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IF73話 一昨年の

 ヴィクトさんはこっちに来て、その場に座る。


「何でオレがいない部屋で、勝手にベッドで寝ている?」

「まだ寝足りなかったので、ラザさまのベッドで寝てました」

「何で自分たちの部屋で寝なかった。普通は自分たちの部屋で寝るだろうが。わざわざオレの部屋で寝る必要がある?」


「丁度ラザさまの部屋の前を通っていたので、丁度良いと思いました」

「丁度良いでオレの部屋に入ってベッドで寝るんじゃねぇ! お前は何を考えているんだ! いくら怒らないからと言っても、限度って言うのがあるだろ。オレはこんなんだが、ちゃんと上下関係があるだろ。今後はそれを考慮して行動してくれ」

「はい・・・。誠に申し訳ございませんでした」


 多分同じ事をやるだろうな。今度は許可を貰ってな。


「それにしてもあの2人は起きないな。実は普通に起きてるんじゃないか?」

「2人はこれくらいじゃ起きませんよぉ」

「それ本当に大丈夫なんですか?」


「「「(敬語に戻ってる)」」」

「緊急時とか殺気とかが判れば、すぐに起きますよ」

「寝てても判るんですね・・・」


「何か普通に会話してるよ。さっきまでの説教は何処に・・・」

「説教は長々やればいいってもんじゃ無いですよ。長々とやっておいて、結局何を言っていたか、分かりませんでした。何て言ったら駄目だろ」

「そうかもしれませんが。こんな早くに説教を終わらせて、会話をしますかね」


「こう言うのは切り替えが大事なんですよ。そうしなとズルズル引きずって行きますよ」

「いくら何でも切り替えが早いと思いますが」

「主は常にそうしておるがな。この去年なんか―――」


「プリシラは余計な事を言うな」

「だそうだ。(わらわ)は黙っておこう」

「物凄く気になる所で止められましたね。去年何があったのですか?」


「何も無かったですよ」

「絶対に何かあったと思うけど。教えてよ」

「嫌です」


「いいじゃん。減るもんじゃないし」

「言いたくないんですよ」

「そんな事よりラザさまぁ。この前の弁当を返しますよ。弁当は美味しかったですよぉ」


「そうですか。ありがとうございます」


 オレはヴィクトさんから、手提げカゴを返してもらう。オレは手提げカゴを空間の中に入れる。


「「「・・・愛妻弁当?」」」

「全く持って違います。ただの弁当ですよ。それにオレは結婚してませんし、オレは男性です」

「そうですよぉ。申し遅れました。アタシはカルバーン家のメイド、ヴィクトと申します」


「エメリー・ローレン・ウィドリングトンです。私の右にいるのがエディスで、左にいるのがサラサです」

「・・・本当にラザさまは王族と仲が良いですねぇ。一昨日からでしたか?」

「はい」


「一昨年のラザさまは何をしてました?」

「一昨年のラザ? 常に気配遮断をしてたね。今でもしてるけど」

「後は文化祭の―――」


「お止めくださいエメリー様。それ以上はいけません。喋ってはいけません! それ以上喋られると、オレは顔を赤らめる事になります。何卒お止めください」

「―――その出し物でラザさんは」


「お止めてください! これ以上オレを追い込まないでください! 喋られたら、次からどんな風に会えばいいんですか!?」

「いつも通りで良いでしょ。切り替えが大事なんでしょ」

「こう言う時の切り替えは遅いんですよ。文化祭の事はもう喋らないでくださいよ」


「ラザさま。物凄く気になるので、ちょ~っと喋ってくださいよぉ」

「喋る訳ないでしょ! 決まった事とは言え、知ったら軽蔑すると思いますよ」

「しませんよぉ。文化祭ですから、ラザさま1人でやった訳じゃ無いですよねぇ」


「そうですけど。これは聞かれたくないんですよ」

「ラザさんはメイドの格好をしました」

「「「「「・・・・・・」」」」」


 さっきまで喋っていたが。唐突にエメリー様の一言で、部屋は静寂に包まれた。オレは顔を赤らめて両手で顔を隠し、椅子の上で蹲る。


「――――――えっ、マジですか? ラザさまメイド服着たんですか?」

「しかも文化祭の出し物で。遊びではなく文化祭で着たんですか。しかも大勢の人に見られて・・・」

「うん。男性はほぼ全員来たんじゃないかな。確かに大勢の人に見られていたかな。ラザはメイクすると化けるよ」


「ラザさま今すぐにメイド服着てメイクしてください」

「嫌です着ませんしメイクもしません」

「そこを何とかお願いします。もう勝手に部屋に入りませんから」


「勝手に部屋に入って良いので。着ませんメイクもしません」

「勝手に部屋に入って来る方がまだいいんだ。まぁそうだよね。どう考えても見せたくないよね。でも写真が」

「止めよ。これ以上主を追い込むのは止めよ」


「あぁプリシラさんにそう言われると、ちょっと無理だね」

「ハッ! 今度の文化祭で助っ人で来てくれれば」

「それは禁止ですよ」


「もう止めてください。これ以上は止めてください・・・」


 その後イリナさんたちが起きる。オレは少しミシュを説教をする。イリナさんは被害者なので、特に何も無い。3人は帰ると思ったが。そんな事は無く雑談をして1日を過ごす。


 正直男性1人だから、ちょっと怖かった・・・。

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