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IF77話 急いでる

 準備が出来たら、指定されている所に向かう。


「マジで姿が見えないな・・・」

(わらわ)が使った魔法だ。姿が見えなくさせるのは当然だろ。だがおらんわけじゃないぞ。ちゃんとついて来ておるからな」

「何か間違えてぶつかりそうだな」


「ぶつからねぇよ。こっちが先に避ける」

「なら平気ですね。でもイゼベル先生。あんまり喋らないでください。傍から見たら可愛そうな人に思われるので」

「悪かったな。今から黙ろう」


「・・・それにしても。本当に人通りが少ない。どんな場所でも、人通りが少ないのはあるんだな」

「常に人通りが多いって言うのは、中々無い話しだろ。よく言うだろ。目立つ場所があれば必ず目立たない場所があるって」

「確かに。エディスさんを拉致した奴の目的は、絶対にプリシラだよな」


「だろうな。(わらわ)みたいな精霊はあまり召喚されんからな。珍しいのは分かる。だが人を拉致するのは許されんことだろ。(わらわ)とってどうでもいい事だが。主が助けるなら、(わらわ)も助けよう」

「本当に他者はどうでもいいって思ってるな・・・。一体プリシラから何を聞き出したいんだ? それとも解剖でもしたいのか・・・?」

「さぁな。だが何かを聞きたいのは確実だろうな。喋れる精霊はそうおらんしな。色々聞き出して研究をするのだろ」


「普通に接触すればいいのに、何で事件を起こすんだよ・・・。事件はこれで2回目だな」

「1回目は拉致。2回目はエディスが拉致される。さて3回目はどうなるのやら」

「3回目は止めてほしいな。次は拉致されるだけじゃすまない気がする・・・」


「殺人事件が起きるかもな」

「言わないでくれ。マジで起きたらもう無理だぞ・・・」


 オレたち犯人から指定された所と、思われる場所に着く。


「ここか? この家に犯人とエディスさんがいるのは」

「ここだな。下に2人の魔力を感じる。1人はエディスで間違いない。もう1人は犯人だろ」

「そうか。何か魔法で作った罠はあるか?」


「無いな。このまま入っても大丈夫のだ」

「よし。中に入ろう。・・・確認するけど。プリシラがイゼベル先生たちにかけた魔法は、犯人にバレないよな?」

「バレんよ。相手が魔法を使うのが上手ければ、バレるかもな。行くぞ」


 オレたちは家の中に入る。中は普通だが1つだけ違和感がある。オレたちはその違和感の所に行く。


「どう見てもこの扉が地下に行く扉だな。だけど開かないな。この部分だけ、何かピッタリハマるような物が無いと、開かないようだな」

「そのようだな。ところで主よ。こう急いでる時に、わざわざ物を探す暇はあると思うか?」

「無いに決まってるだろ。だから」


 オレは強化魔法で右腕を強化して、把手を掴んで扉を無理やりこじ開ける。


「これでよし。何か色々あるんだろうけど。そんなもんは知らん」


 オレたちは梯子を下りて地下を歩く。特に分かれ道は無く一本道しかなく、ドアの所まで着く。プリシラが前に出て、ドアを開けて中に入る。


「は、早かったですね。も、もう少し時間がかかると思いましたよ」

「上にあった扉の仕掛けで時間稼ぎか? 悪いがエディスさんの命の危険があるんだ。一々くだらない仕掛けに、時間を取られたく無いよ」

「そ、そんな。す、少しは遊んでほしかったな・・・」


「まぁいいや。ほら約束通り。2人で来たぞ。姿が見えないけど、サッサとエディスさんを解放しろよ」

「ま、先ずは精霊と話したいのですが。い、良いでしょうか?」

「拉致小僧と話す事は無い。疾くエディスを出せ」


「そ、その人を解放すれば。は、話しても良いですかね?」

「・・・まぁいいだろ」

「で、ではすぐに解放します!」


 犯人はドアの所に行って中に入る。待っていると、エディスさんを連れて出て来る。


「こ、この女ですね。い、行きなさい」

「う、うん・・・」


 エディスさんは怯えながら歩いて、オレたちの所に来る。近くまで来たら、オレはエディスさんの所まで歩いて、エディスさんを抱きしめる。


「ら、ラザ!?」

「無事ですか? 無事ですよね?」

「うん。特に何も酷い事はされて無いよ」


「そうですか」

「ちゃ、ちゃんと女は返しましたよ!」

「あぁ返してもらったな。だが何で拉致をしたんだ? 普通に誘ってくれれば、話をしたんだがな」


「そ、それが出来たら拉致はしませよ。な、何せ学園側で拒否をされてましたからね」


 おっと初耳だぞ。後でイゼベル先生に聞かないとな。


「よしプリシラ。殺さないように痛めつけたやれ」

「へっ!?」


 プリシラはすぐに拉致男性の所に行き、殴る蹴るをする。その後イゼベル先生が出て来て、すぐに拉致男を捕まえる。


「せ、折角解放したのに・・・! しししししかも他の人もいるじゃないですか・・・!」

「拉致をした相手に対して、何で真面目に要求を呑まないといけないんだよ。サッサと牢屋に行くんだな」


 拉致男はイゼベル先生に連れて行かれる。


「ね、ねぇラザ。そろそろ離れてくれないかな? 後ろからプリシラさんの視線が凄いんだけど!」

「あ、すみません」


 オレはエディスさんから離れる。


「――――――ありがとう。助けに来てくれて」

「いえ。オレのせいでエディスさんが拉致されたんですよ。すみませんでした。まさかオレを狙わず、エディスさんが狙われるとは思いませんでした」

「良いよ良いよ。ラザとプリシラさんは悪くないよ。悪いのはあの拉致した人でしょ。この話はお終い。帰ろっか」


「・・・・・・はい。ありがとうございます」


 オレたちは騎士に護衛をされて、学園に帰る。

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