IF47話 迷わず即行動?
夜。グレイル団長たちが戻って来て、晩御飯の準備をする。プリシラに結界を張ってもらい、オレとヴィクトさんで簡単な料理を作る。出来たら晩御飯を食べる。
「もう少し調味料があれば、美味しいものが出来たけど。無いから塩味の具沢山スープだな」
「冷たいご飯を食べるよりマシだと思いますよぉ。やっぱり温まっている、ご飯の方が美味しいですよぉ」
「そうですね。グレイル団長。騎士団は普段保存食を食べてるんですか?」
「いつもな。いくら空間の中に材料が入っていても、こんな場所で料理なんて出来ないっしょ。今回は精霊様がいるから、温かいご飯が食べられるわけ」
「普段は保存食でしたか。今回は稀ですかね?」
「稀だね」
稀なんだ。まぁ普通は外で料理何てしないよな。外で料理するのは安全な場所じゃないとな。
「―――レア。ラザ様の実力はどうだった?」
「サッパリ分からない。出て来た魔物がウルフしかいなかったから、実力を見る事は出来なかったよ。何でそこまで知りたいの?」
「なぁんかラザ様は、1人でワイバーン1体と戦えるみたいだよぉ」
「ワイバーン1体と? それも1人で? 嘘でしょ」
「僕も嘘だと思いたいねぇ。でも精霊様がいるから、鍛えられているかもしれないね。明日は頼むよ」
「分かってるって。ラザ様の実力を確かめるよ」
晩御飯を食べ終わり、ぼくは少し休んでから夜の見張りをする。
次の日。朝ご飯を食べ終わり、オレたちはレアライザ副団長に付いて行く。今日はレアライザ副団長たちが、森の中を探索する。
「行けども行けども、森しかない。何か迷宮に来てる気分だな」
「道らしい道が無いですねぇ。このまま歩いてると、迷子になりますね」
「迷子になるのは勘弁だな。・・・ならないよな?」
「ならんだろ」
レアライザ副団長に付いて行くと、レアライザ副団長が待てと言う合図を出す。オレたちは武器の準備をする。
「魔物はミノタウロス。最初に遭う魔物がミノタウロスかぁ・・・」
「どうします副団長。数は1体。数では我々の方が有利です。それにまだ気付かれてません」
「奇襲するならもう少し周りに分散させたいけど・・・。ラザ様の実力も知りたい」
「ラザ様ですか。・・・まさか」
「そのまさかだよ。ラザ様を呼んで」
「しかし彼に何か遭ったら・・・!」
「責任はぼくが持つよ。だから早く呼んで」
「・・・分かりました」
団員はラザ様を呼びに行く。待ているとラザ様たちが来る。
「何でしょうか?」
「見えていると思うけど。ミノタウロスがいるでしょ。それをラザ様1人で戦ってほしいの」
「分かりました。行ってきます」
ラザ様はすぐにミノタウロスの方に行く。
「・・・・・・え、迷わず即行動? ウソでしょ」
ミノタウロスに近づいたら、先ずは左足を斬って通り過ぎる。止まって後ろを向いて走り、今度は右足を斬って通り過ぎて止まって、ミノタウロスを見る。ミノタウロスは何が起きたか分からい状態で、地面にうつ伏せで倒れる。オレはすぐに倒れたミノタウロスの所に行って、剣で止めを刺す。
「――――――終わり? 今ので終わり!?」
「どう見ても終わりだろ。死体が消えてるだろ」
「早すぎるよ・・・。ラザ様はプリシラ様以外に、誰かに習っているの?」
「主の担任教師、イゼベルに教わっておるが」
「あの人かぁー。噂しか聞いてないけど、ちょっと納得するよ」
「あの教師は何処まで知れ渡っているんだ?」
「さぁ? ラザさ~ま~。何か素材出て来ましたぁ~?」
オレは出て来た素材を持って、レアライザ副団長たちの所に行く。
「ミノタウロスの肉です。食べられますか?」
「硬いですけど。食べらますよぉ」
「そうですか。もう少し量があったら、これを使ってステーキにしようとしましたが。足りないので違うのにしますね」
「・・・・・・沢山あれば作れるの?」
「はい。味付けは塩胡椒だけですが」
「目標はミノタウロス。見つけ次第速やかに討伐を」
「「「「「「了解」」」」」」
何か急にやる気が出てる。そんなに食べたいのか?
オレは空間の中に肉をしまう。レアライザ副団長の指示で、ミノタウロスの捜索を始める。
「何か方針が変わったような気がするが、気のせいか?」
「ラザさまのせいですよぉ~。ミノタウロスの肉が沢山あったら、作れるって言ったんですよ。それを聞いたら、誰だってミノタウロスを狩りに行きますよ。アタシも食べたいしぃ」
「やっぱり食べたいんですね。でもミノタウロスはそう簡単に、会えませんよ」
「そうなんですよねぇ。簡単に会う方法って無いんですかねぇ?」
「無いですよ」
「・・・妾が探して、無理やり連れて来る事が出来るが。やった方が良いか?」
「是非やってれると嬉しいですねぇ。ラザさまの許しがあればの話ですがねぇ」
「・・・まぁ良いだろ。行ってくれ」
プリシラはすぐに何処かに行く。オレはレアライザ副団長に話をする。レアライザ副団長は驚いていたが、武器を構えていつでも戦えるようにする。待っているとプリシラが戻ってきて、5体のミノタウロスを連れてくる。レアライザ副団長の指示でミノタウロスの討伐が始まる。