表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
147/177

IF54話 驚かせるのは

 5階の実験室に着いたら、中に入って調べてみる。


「オレの右足が掴まれた以外、特に何も無かったな」

(わらわ)はアレで終わるとは思わんがな。違う所に行く時に、また同じようなものが出るだろ」

「勘弁してくれよ。また掴まれたくないぞ」


「そう言われてもなぁ。向こうから姿を現せてくれんと、こっちは何も出来んぞ」

「そうだよなぁ~。ここは特に何も無いから、次の場所か。クリス様はぁ」

「わっ!!」


「っ!?」


 オレは驚いて身体がビクッとする。オレはすぐに後ろを見る。


「クリス様! いきなり驚かせるのは止めてくださいよ!」

「ごめんごめん。ついやりたくなっちゃって」

「本当に止めてくださいよ。オレは幽霊を警戒をしてて、ほぼクリス様の警戒はしてないんですよ」


「その言い方だと。常にボクを警戒してると言う事になるけど。何でかなぁ?」

「さぁ何でしょうかね」


 気を抜いたら高確率でイタズラされるからなぁ・・・。それを警戒をしてる言えないよな。


「ここには特に無かったから、このまま昇降口前まで戻っても良いけど。隣の準備室も調べようか。すぐに入れるからね」

「良いですよ」


 クリス様は先に行く。オレたちはクリス様に付いて行く。準備室に入って光魔法で照らして、何か引きずる物がないかを探す。


「なぁプリシラ。このクリス様は本物だよな?」

「本物だな。急にどうした?」

「ちょっと疑ってるんだよ。こう言うのは気付かずに、本人と入れ替わっている可能性があるんだよ」


「あぁそう言うのもあるのか。だが大丈夫だろ。これでも(わらわ)が対策をしている。いくら幽霊でもこれを破る事は出来んだろ」

「相変わらず凄いな・・・」


 探しても特に何も無かったので、実験室に戻って廊下に出る。


「ここから戻るのかぁ。怖いな・・・」

「あ、なら手でも繋ぐ?」

「止めておきます。そっちの方が怖いです」


「どう言う意味?」

「だってこのまま手を繋ぐと、何かしらイタズラをされそうで・・・。サラサ様から色々と聞いてますよ」

「サラサは余計な事を・・・。何もしないから、手を繋ごうよ」


「プリシラがいるので。大丈夫です。手は繋ぎませんが」

(わらわ)は手を繋いでも良いんだがなぁ」

「2人っきりだったら、手を繋いでいたよ」


「ふ~ん。ボクが邪魔だって言うんだ・・・」


 ヤバい。ちょっと刺激を与え過ぎたか? これは何処かでイタズラされそう・・・。


「まぁいいや。それより前から白い人型がこっちに来るけど。逃げた方が良いよね?」

「浄化すればいいだろ」


 プリシラが浄化魔法で、白い人型を浄化する。1体だけかと思ったが、更に出てくる。オレも浄化魔法を使って浄化をする。


「何かどんどん増えてないか!? クリス様も手伝ってくださいよ!」

「そうしたいけどね。ちょっと助けてくれないかな? 何故か魔法が使えないんだよ」


 オレはクリス様を見ると、両手両足に白い手に掴まれていた。オレはすぐに浄化魔法で浄化する。


「助かったよ、ありがと。じゃあボクも浄化を手伝わないと、ね!」


 クリス様も浄化魔法を使う。オレたちは浄化魔法を使って、学園の昇降口前まで行く。


「や、やっと昇降口前まで戻って来た・・・」

「いやぁー、何か違う物が出て来たね! まさか本物の幽霊を見るとは思わなかったよ!」

「何でクリス様はそこまで、楽しそうにしてるんですが? 流石にちょっと異常ですよ」


「失礼な事を言うね。本当に楽しかったから、言ってるだけだよ」

「オレは死ぬんじゃないかと思いましたよ・・・」

「アハハハッ! 流石に幽霊相手だと死なないと思うよ。キミでも面白い冗談を言えるんだね」


「あぁ・・・。そうですね」

「―――戻って来ていたか。そっちはどうだった?」

「こっちは本物の幽霊が出たよ。ボクたちちょっと疲れたから、話は後でね」


「待て! 本物の幽霊だと!? 今話さないか!」

「疲れたって言ったでしょ。部屋で話せるんだから、後でいいでしょ。そう言うわけだから、じゃあね2人とも~」


 クリス様は先に帰る。よく分からない状態で解散する事になった。後日。エメリー様から話を聞いた。別校舎で音の正体が分かった。何か先生が荷物を引きずる音だった。


 夏休み最終日。オレたちは何故か城の書庫にいる。


「何で城の書庫で、本の整理をしないといけないんだよ!?」

「主が本の整理が上手だからだろ。まさか呼ばれるとは思わなかったがな」

「夏休み最終日はゆっくりしたかったんだよ・・・」


 オレは本を整理する。他の人もいるが、全ての本を整理する事は出来ない。


「――――――ラザ。本の整理は順調かね」

「こ、国王陛下!」


 オレはすぐに本を整理して、国王陛下所まで言って跪く。


「そう畏まるな。楽にしていい」

「はい・・・」

「場所を変えよう。ついてまいれ」


 オレは立ち上がり、国王陛下に付いく。途中でプリシラが殴りかかろうとしてたが、すぐ止めた。国王陛下ついて行くとリビングに着く。国王陛下は椅子に座ると、2人の使用人が椅子を引く。オレとプリシラはその椅子に座る。


「今日はいきなり呼び出してすまなかった。手の空いている人がいなかった故、本の整理に慣れている貴様を呼び出した。今日は何か予定でもあったか?」

「いえ。今日は部屋でゆっくりと過ごす気でいました」

「そうであったか。実は1つ聞きたい事があってな。貴様の実家では何やら井戸に、手押しポンプと言うものがあるが。本当か?」


「はい。私の実家にある井戸は、全て手押しポンプになっております」

「全てか・・・。その手押しポンプは今あるのか?」

「あります。許可を貰えるのでしたら、城にある井戸のロープなどを外して、手押しポンプに変える事が出来ます」


「是非やってくれ。かなり水を汲むのが楽になると聞いている。おい。誰か手の空いている奴はいるか?」

「ここに下ります。すぐに井戸の所まで案内をします」

「うむ。では行くとするか」


 立ち上がって、使用人の案内で井戸の所に行く。井戸に着いたら。空間から手押しポンプと説明書を出して、何人かの使用人にも手伝ってもらい、手押しポンプを設置する。設置が終わったら、使い方を説明をして国王陛下自ら使う。


「驚いたな。これなら使用人も楽に水を汲めるだろ。ラザよ。まだ残っているか?」

「はい。設置をした物を含め、10個あります」

「残り9個か。至急残りの井戸に手押しポンプを設置する。手の空いている者は、ラザから手押しポンプを受け取り、井戸に設置せよ!」


「「「「「「御意」」」」」」


 すぐに使用人がオレの所に集まり、オレは手押しポンプを出して渡す。手押しポンプだけだと設置するのに、時間がかかるので。プリシラに頼んで説明書を複製してもらい、それを使用人に渡す。


「これで城にある井戸はロープではなく、手押しポンプになるだろう。足りなければ、何処かで買えるのか?」

「マキレイ商会に既に卸してあります。お求めなる際は、是非マキレイ商家でご購入してください」

「マキレイ商会か。すぐにでも買おうとしよう。後で褒美をやる」


「でしたら。これを作った、ドワーフたちに渡してください」

「貴様や父親ではなく。父親が雇っているドワーフたちにか?」

「はい」


「良かろう。褒美はそのドワーフたちに渡そう」

「ありがとうございます」

「ところでだ。貴様騎士になる気はないか?」


「毛頭ありません」

「即答だな。騎士になれば娘たちも喜ぶものだがな」

「寧ろ怒られるかもしれませんね」


「そうかもな。では余は仕事に戻る。貴様は娘たちの相手をしていろ」

「御意」


 国王陛下は仕事に戻る。すれ違いでロザリー様たちが来る。ロザリー様たちが来て、先ずは手押しポンプの話をする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ