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IF53話 知らない人の

 8月20日。夏休みの中盤だろうか。オレとプリシラはこの真夜中学園の昇降口前にいる。来た理由はエメリー様に来てほしいと、言われたからだ。


「何でこの真夜中に昇降口前に来ないといけないんだよ・・・。怖いだろ・・・」

「そう言いながら、ゲームではかなりサクサク行ってたではないか」

「あれは武器があるからサクサク行けるのであって、武器が出ないホラーゲームは中々進まないんだよ」


「幽霊が苦手とはなぁ。まぁそう簡単に見えるものではないだろ。見えた所で、浄化魔法でも使えばいいだろ」

「そうだけど。オレは見たくないよ」


「―――あ、2人とももう来たんだ。早いね」

「あぁエディスさん。エディスさんもエメリー様に言われてここに?」

「そうだよ。何で夜に集まらないといけないんだろうね?」


「さぁ? 何かやろうとしてるんじゃないですか?」

「・・・もしかして夜の学園散歩?」

「夜に学園を散歩するんですか。怖くないですか?」


「アタシは怖くないけど。もしかして~、ラザは怖いの~」

「怖いですよ。夜の学園何て怖い以外に何があるんですか? よし帰ろう」

「帰ったら文句を言われるぞ」


「そうだよ。ここはちゃんと残ろうか」


 2人してオレを帰してくれない。何やっても帰してくれないと分かり、オレはすぐに諦める。


「―――お待たせしました」


 オレたちを呼んだエメリー様が来る。エメリー様だけではなく、ロザリー様とクリス様もいる。


「さてこんな夜に集まってもらったのは、この学園の調査をするためだ」

「調査だと? 何故調査をする。よもや幽霊調査をする気か?」

「そうだね。勿論学園長から許可は貰ってるよ。っと言うより学園長からの、依頼なんだけどね。これを生徒会のボクたちが解決する」


「そう言うのは学園の先生がやると思うのですが」

「その先生方が忙しいんだ。調べたい噂は1つだ。その噂は『夜な夜な何かを引きずる音が聞こえる』これを調べる」

「あぁやっぱりそれを調べるんだ。かなり噂になってるからね」


 意外と弱い噂だった・・・。


「引きずる音って何ですか?」

「それは分からない。ある者は武器か何を引きずっている音、ある者は人を引きずっている音。だとか」

「後者の部分が怖いんですが!?」


「まぁ怖いな。こればかりは私もよく分からない。が。この噂が出るほど音を聞いた人が沢山いるわけだ」

「それは分かったけどさぁ、何でアタシたちを呼んだの? 生徒会の人たちで解決すんだよね?」

「あぁそうなんだが・・・。今日は人が足りなくてな・・・、1人は風邪をひいたからな」


「もう1人はサラサなんだけど、怖がって行きたくないって。可愛いよね~」

「あ、オレも幽霊が怖いので帰ってもいいですか?」

「ハイハイそう言うウソはいいから。ラザはそれぐらいじゃ怖くないでしょ」


「この人正気か? 本当に怖いのに連れて行くとか、正気の沙汰じゃない・・・」

「行くしかないだろうな」

「嘘だろ・・・」


「ではこのくじ引きでグループを決めましょう。ラザさんとプリシラさんは引かなくていいですよ。どうやっても2人は一緒になるので」


 エメリー様たちがくじを引く。クジを引いたら一斉に見せて、グループが決まる。


「ボクとラザとプリシラ。そっちはロザリーとエメリーとエディスだね」

「やり直しを要求します!」

「それは却下だ。時間が勿体ない」


「グループ別けをしたって事は、別校舎にも同じ内容の噂があるんですか?」

「その通りだ。別校舎にも引きずる音がする。では私たちは別校舎の方に行く。そっちは任せるぞ」


 ロザリー様たちは別校舎に行く。エメリー様は悲しそうにオレたちを見るが、オレは手を振って見送る。


「ん~止めかな?」

「さぁどうでしょうかねぇ。行きましょうか。早く終わらせて帰りたいです」

「そこまで怖いんだ・・・。最初は5階の実験室だよ」


 オレたちは昇降口に入って、噂になってる所に行く。先ずは5階の実験室に行く。


「こわぁ・・・。何で学校や学園の夜ってこんなに怖いんだよ・・・。そして暗い。いくら月の光があるからと言っても、暗いなぁ」

「真っ暗よりマシだろ。主は真っ暗の方が良いのか?」

「こんな場所で真っ暗とか嫌に決まってるだろ! その場から動かくなるぞ!」


「意外な弱点。さてこれをどう利用すればぁ・・・」

「クリス様。何良からぬ事を考えてますか?」

「別に考えて無いよ。ほら早く行かないと、本当に幽霊が出てくるよ」


「怖い事を言わないでくださいよ。本当に出てきたらっ」


 何かに右足が掴まれた。オレは見たく無いが、見ないと分からないので、恐る恐る右足を見る。


「わぁ知らない人の手だ・・・。って言ってる場合かっ!」


 オレはすぐに浄化魔法で、右足を掴んでいる手を浄化する。


「マジでいた。マジで幽霊いたよ・・・!」

「ふむ・・・。これはちと危ないか?」

「危ないね。でも噂を何とかしたいから、このまま続行かな」


「それならクリス様1人で行ってくださいよ。オレたちは帰りますよ」

「えぇ。か弱い女性を置いていくの?」

「「か弱い女性?」」


「何その反応。流石に怒るよ」

「すみませんでした。・・・分かりましたよ。最後までやりますよ・・・」

「よし」

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