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第22話 終業パーティー

 7月25日。終業式が終わり、教室に戻った後はホームルームやる。それが終われば、オレはすぐに寮に戻って部屋に入る。終業パーティーの受付時間終わり時間までギリギリ待つ。時間になったら部屋から出て終業パーティー会場に行く。


 本当にこの学園広すぎるだろ・・・。よくこんなデカいパーティー会場を造れるな・・・。


 オレは受付の所まで行く。カウンターの上には各学年と各クラスの、出席名簿が置いてある。その出席名簿を見て自分の名前とクラスの横にある、出席の所に丸を付ける。


「・・・すみません。これで出席扱いになるのでしょうか?」

「はい。これで出席扱いになりますよ」

「このまま帰っても大丈夫でしょうか?」


「正当な理由であればお帰りなさっても構いませんが。正当な理由が無いのであれば、そのまま会場の方にお進みください」

「ア、ワカリマシター」


 オレは会場の方に行く。


 やっぱり駄目だったか・・・。ちゃんと出席の所に丸を付けたんだから、もう帰ってもいいだろ。


 中に入ると。色んな所で話したり、食べ物を食べたり飲み物を飲んでいる。ただの楽しいパーティーになっている。


 一度イゼベル先生の所に行くか。一応来たって事を報告した方がいいだろ。


 オレは気配遮断を使ってイゼベル先生を探す。だが人が多すぎて探し出すのが難しい。スタッフがいるからその人たちに聞いた方がいいだろうか?


「やあラザ。来るのが遅かったね、もしかしてパーティー来るのを渋ってた?」

「っ!?」


 後ろから声をかけられて、オレはびっくりする。後ろを振り向くとクリス様がいた。


「びっくりさせないでください! 危うく心臓が止まる所でしたよ!」

「キミにそれは言われたくないと思うけど。ここで何してるの? エメリーたちを探してるの? それともボク?」

「いえ担任に挨拶をしようと探していたのですが」


「あっそう・・・。確かイゼベル先生だっけ? それなら向こうにいるよ」


 クリス様が指を指した所を見る。その場所にイゼベル先生がいた。オレはクリス様にお礼を言って、オレは気配遮断を解いてイゼベル先生の所に行く。


「やっと来たか。お前以外他の奴らは全員来ていたぞ」

「受付終了時間までギリギリ部屋にいましたからね。あんま早く行くと面倒な気がして・・・」

「お前は・・・。少しは楽しめ、1年に1回しかねぇんだ。この機会に友達で作ったらどうだ?」


「ここにいる生徒たちはほとんどが貴族ですよね。あんまり友達には、なりたくないですよ。常に緊張しないといけないじゃないですか」

「エメリーとかは良いのか? 王族と公爵家だぞ」

「エメリー様はもう慣れましたよ。公爵家って言うのは、クリス様の事ですが? あの人はまだ無理ですよ・・・」


「ロザリーは省かれているな・・・。わたしも貴族だが。そこは気にしねぇのか?」

「えっ、貴族だったのですか? 今初めて知りましたよ」

「なら憶えておけ。一応はわたしは公爵家の1つ下の侯爵家の女だ。まぁ三女だがな」


「侯爵家ですか。・・・少し距離を置いてもいいでしょうか?」

「お前それは失礼だと思わねぇのか?」

「あまり」


「はぁ・・・。わたしだから良かったものの、他の貴族にはそう言う態度を取るなよ」

「分かってますよ」


「なら良いが。それよりお前はこの後どうする気だ?」

「この後は軽くご飯を食べて、直ぐ帰る気でいますが」

「わたしの話を聞いていたか? 少しは楽しめって言ったよな?」


「楽しむ楽しまないはオレが決める事ですよ。それでは」


 オレはイゼベル先生にお辞儀をして、気配遮断を使って食事が置いてあるテーブルに行く。皿を取って皿に盛れるだけ料理を皿に置く。終わったら、フォークを持って何処かに座れる場所を探して、見つけたらそこに行って皿を置いて、椅子に座って料理食べる。両手を合わせて、いただきますをする。


 やっぱり美味しくない・・・。何でこんなに美味しくないんだ? ケーキは美味しかったのに、普通の料理はそんなに美味しくないんだ? 謎だ。実はデザート系は力を入れているのか? だとしたら、普通の料理にも力を入れてほしいものだ。


「ラザさんいませんね。一昨日は参加するって言ってましたのに・・・」

「きっとラザは気配遮断を使っているんだよ。クリスさんの所に行けば、ラザを見つける事が出来るんじゃない?」


 おいおいお前たちの後ろに、オレはいるんだぞ。しかもかなり近くにな。


「どうしたお前たち? ラザと一緒じゃないのか?」

「姉さん。そのラザさんがいなんですよ」

「そもそもラザがここに来ているかどうかが怪しい」


「クリスから聞いたが。ラザは来ているぞ。担任のイゼベル先生に会いに行ってから、何処に行ったかまでは知らんが」

「あぁちゃんと来てるんだ。でも何でアタシたちに会いに来ないんだろ?」

「意外と恥ずかしいと思ってるじゃないか? アイツも男性だ。女性とそんな長く一緒には、いたくはないだろ」


 流石ロザリー様。よく男性を知っている。


「そうかなぁ~。ラザはそんなに気にしてないと思うけど」

「かもな。・・・さっきから気になっていたが、お前エディスだよな?」

「そうです。何か可笑しい所ってありますか?」


「可笑しいだろ。よくその大皿だけでそこまで食べ物が盛れたな・・・。そこのテーブルに置け」

「はーい」


 よしそろそろ寮に戻るか。


「―――ハイハイラザは逃げないように。一度座るように」


 立ち上がろうとすると、クリス様に邪魔をされる。


「ッチ、これだから気配察知持ちは・・・」

「急に悪口言うね・・・。それがキミの素かい?」

「さぁどうでしょうね」


「い、いたのか。いるなら何故言わない? 探していたんだぞ」

「いえ邪魔をするわけにはいかないと思ったので。私は黙っていました」

「そこは話かける所だよね? まぁいいや、皿置かせてもらうよ」


 エディスさんは大皿をテーブルの上に置く。その後エディスさんたちは空いてる席に座る。


「私帰りたいのですが」

「駄目だろ。この状態で帰れると思うなよ」

「デスヨネー・・・」


「・・・ね、ねぇ。さっきからアタシに対する目線が、痛いんだけど・・・」

「ん? あぁそっか。エディスは平民だからボクやロザリーとエメリーと、一緒にいるのが凄く気にいらないだろうね」

「アタシちょっと無理かも・・・。ラザは? ラザは大丈夫なの?」


「オレは大丈夫ですよ。気配遮断を使っているので、ほとんどオレの方には目線がきてませんよ」

「ズルい・・・。アタシも気配遮断を憶えたい・・・。って何でアタシたちはラザが普通に確認できるの?」

「最近上手くなってきたので、色々と出来るようになったんですよ。あるいは気配遮断を使いたいのであれば、気配遮断を使える先生に教わったらどうです? 先に言っておきますが、オレは人に教えるほど上手くはないですよ」


「充分上手いと思うけど・・・」


 雑談をしていたら終業パーティーは終わり、皆寮に戻っていく。


 結局最後までいたな・・・。

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