どうせボクたちの事をほっといて、ペールと一緒に引きこもるでしょ」

「失礼な。オレはトーマスさんに気配遮断を習うんですよ。そうしないとクリス様にすぐにバレますよ」


「ん~、出来れば止めてほしいのだけど。これ以上上達されると、探すのがちょっと難しくなるんだけど」

「そんなの知りませんよ。こっちは生きる為に必要な物を身に付けるために、オレは習っているんですから」

「・・・そこまで気配遮断が上手のか。卒業したら冒険者じゃなく、城の暗殺部隊に入ったらどうだ? そっちの方が遥かに安定した収入が得られるだろ」


「確かにそういうところに入ることが出来れば、安定した収入が得られますよ。ただ・・・、ただ暗殺部隊になると扱いが雑と言うか。あんまりいい扱いはされないと思いますが」

「そんな事はない。普通の扱いはされる。何せ命懸けで暗殺するんだ、雑な扱いはされないだろう。それに暗殺と言っても、暗殺の仕事は基本的に少ない。暗殺以外では他の所に行って、手伝いをする方が多いだろう」

「そうですか。でも私は冒険者になりますよ。そっちの方が色々楽なので」


「そうか。ラザならいい暗殺者になれると思ったが、断られたしょうがない。だが気が変わったら言ってくれ。私から父上に言っておこう」

「あ、大丈夫です。気が変わることは無いと思うので」

「お前は・・・」


「クゥ~・・・」


 ペールはオレの左腕を抱きしめてくる。


「―――あぁブラッシングか。もう毛の生え変わりだもんなぁ」


 オレは空間から狐用のブラシを出す。ペールは床にうつ伏せになって、オレはブラシでブラッシングをする。


「おぉ・・・! 毛がいっぱい取れる。これだけ取れると痩せて見えてしまいそうだな」

「クゥ~・・・」


 ペールは気持ちよさそうに鳴き声を出す。


「いいなー。アタシもブラッシングしたい・・・」

「エディスさんはミスベルをブラッシングするべきなのでは? そろそろ毛の生え変わりですよね?」

「あ、そうだった」


 エディスさんは空間からブラシを出して、ミスベルを呼び出す。ミスベルが出てきてエディスさんにじゃれつく。


「わ! ミスベル、ちょっと・・・やめ・・・!」

「ミ、ミスベル!? ストップ、ストップですよ!」

「随分と懐かれてるね・・・。ボクの使い魔もこのくらいは懐いてほしいものだよ」


「クリスの使い魔はネコ系の使い魔だろ。ネコはそう簡単には懐かないだろ」

「そーなんだよね・・・。よし呼んでみるか。『ペレト』」

「にゃ~・・・、・・・にゃ?」


「・・・これはアレだな。いつもの環境が違うから戸惑ってるぞ」

「そうだね。ほらペレト、ご主人様だよ~」

「にゃ」


「エメリーの所に行ったな。実は嫌われてるのではないのか?」

「・・・・・・何か悲しくなるなぁ」

「まぁネコと言うのは気まぐれだから、いつかお前にも懐くさ」


「そうだといいけど・・・」

「あぁそうだ。唐突ですがうちには2人の兄がいます。長男のジョナスと次男のノーマンがいます」

「3人兄弟だったか。後で挨拶しないとな」


「その2人はシカトしといてください」

「「「「えっ?」」」」

「一応釘を刺していますが、あまり意味がなかったので。もしかしたら貴女方に粗相な事をするかもしれません。特にエディスさん」


「えっ、アタシ? 何で?」


 オレは一度ペールを仰向けにして、お腹をとかをブラッシングをする。


「エディスさんは庶民なので、貴族と色々と差があります。オレは別に何とも思わないんですが、兄たちはそうはいきません。もしかしたら何か手を出して、エディスさんを傷つける可能性があります」

「あぁラザみたいに気にしないけど、気にする人は気にするんだね」

「そうです。なので常にミスベルを隣に置いてください。何か遭ったらすぐにミスベルが、兄たちをボコボコにするでしょう」


「それって・・・いいのかな?」

「いいんですよ。何せ向こうが手を出してきたんですから、ボコボコにされるのは当然です。それでも何か言われたら、すぐにオレの所に来てください。兄たちをぶちのめします」

「め、目が本気です・・・」


「う、うん・・・。危険な目に遭わないようにするよ。それでもダメだったら・・・、ラザの所に行くね」

「そうしてください。それより早くブラッシングしてあげたらどうですか? ミスベルが待ってますよ」

「あ、ごめん!」


 エディスさんをミスベルをブラッシングをかける。

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