IF70話 白状
「手押しポンプ。突如マキレイ商会に置かれて、色んな街に売られた。お金の余裕がある村も購入している。手押しポンプ置かれた事によって、一般市民や使用人は大変助かっている。そしてその噂を聞いた帝国が、マキレイ商会まで来て、手押しポンプを購入していた話も出て来た。手押しポンプは一体何処まで上に行くのだろうか」
「エディスさん。一体何を言ってるんですか?」
「独り言だよ」
「独り言にしては妾らに聞こえる、声の大きさだったぞ。追う独り言では無いだろ」
「良いんだよ」
「いいんだ。ところで帝国も手押しポンプを買ってるんですか?」
「買ってるよ。商人仲間から聞いたんだ。帝国でもかなりの評価みたいだよ」
「お父さんもいい買い物をしたと言ってましたよ」
「自分のところもそうです」
「流石手押しポンプ。これだけでかなり儲けが出てるんだろうな。ただ排水管とかが普及したら、一気に落ちるだろうな」
「家に通す事が出来るからな。そうなれば手押しポンプの役目は、ほぼ終えるだろうな」
「手押しポンプ以外の物も作らないと、売り上げは落ちそうだな」
「ラザは商人になるつもりは無いのに、何で心配してるの?」
「心配して無いですよ。ただ言ってるだけですよ」
「言ってるだけなんだ・・・」
「それにしても冒険者が沢山いますね。ダンジョンの影響ですね」
「はい。お陰で色々潤ってますし、街も発展してますよ。その分犯罪も増えますがね」
「殺人、詐欺、誘拐、窃盗などなど。色々増えてきたな」
「これでもかなり抑えているが、まだまだ何だよな」
「警備とかって増やしてるんだよね?」
「増やしてますよ。でも人が多いんですよ。これでも人も制限してるんですよ。そうしないとこっちが追い付けませんから」
「もう少し騎士とか増やしたらどうですか?」
「最初は増やそうとしましたよ。でも王都から来ている騎士団もいるので、中々増やせないんですよ。宿舎を造らないといけなし、土地の問題もありますからね」
「確かに土地は問題ありますね。これだと騎士団も雇う事も出来ませんね」
「まぁでもギリギリ機能してるので、何とかなってますよ」
「凄いね・・・。ねぇ商家って足りてる?」
「足りてると言うより。この街にある商会はマキレイ商会だけですから、足りてないと言えば足りて無いですね。後は個人で店を出しているのが多いですね」
「この街にウチの商会の支店はどう? マキレイ商会で扱ってない物を扱ってるよ」
「あぁそう言う話は親同士でした方が良いですよ。オレたちで決めると、親に何て言われるか・・・」
「それもそっか。アタシたちの一存じゃ決められないし、決める権力が無いね」
「でも親父には伝えておきますよ」
「ありがと」
「会話に入りませんね」
「これから発展する街と、その街にどうにか支店を出せないか。貴族と商人の話ですね。私とサラサは王都住まいなので、こういう話は出来ませんね」
「そんな事無いよ。王族と公爵家にもそういう話は出来るよ。寧ろ紹介してくれると嬉しいよ。他にも大商会いるからねぇ」
「あるんですか。そっちの方が有名何ですか?」
「うん。大商会と言えばって聞くとウチの商会じゃなく、違う商会出るからね」
「オレは全く分からないんですか」
「妾も分からんな。興味が無い」
「まぁ2人はそうだと思ったよ。もう2人は知ってるよね?」
「確か『ラーシス商会』でしたね」
「そうラーシス商会。あそこも同じように色んな事をやってるけど、ノーラス商会より上だね。そして人員も」
「なるほど。そんなもんがいるから、ノーラス商会は有名じゃないのか」
「うん。何でラザは、ノーラス商会が大商会って知ってたの?」
「親父がよく言ってましたからね。あの商会をどうにか街に支店を置けないかって」
「へぇそんな事言ってたんだ。ならすぐに食いつくかもね」
「食いつくでしょうね。また親父の仕事が増えるな」
オレたちは街を回る。街を回っていると、クレープ屋を見つける。
「ここにもクレープ屋があるんですね。しかも屋台ですよ」
「このクレープ屋はかなり人気あるんですよ。よく売れてますよ」
「それってラザ先輩が沢山買うからじゃないですか?」
「沢山買わないですよ。買いに行く暇無いですし」
「買う暇無いんだ・・・。今日は買っていくの?」
「折角なんで買いますよ」
オレはクレープを買う。オレとプリシラ分を買うと、エメリー様たちが見てくる。オレは何か適当に3つ買う。クレープが出来たら受け取って家に帰る。
「何か悪いねー。奢ってもらって」
「無言で見られたら誰だって奢りますよ」
「別に奢ってほしいって訳じゃ無いのですが。ありがとうございます」
「どういたしまして」
それにしても、クレープを食べていると、あの事を思い出す・・・。
「ラザさん顔を赤くしてどうしたんですか?」
「な、何でも無いですよ・・・」
「―――あぁアレを思い出していたか」
「アレってなに?」
「何でも無いですよ! 本当に何でも無いですから!」
「ラザ先輩。強く否定をすると、逆に何かあったと思いますよ。大人しく白状してください」
「白状しませんよ!」
オレに色々言ってくるが、オレは何も言わずに家に帰る。2日後。オレたちはダンジョンに行く。