IF81話 負けた気分に
起きてオレとプリシラは布団から出る。オレは布団に浄化魔法で綺麗にしてから、布団を押入れに入れずに隅の方に置く。
「もう皆起きてるのか?」
「エディスだけは起きておるぞ。先ほど部屋に来てたぞ」
「何しに来たんだ?」
「主の寝顔を見るためと言っておった。見せんかったけどな」
「何で普通に部屋に入って来るんだよ・・・。もう少し女性らしくしてほしい」
「無理だろうな。朝ご飯でも食べるか?」
「もう少ししたらね。先に弁当を渡しておくよ」
空間から手提げカゴを出して、プリシラに渡す。プリシラは精霊界に帰って、オレは私服に着替えて浴衣は専用のカゴに入れる。時間が経ったらエメリー様たちの部屋に行く。エメリー様たちの部屋の前に着いたら。中に入る許可を貰って、朝ご飯が来るのを待つ。待っていると、朝ご飯が運ばれてきてテーブルに置かれる。オレたちは朝ご飯を食べ始める。食べている最中に箸と浴衣の事で色々質問される。食べ終わったら部屋に戻って、プリシラを呼ぶ。
「また質問されてたな」
「全部プリシラから教わった事にしたから、すぐに終わった。何度も質問されても、こっちは困るんだよ・・・」
「普通は一度行かねば分からない事を、主は行く前から知っておるから気になるのは当然だろ。現に箸を普通に使っておるだろ」
「使ってるな。だってあったら使うしかないんじゃん。フォークやスプーンもあったけど、箸の方が使い勝手が良いんだよ」
「妾には使えんな。何故あの2本の棒で物が掴める。無理だろ」
「練習すれば誰だって使えるよ。プリシラも練習すれば使えると思うが」
「遠慮しておこう」
「使えると便利なんだけだどなぁ」
「―――ラザ先輩。いますか?」
「いますよー。入っても大丈夫ですよ」
オレがそう言うと、サラサ様が入って来る。
「・・・随分と2人はくつろいでますね」
「実家に帰って来た気分でいますからね。それで何か用ですか?」
「エディス先輩が、この街を見て回ると言っていたので。2人もどうですか?」
「街を見て回るんですか。良いじゃないですか。行きましょう。誘われ無かったら、今頃部屋で昼寝してたかもしれませんね」
「昼寝ですか・・・。そう言えば、朝エディス先輩が来たと思うのですが。寝顔を見られましたか?」
「妾が主の顔を隠して見せんようにした」
「・・・自分も寝る時は使い魔を傍に置くべきでしょうか?」
「置いたところでその使い魔が起きていなければ、傍に置く意味が無いのでは?」
「そうですね。やっぱり早く起きた方が良いですね。早く起きるコツってありますか?」
「早寝早起き。これしかないですよ」
「やっぱりですか・・・」
「寝顔を見られるのが嫌なんですか?」
「嫌ですね。何故か負けた気分になります」
「負けた気分になるんですか。ならオレは常に負けた気分になりますね。大体はプリシラが起きるのが早いので、その都度寝顔を見られてますよ」
「なら妾は常に勝者だな」
「自分は精霊を召喚しなくて、良かった気がします。では自分たちは先に外で待ってますね」
サラサ様は部屋から出る。オレは少し準備をしてから、オレたちは部屋から出る。店員さんに挨拶をしてから店を出て、エメリー様たちと合流をしてから街を見て行く。
「エディス先輩。これから何処を見て回って行くのですか?」
「その事なんだけどさぁ・・・。実はこの辺ってあまり行く所無いんだよね・・・」
「「「「え、無い?」」」」
「部屋から出た意味が無いなぁ。何かしらあるだろ」
「あるにはあるよ。ここからすぐ行ける所はジンジャくらいかな」
神社あるのかよ!? ってか建てていたのかよ! という事は。この辺りが出来たのって、かなり昔なのか?
「ならその、ジンジャ。に行ってみるか」
「場所は憶えてるから案内出来るよ。こっちだよ」
エディスさんは前に出て、神社の案内をしてくれる。オレたちはエディスさんについて行く。
エディスさんに案内されて、神社に着く。
オレは色んな神社に行った事があるわけじゃから、この神社がどれくらいの規模なのかは分からない。少なくても有名な神社よりかは、規模が小さいのは確かだ。言い方が悪いが、マイナーな神社なのかもしれない。
エディスさんが何やら説明をしているが、オレとプリシラは別の話をする。
「まさか神社があるとは。これも極東から持って来た文化だろうなぁ」
「懐かしいか?」
「物凄くな。って言ってもあんまり神社に行かないけどな。行くとしたら初詣とか大事な日とかだな」
「頻繁に行くような場所ではないか。だが人が多い所もあっただろ」
「有名な場所はな。オレは一度も行った事が無いけど」
「何してるのー? 置いて行くよー」
オレとプリシラはエディスさんたちについて行く。手水舎で浄めて神殿の所に行ってお参りをする。終わったら神社から出る。
「ほぼ日本と同じだった・・・。極東だからか?」
「そうとしか言えんな。エディスよ。次はどうするんだ?」
「何かあったかな~」
「もし何も無いならここに来る前に、餅つきの体験が出来る店がありましたよ。そこに行きませんか?」
「モチツキねぇ・・・。モチが何だか知らないけど、面白そうだから行ってみようか。場所は憶えてる?」
「憶えてますよ」
そう言ってオレは前に出て、餅つきの体験が出来る店に案内をする。案内をしてると、餅つきの体験が出来る店に着く。オレは店に入って、餅つきの体験が出来るかを聞く。