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IF75話 全く持って

 8月16日。オレたちは門の前に集合している。2週間過ぎてるけど、大体2週間だ。


「ラ、ラザ。お前、本当に学園に戻るのか? お前は特に用事は無いんだろ」

「確かに用事は無いけど。オレは学生だから、もう少し遊んでいたいんだけど」

(わらわ)ももうちと楽したいものだな」


「お願いだ。まだ残ってくれ。そして手伝ってくれ・・・。私らだけじゃ足りんっ!」

「王都にいる兄たちを呼び戻したら? 特にジョナス兄さんは、呼び戻した方がいいだろ」

「そうだが。素直に戻って来るか?」


「・・・・・・戻って来ないな。ジョナス兄さんは出世欲が強からな・・・。でもそろそろ結婚するだろ。出世は諦めて、サッサと結婚して家に帰って来てくれないかな?」

「全くだ。早く帰って来てほしいものだ。ラザたちでは足りんぞ」

「あの戯けは簡単には帰って来ないだろ。手紙を出しても帰って来た記憶があるか?」


「「全く持って無い!」」

「だろうな」

「ラザ様。移動の準備が出来ました。御三方は常に馬車に乗っております」


「そうですか。・・・イリナさん。分かってると思いますが、イリナさんはついて行けませんよ。学園での執事とメイドは、禁止されてますから」


 それを聞いたイリナさんは、プルプルと震えだす。メールはイリナさんを捕まえる。


「ラザ様! イリナは自分が押さえるので、早く馬車に乗ってください!」

「助かります。では行ってきます!」

「待てラザ! せめて冬休みは一度実家に帰って来てくれ!」


「数週間しかないのに、帰って来る訳ないだろ! オレが卒業するまで待ってくれ!」

「プリシラ様がいるだろ! 去年は普通に帰って来ただろ!」

「あれは只の試しにやっただけだ!」


 オレとプリシラは学園に行く馬車に乗る。オレが乗ったら馬車は動き出す。


「何か大変だったね。去年もこんな感じだったの?」

「こんな感でしたね。しかも今よりもちょっと長引きますね・・・」

「イリナが中々降りんからなぁ。3人でようやく降りたからな」


「アレはアレで大変だったな・・・」

「見てて(わらわ)は面白いと思ったがな」

「面白がっていたのはお前だけだぞ・・・」


「・・・とにかくあまり気にしな方がいいですよ」

「はい・・・」


 何時間かかけて王都に着く。王都に着いたら馬車から降りて、学園に向かう。


「―――丁度いい所に来たじゃねぇか。ちょっとラザとプリシラを借りるぞ」

「帰ってきて早々なんですか。帰ってゆっくりさせてもらえないんですか」

「オメェーらがいねぇと、ちょっとメンドウになるんだよ。既に第3騎士団が動いてる」


「なら必要ないじゃないですか。他の騎士団だっているんでしょ」

「数が足りねぇんだよ。許可なら既に貰っている。行くぞ」


 何で許可出してるんだよっと思い。オレとプリシラはイゼベル先生に付いて行く。


「行っちゃったね。何か大変な事になってるのかな?」

「なってるかもしれませんね。でもここはあの3人に任せましょう」

「行かないんですね」


「私が行っても足で纏いになりますよ」

「あの3人だもんねぇ・・・。アタシたちは帰ろうか」


 アタシたちは学園に戻って寮に帰る。


「それで何でオレたちが必要なんですか? 魔物が沢山出て来ましたか?」

「そうだ。魔物がかなり出て来た。数が数だから手が足りねぇんだとよ。一応冒険者もいるが、減る気がしねぇんだとよ」

「何故サラサも連れて行かんのだ? 奴も戦えるだろ」


「駄目だ。まだ育ってねぇよ。その点ラザはかなり育ってるだろ」

「はい・・・」

「愚痴なら後で聞く。そろそろ着くぞ」


 着いた場所は北に位置する森だった。その森で騎士団と冒険者が魔物と戦っている。オレは空間から可変武器を出して、魔物の所に突撃して魔物を殺していく。


「数は多いけど。王都を滅ぼす程の数じゃないな!」

「ただの魔物の群れだな。ほれ何体か寄生させておいた。これでちと楽にはなるだろうよ」

「助かる。なら周りは任せるよ。オレは少し離れた場所から、こっちに向かってくる魔物を殺すよ」


 オレは剣に魔力を流して、弓に変形させる。糸に魔力を流して引っ張り、こっちに向かって来る魔物を射貫く。


 何か貫通してるけど、魔力消費が激しいな! 貫通しなくてもいいから、もう少し威力を落しても平気だよな。


 糸に流す魔力を少なくして魔物を射貫く。矢が当たった魔物は貫通する事無く、魔物は死んでいく。


「とりあえずこっちに向かって来る、魔物は殺したな。騎士団や冒険者はどうなってるんだ?」

「今の所は優勢だな。あの教師が参戦したから、劣勢にはならんよ」

「やっぱり。思ったんだけど。こんな事になってるのに、よく馬車が入れたな」


「こんな事になっておるから、早く馬車を中に入れさせたのだろ」

「なるほど。っと援護しないと」


 弓を構えて魔力流しながら糸を引いて、味方に当たらないように魔物を殺していく。


「魔法で一気にやりたいけど。味方に当たるし森が大変な事になるな」

「構わずやれば、間違いなく敵になるな。地道に減らしていくしかない」


 オレは弓を使って魔物を殺していく。オレの近くに魔物が来たら、プリシラが殺す。

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