IF62話 ストレスが
春休みが終わって始業式。去年と同じで特に事件とかは起きなかった。始業式が終わった後は教室に移動する。移動したら自分が座る席に行って、名前を確認したら椅子に座る。
「今年は小娘どもと同じクラスかぁ。また騒がしくなるな」
「露骨に嫌な顔をされてる・・・」
「いつもの事なので。また一緒になるとは思いませんでしたよ。しかも席が隣とオレの前にいますね」
オレの右側にはエディスさんがいて、前の席にはエメリー様がいる。
「担任もイゼベル先生だったよね~。何か1年生に戻った気分だよ~」
「オレは3年連続イゼベル先生ですか・・・。多分また驚くでしょうね」
「去年は驚いていたんですか?」
「驚いていましたよ。多分先生方は新しいクラスになるまで、クラスメイトの事は知らないと思いますよ」
「じゃあまた驚かれるかもね。っと言うより、アタシたちにも驚かれそうだね」
「そうかもしれませんね」
「―――私も驚かれるかもしれません」
急にアリスさんが現れて喋り出したので、2人は驚く。
「いたの!? さっきまでいなかったよね!?」
「はい。さっきまで違う人と挨拶してました。そして今来ました」
流石アリスさん。イゼベル先生に2年も教わっているから、ちょっと普通の人からかけ離れている。オレもかけ離れているけど。
「何か久しぶりに喋った気がします」
「アタシも」
「去年はクラスも違うし科目も違うので、話す機会は中々無かったと思いますよ。オレは何かよく話していたような気がします」
「同じクラスですし、仲良くするのは普通なのでは?」
「アリスさんの場合は、あまり仲良くなりすぎると。どっかしらで大変な事になりそうなので、あまり仲良くは・・・」
「あぁそっか。次期当主だから、仲良くなりすぎると・・・」
「そうですね・・・」
2人はよく分かったようだ。
「・・・やはり似ているなぁ」
「似てる? あぁ確かに似てるよな」
「はい? 私が誰かに似ているのですか?」
「誰かに似てるんですよ。これ以上は言いませんが」
「はぁ・・・」
アリスさんは考え始める。
「おーいオメェーら、サッサと席に着け。席に着かねぇ奴はババァの鉄拳が飛ぶぞー」
「やっぱり言った」
「もはや癖で言ってるかもしれんな」
生徒が全員椅子に座ったら、イゼベル先生の話を聞いて出席を取っていく。途中知ってる名前が出て来て驚く。出席の確認が終わったら話を聞いて、終わるとイゼベル先生は教室から出る。
「今年は受験生か~。何かどっかでストレスが溜まりそう~」
「そうですね・・・。姉さんたちは言ってましたね、11月と12月から雰囲気が重くなると」
「ラザは大丈夫かな? ラザは冒険者になるから、面倒な試験は無いと思うけど。他の人たちよりかなり楽だよね」
「大丈夫と言えば大丈夫ですか。念のため勉強はしますよ」
「それよりも、ちょっかいを出してくる奴らの警戒だろ。特に主やエディスは、警戒をした方が良いだろ」
「アタシも? 何で?」
「エディスは商会の娘なので、特に試験とか受けないくても、すぐになれると思いますよ」
「あぁその事ねぇ。言われてみたらそうだね」
「気を付けた方が良いですよ。最悪殴られますよ」
「気を付けるよ。これからどうするの?」
「オレとプリシラは図書室に行きますよ。今日は図書委員の仕事があるので」
「そうでうすか。では私たちは先に寮に帰りますね」
エメリー様とエディスさんは先に寮に戻る。オレたちは図書室に行く。
5月1日。別校舎の冒険科の教室にて。
「今年は1年生が来てくれるのでしょうか?」
「さぁ? こればっかりはオレには分かりませんね。去年はサラサ様が来てくれましたが、あれは奇跡だと思いましたよ。冒険科は人気無いので・・・」
「そうですね・・・。去年の自分は奇跡だったのですね」
「主も同じ奇跡の類だろ」
「そうだった」
「ラザ先輩がここに入ってなかったら、今頃ここはどうなっていたんでしょうか?」
「無くなるとは思いませんが。しばらくこの教室は使われる事は、ないかもしれませんね。あるいは一時的に他の科目が使うかもしれませんね」
「ここの予算はどうなっておるかは知らんが、残していても特に問題はない科目だからな」
「残るには残るのですね。そうなると再来年になると、先生はどうなるのでしょうか?」
「イゼベル先生なら。オレたちが卒業したら、教師を辞めるみたいですが」
「その話詳しく教えてください」
詳しく教えていると、イゼベル先生が入ってくる。1年生がいないかを、確認するが1年生の姿は無かった。
「まさかイゼベル先生は教師を辞めるなんて・・・。来年は転科確定ですね」
「何だオメェーら。サラサに喋ったのか?」
「喋りましたよ。どうせいつか話すなら、ここで言っても特に問題はないですよね?」
「確かにねぇな。授業を始める前に話すことがある。卒業試合の代表は勿論ラザだ。それによりクラス代表にはなれない。解ったか?」
「解りました。言った通りだろ」
「つまり妾は出れんのだな。つまらんなぁ・・・」
「そう言う決まりだからな」
その後話しの続きをされる。その話が終わったら、学園から出て森に行く。