IF49話 寄生種
アイアンタートルを殺して、消えたら何か出てないかを探す。出て来たのは鉄鉱石だらけだった。鉄鉱石を回収をして、ミノタウロスを探す。何時間が経って野営地に戻る。少し休憩をしたら、ミノタウロスの肉を使って料理をする。
「流石に40人以上作るのは疲れるな・・・」
「主か作れるなんて言うからだろ。言わなければ、こんな事にはならんかっただろうな」
「ならなかっただろうな。やっと食える」
オレは自分の分を食べる。もう少し味付けの種類が増えたら、美味しかっただろうなと思いながら食べる。食べ終われば片づけをして、今日は見張りをしないで寝る。
次の日。今日は3日目なのでテントなどを片付けて、焚火を壊してダンジョンから出る。前に来た道を戻ればいいのだが、そうはさせないとばかりに、魔物が襲ってくる。
「初日と打って変わって、魔物が襲ってくるなっ!」
「そりゃそうですよ。あれだけ殺し回ってたんですよぉ。それで帰るって言っても、はいそうですか。何て行きませんよ」
「それにしても数が多いな!」
騎士たちも戦っているが、魔物の勢いが治まらない。それどころか勢いが増している。
「帰る時はいつもこうなのか!?」
「どうだろうなぁ。たまたまかもしれんぞ。ほれ右だ」
右から来るコボルトを剣で殺す。周りに死体が消えて、何か素材とかが出てるが拾っている暇がない。
「プリシラさんも手伝ったくれても良いんですよ!」
「戦てもよいが、周りにいる騎士諸共殺めることになるが。それでもよいならやるが」
「どんな魔法を使う気だよ!? 仲間を巻き込まない魔法はないのか!」
「あるにはあるが、見た目がかなり悪いぞ」
「そんな事一々気にしている場合じゃ無いだろ! やってくれ!」
「良かろう。ではやるとしよう」
プリシラは右手に何かを創る。創っていたのは種だった。丁度近くまで来ている、ウルフの口の中に入れる。ウルフは止まり、口の中に入った種を吐き出そうとするが、吐き出す事が出来なかった。代わりにウルフの身体から、木の根っこが生えてくる。
「わ、何あれ?」
「『寄生種』だ。生き物の体内に植え付けて、発芽させて身体を奪い、寄生種を創った者を主し忠実に仕える」
「凄いな。見た目は悪いけど」
「それが1つの欠点だからな。見た目が悪くて使う気が失せる。まぁ即席戦力としてはいいだろ」
寄生したウルフはプリシラの所に来る。プリシラは命令をして他の魔物を襲う。
「な、何だ? ウルフが他の魔物を襲っているぞ!? しかも普通のウルフじゃない!」
「伝令! 魔物の身体から木の根っこが生えているのは、精霊様の下僕だ! 間違って攻撃をするな!」
「そう言うことか。戦力が増えるならありがたい!」
プリシラは次々と魔物を寄生させていく。プリシラが魔物を寄生させたお陰で、魔物数が減っていき残っている魔物の殲滅が出来た。一度その場で休憩をする。
「あ~疲れたぁ~。もうこの歳て大群系は相手したくないよぉ~」
「どう見てもまだ余裕そうだけど」
「そぅんな事無いよ。もうヘトヘト。ラザ様達がいなかったら、もう死んでたね」
「絶対にウソだ。あの程度なら1人で戦えるでしょ」
「今日の娘はきつめだなぁ~。でもラザ様たちがいたおかげなのは、合ってると思うよ」
「それは分かってるよ。それにしてもあの魔物たちは・・・。ちょっと気持ち悪いね」
「それは同感」
オレは騎士たちと一緒に、回収できる素材を回収する。
「全て回収出来なかったな。時間制限付きで消えるのか」
「そうしないとずっとその場に残って、戦闘中に邪魔になるだろ」
「確かに邪魔になる。それにしても。寄生されている魔物は、本当に忠実だな。全く襲ってこない」
「忠実だからな。仮に襲ってくれば、問答無用で殺めるからな」
「あぁだからちょっと怯えてるんだ。寄生種の欠点って他にもあるのか?」
「あるぞ。それはゴーレムやスライムには効かない。ゴーレムは鉱石とかだから寄生出来んな。スライムは肉を持たないから、木の根が出たら核をすぐに壊すだろ。他は実体を持たない奴だな。他はどうだったか・・・。忘れたな」
「肉体を持っていれば、大体寄生出来るのか。・・・それって人もか?」
「あたり前だろ。人だけが例外って訳が無かろう。人にも寄生出来るぞ」
「・・・なぁプリシラ。仮にオレに何か遭って、人に対して憎悪や復讐で寄生種を使うなよ」
「約束は出来なぁ。主に何か遭ったら、妾は何をするかは分からんからなぁ」
「止めてくれよ。それで去年盗賊を悲惨な状態にしようとしたからな」
「アレは賊が悪いだろ。思い出して来たら、殺めたくなってきたなぁ」
「止めてくれ!」
「―――大変だ! ガーディアンゴブリンがこっちに来る! しかも2体だ!」
「ガーディアンゴブリンですかぁ~。片方はアタシが殺しても良いですかぁ?」
「その必要は無いぞ。そいつらも下僕として使う」
「いやいや。流石に無理だと思いますよ」
そう言ってると、2体のガーディアンゴブリンが出て来た。こっちに襲い掛かって来るが、プリシラが寄生種を撃ち込む。2体のガーディアンゴブリンから、木の根っこが出て来る。2体はプリシラの前まで来て跪く。
「「ワレラシュゴシャハ。アナタサマノケンデアリ、タテデアリマス。ドノヨウナメイレイデモ、シタガイマス」」
「・・・わぁ。これはちょっと強すぎじゃないですかぁ? ってかガーディアンゴブリンは喋るんですね」
「オレも初めて知りましたよ。それにしても。何か普通のゴブリンよい背は高いわ、顔は大分マシになってるな。前見たキングゴブリンもそうだったな」
「位が上がるとそう言うものだろ。一応言っておくぞ。いくら顔と身体が良くても、雌に手を出すなよ」
「誰が手を出すか。オレが手を出すように見えるか?」
「全くだな」
「そうだろ。手を出す意味が分からん」
「・・・人だったら手を出すんですかぁ?」
「出しませんよ」
「・・・んー。僕は精霊様に絶対に剣を向けないな」
「ぼくも」
移動を再開してダンジョンの出入口に向かう。
「移動を再開をしたら、また魔物が襲って来た!」
「でもこっちまで来ないですねぇ。前にガーディアンゴブリンがいるからでしょうか?」
「そうだろ。流石ガーディアンゴブリンと言うところだな」
ダンジョンの出入口に近づくと、その出入口に大きな物体がそこに立っていた。