IF71話 所属不明
ダンジョンに着くとクレトリーさんがいた。挨拶をしてエメリー様たちを紹介する。紹介が終われば、騎士に邪魔にならない所に案内される。その場所で話していると、クレトリーさんが来る。クレトリーさんから話を聞いて、すぐに指示を出す。クレトリーさんが移動したら、エメリー様たちにも指示を出して、エメリー様たちは移動する。オレたちはクレトリーさんの所に行く。
「クレトリーさん。ポーションは足りてますか?」
「足りてません! 何でこんなに騎士がいるんだ!?」
「ならすぐにポーションを出します」
「待て主。ここは妾の治癒魔法を使う」
プリシラはそう言って、今いる騎士たちに治癒魔法を使って傷を治す。
「ポーション使った意味が無くなりましたね」
「ポーションはまた作ればいいんですよ。そんな事よりもですよ。何でこんなに騎士がいるんですかねー。今回ダンジョンに入った騎士団は、ロザリー様がいる第11騎士団だけですが」
「分かりませんね。第11騎士団が報告をしなかった、て事は無いと思いますが。あるいは第11騎士団も知らなかった。よく見ると、他の騎士団のようですね」
「プリシラは何か気付いた事はあったか?」
「そう言えばダンジョンに潜る日に、第11以外にも騎士団がおったな。姿を消してはいたが、アレは第11の所属では無かったか」
「何でそう言う大事な事を言わなかった!?」
「第11の所属だと思ったからな。すまなかった・・・」
「・・・オレも怒鳴って悪かった。そうか他家の騎士団がいたのか・・・。ダンジョンが街の外にある事を良い事に、魔法か魔道具で姿を消して、第11に付いて行ったのか」
「――――――なるほど。それなら納得だな」
「ロザリー様。無事でしたか」
「あぁ。無事生きて帰って来れた。プリシラ。傷を治してくれありがとう」
「地面に埋まるほど感謝するが良い。主の命令無しで妾自身が動く事は、そうない事だぞ」
「確かに今回は自発的にやったな。何でだ?」
「主が作ったポーションが勿体ないからな。なら妾の魔法で治した方が、早く終わるだろ」
「早く終わるけど。馬車が足りないな。あぁいや。勝手にここに来た騎士団は、歩いて家に行ってもらおうか。そいつらに馬車を使わせるのは、勿体ない」
「それが妥当かと」
「私も賛成だな。勝手に来て許可無く潜ったんだ。それなりの罰があるだろ」
「はい。ロザリー様はすぐにエメリー様たちの方に行ってください。エメリー様がかなり心配してましたよ。場所は向こうです」
「分かった」
ロザリー様はすぐにエメリー様たちの所に行く。
「さて、オレたちはオレたちでやりますか」
「先ずは全ての治療費を請求しましょう」
「どうせあの騎士団も泊めるのだろ。その宿泊費、食費、風呂代、武具代とその他諸々付けるべきだろ」
「ここまで来たら取れるだけ取るか。そうしないとこっちの気が治まらない」
「そうですね。余計な仕事を増やしやがって・・・」
「請求はここまでにして、空いている馬車をこっちに来させてください。後はオレたちがやります」
「分かりました」
クレトリーさんはすぐに空いている馬車を探す。オレは治っている騎士を集める。
「ではこれから家に戻りますが。第11は馬車に乗ってください。残りの所属不明騎士団は、歩いてカルバーン家に向かてください」
「はぁ!? 俺達はダンジョンから帰ってきて、ヘトヘト何だぞ! 何で馬車に乗せてくれねぇんだよ!」
「貴方方所属不明騎士団は、我がカルバーン家が所有するダンジョンに勝手に潜りました。本来ならちゃんとカルバーン家から許可を持って、ダンジョンに潜ります。だが貴方方は許可なくダンジョンに潜りました。そんな人たちに対して、馬車を使わせる気は毛頭ないですよ。それにこの場で逮捕されない事だけでも、感謝してくださいよ。貴族がダンジョンを所有してる場合は、1つの財産として見られます。それを盗もうとしてたんですよ。その場で逮捕されても文句は言えませんよ。あぁそれと。負傷者たちは馬車に乗せますよ。ここまで話しましたが、何か異論はありますか? あったとしても貴方方には不利ですがね」
「コイツ・・・。ふざけやがってっ!!」
「おい馬鹿止めろ!」
1人の騎士が鞘から剣を抜く。
「ここで争いですか? オレは構いませんよ。こっちに大義名分がありますからね。ここで貴方方を殺してもお咎め無しでしょう。それに周りを見てくださいよ」
所属不明騎士たちは周りを見る。
「見て分かると思いますが。貴方が剣を抜いた事によって、周りの騎士たちは警戒をしています。このままオレに攻撃をすれば。精霊と周りにいる騎士は敵とみなし、貴方方をすぐに討伐するでしょう。それに」
「そ、それに・・・?」
「それに貴方方がもしここで争いを起こせば、王都から来ている第11騎士団にも剣を向ける事になるでしょう。つまり王国に対して反感を持った反逆者として見られますね。そうなったらもう大変ですよ。色んな貴族からここぞとばかりに、討伐隊の派遣をしますよ。何せ大義名分になりますからね。もしかしたら味方が付くかもしれませんが、それでも絶望的だと思いますよ」
「は、反逆者だって!? おい今すぐにこいつを止めろ!」
剣を抜いた騎士はすぐに取り押さえられる。
「貴方方には2つの選択肢があります。このまま歩いてカルバーン家に行くか、ここでオレたちと戦って反逆者になるか。どちらを選びますか? オレはどちらでも構いませんよ」
「歩いてカルバーン家に行きます!」
1人の騎士がそう言って、すぐに歩き出す。
「――――――はぁ。何か疲れた」
「お疲れ。中々悪役ぽかったぞ」
「悪役って・・・。まぁ脅してるように見えるか。オレ殺されないよな。かなり恨まれるような事をした思うが」
「大丈夫だろ。向こうもそこまで戯けではだろ」
「だといいんだが。それでトラヴィスさんたちは何か用事でも?」
「お、おう・・・。実は他家の貴族が、領主を出せって言ってくるんですよ」
「他家の貴族? ・・・勝手にダンジョンに入った貴族ですかね。その人を家に案内してください。勿論歩かせてくださいね」
「いいのか? 相手は貴族だぞ」
「知りませんよ。向こうが勝手に来て、勝手にダンジョンに入ったんですよ。そんな人に礼儀なんていらないですよ」
「かなり怒ってますねぇ。まぁ怒る理由は分かりますが」
「イリナさんたちは帰って来たんですね。お帰りなさい」
「「ただいま帰りました」」
「帰ってきましたぁ」
「ではイリナさんたちはすぐに帰って休憩を。トラヴィスさんは先ほど言った通りに」
「「「「了解」」」」
トラヴィスさんたちは移動をする。オレたちはやる事をやって家に帰る。