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第18話 違和感

 運動会が終わって次の日。ペールと一緒に街に行く。


「前はペールにつける首輪が無かったから、一緒に行けなかったけど。今回は一緒だな」

「クゥ!」

「本当は首輪を貰ってすぐに行きたかったけど、忙しかったからほぼ街に行けなかったな・・・」


「クゥ・・・」


 首輪を作るのに1週間かかる事が分かり、出来たら街に行こうと思っていたが。午後の授業でお陰で街に行こうとする気力がほぼ無くなるし、それに冒険者として生きていくなら解体を学ばないといけないので、休みの日は先生の監視の元魔物を狩っていた。おかげでお金が稼げたからいいけど。


「昨日まで頑張ったから、ちょっといい物を食べよう。ペールは何が食べたい?」

「ククゥ!」


 ペールは右前足でとある露店を指す。オレはペールが指した方を見る。


「先ずは串肉か。よし行こう」


 オレはペールと一緒に屋台の方に行く。


「いらっしゃい! 何久しぶりに見るな、変な貴族!」

「変な貴族って・・・。ちゃんとラザっと言う名前があのですが」

「おぉそうか。で、今日は何本買っていくんだ?」


「2本ですよ」

「あいよ! 合計銅貨6枚だ」


 オレは空間から銅貨が入った袋を出して、袋から銅貨6枚出して店の人に渡す。袋は空間の中にしまう。


「空間収納魔法・・・。お前はシエルティス学園の生徒か?」

「よく分かりましたね」

「俺もあの学園に通っていたからな~。正直あそこは地獄だったぜ・・・」


 何か解る気がする・・・。


「あいよ」


 オレは店の人から2本の串肉を受け取る。オレとペールはベンチの方に移動する。


「あっ、皿があった方がよかったか?」


 ペールは頭を横に振る。オレは串肉1本左手に持って、串肉をペールに近づける。ペールは肉に齧り付いて、串から外して食べる。


「使い魔か。ラザは召喚科なのか?」

「いえ、冒険科ですが」

「あぁ? 冒険科では使い魔は召喚しないだろ。何で使い魔がいるんだ?」


「オレは授業で召喚しましたよ。多分今の2年生と3年生も、1年生の時に召喚したと思いますよ」

「はぁー、俺の時は違うのかー。俺も使い魔欲しかったぜ」

「確か市販で売ってましたよね? 買わないんですか?」


「無茶な事を言うな。あの紙いくらすると思っているんだ? 俺には買うことが出来ねぇ―な」

「そうですか」


 オレは右手に持っている串肉を食べる。


「美味い」

「おう」


 オレとペールは串肉を食べて、串は空間の中にしまう。そのまま店の人と別れて違う所に行く。


「次は何処に行こうか・・・」

「クゥ~・・・。ククゥ」


 ペールが指を指したのは本屋だった。オレたちは本屋に行って中に入る。


「いらっしゃい」


 中に入ったら、魔物の解体書を探してみる。


「――――――やっぱり無いか~・・・」

「アンタ、一体何を探しているんだい?」

「えっと、魔物の解体書です」


「あぁ~魔物の解体書ね。ウチには置いてないね」

「そうですか」

「ごめんね~」


「いえ。それでは」


 オレとペールは店から出る。次はオレが行きたかった武器屋に行く。


「・・・いらっしゃい」


 おっとまさかのドワーフだと? ゲームでは出てきて・・・、出てきていたな。


 そう思いながら武器を見る。


「剣、槍、斧、弓、大体これが定番だな。こっちはハルバードにクロスボウ。後は他の武器だな」

「クゥ~」

「ペール、触るなよ」


「クゥ」

「まぁ今使っている剣で十分だから、買い替える必要は無いな。あ、砥石買わないと」


 オレは砥石が置いてある所に行って、砥石を取ってそのままカウンターの所に行く。


「・・・銀貨2枚だ」


 俺は空間から銀貨が入った袋を出して、袋から銀貨2枚をカウンターの上に置く。袋は空間の中にしまう。


「まいど」


 砥石を空間の中にしまって店から出る。


「さて次は何処に行こうか」

「クゥクゥ!」


 ペールは何か興奮して店を見ている。オレはその店を見ると、前にケーキを買った店だった。オレは何も言わずにその店に行く。その後をペールが付いてくる。


「使い魔は・・・、よし大丈夫だな」


 オレたちは中に入る


「いらっしゃいませ(狐!? 狐が来た!)」


 オレはペールを抱きかかえて、ショーケースに並んでいるケーキを一緒に見る。


「この苺のショートケーキは前食べたから、他のケーキだな。ペールは何食べたい?」


 オレはペールに聞く。ペールは真剣に考え始める。数分経ったら、ペールはブルーベリーレアチーズケーキに前足で指す。


「これか。中で食べる?」

「クゥ!」

「分かった。すみません、チョコレートケーキ1つとブルーベリーレアチーズケーキ1つください」


「分かりました。店内で食べますか?」

「はい」

「分かりました。合計銀貨11枚です」


 オレは空間から銀貨が入った袋を出して、袋から銀貨11枚をカウンターの置く。袋は空間の中にしまう。


「丁度ですね。こちらの番号札をお持ちしていてください。店内は自由席です」


 店員さんから番号札を貰って、オレたちは移動して窓がある席に座る。


「ペール。隣じゃなくって前の席だな」


 オレがそう言うと、ペールは前の席に移動する。ペールは早く食べたいようで、うずうずしている。オレは窓に映っている自分を見る。


 やっぱり日本人じゃないよな。髪色は青っぽいし瞳の色も青っぽい。オレからしたら違和感の塊だな。


「クゥ?」


 ペールはどうしたって顔をしている。


「何でもないよ」


 俺はペールの頭を撫でる。撫でている最中に周りに女性から、凄い痛い視線を感じる。


 絶対に羨ましいって思ってるんだろうな・・・。


「お待たせしました・・・。チョコレートケーキとブルーベリーレアチーズケーキです・・・」


 店員さんもですか。


 テーブルにチョコレートケーキとブルーベリーレアチーズケーキが置かれて、店員さんは番号札を持って戻っていく。ブルーベリーレアチーズケーキをペール方に移動させて、オレはチョコレートケーキを取る。


「いただきます」

「クゥ!」


 オレはフォークを持って、チョコレートケーキを切って食べる。


 うん。チョコレートケーキも美味しい。ペールは・・・、一心不乱に食べてる。


 オレはチョコレートケーキを食べ続ける。


「ん? あれラザとペールじゃない?」

「本当ですね。ラザさんは甘いものが好きなんでしょうか?」

「そうかもね。あ! 夏休みにさぁ、ラザの家に遊びに行かない?」


「ラザさんの家ですか? でも夏休み中に行くのはいいのですが、ラザさんはいるか分かりませんよ」

「夏休みに入る前に聞けばいいでしょ。ラザにバレる前に違う所行こっか」

「そうですね」


 私たちは違う所に行く。


「そろそろ行くか」


 ペールは頷いて席から立って、オレたちは店から出て他の所に行く。

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