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IF45話 我儘を

 次の日。オレたちは第9の団長がいる所に行く。ドア前に着いたら、ノックをして入室の許可を貰ったら中に入る。


「失礼します。グレイル団長。今日はダンジョンに潜る日ですよね?」

「あぁそうだよ。なに、親から許可を貰っちゃったの?」

「貰いました。渋られましたが、何とか貰いました」


「そりゃ渋られるよ。連れて行くのは良いけど、実力の方は大丈夫なわけ? 弱かったら連れて行かないよ」

「大丈夫です。フォレストゴーレムなら同時に3体相手出来ます。何らワイバーンを1体相手出来ます。勿論オレ1人で!」

「すっごく強い。それなら連れて行っても問題はないな」


「ありがとうございます。準備の方はもう出来てますか?」

「出来てるよ。皆ダンジョン出入口前で集合してるからね」

「それって現地集合ってやつじゃないですかぁ。いいんですか? そんな緩い感じで。他の騎士団から、異常な目で見られません?」


「見られる見られる。でもそれで良いんだよ。僕はこれでも堅苦しい事は嫌いでねぇ。僕の所は堅苦しいのを無しにしてるんだよ。ここは居心地が良いよ。普段は堅苦しい事は無いからね」

「確かに堅苦しい事あまりないですね。慣れない人もいますが」

「いるねぇ。さてそろそろ行こうか」


 オレたちはグレイル団長に付いて行って、ダンジョン出入口前に着く。


「・・・ちょっとお父さん。流石にラザ様を連れて行くのはマズイって。領主様に怒られるって」

「大丈夫大丈夫。その領主様から許可貰ってるから」

「許可貰えたんだ・・・。ぼくはレアライザ。第9の副団長だよ」


「ラザです。何故初見でオレがラザだと分かりました?」

「お父さんから聞いてるからね。精霊を連れてきている人が、カルバーン家の三男だって」

「それでも(わらわ)が精霊だと言う、証拠が無いのでは?」


「あぁぼくは昔から人の魔力を見る事が出来るんだ。その3人の中で、1人は違う魔力だから、その人が精霊だと分かったんだ」

「そうなんですか。右にいるのが精霊のプリシラで、左がメイドのヴィクトさんです」

「うん。よろしくね」


「よーし。他の騎士たちにも挨拶するか」


 グレイル団長が騎士たちを集めて、オレたちを紹介をする。紹介が終われば、オレたちは部隊の中心に行く。


「―――じゃあレア。後は頼むよ。団長はラザ様の護衛に回るから、先頭はよろしく~」

「ちょ団長!? 全くぅ・・・」


 グレイル団長がこっちに来て、騎士団は移動を始める。ダンジョンに潜る時。ダンジョンの見張りをしていたウチの騎士たちが、オレを見て驚いていた。通路を通って、光がある所に出ると森に出た。少し話を聞いて、移動をする。


「・・・授業で習ったとは言え。凄いな。空間を捻じ曲げて創ってるのか?」

「そうだろうな。で、今回はどう言う攻略をするんだ?」

「今回はラザ様がいるからねぇ。ここの階層でいい場所を見つけて、野営をしてそこで3日過ごすだな。本来はもう少し進んで、野営をすんだけどね」


「あ・・・。すみません。オレが我儘を言って・・・」

「あぁ良いんだ良いんだ。寧ろこっちは楽できるから、ありがたいよ。次ダンジョンに潜る時もお願いしたいよ」

「そうですか。でも次潜る時は、オレはもう学園に戻ってますよ」


「だよなぁ」

「ところで気になってんですが。あのレアライザは、団長の子供なんですかぁ?」

「あぁ僕の娘だよ。あれでもかなり腕はあると思ってるよ。僕ほどじゃないけど」


「既婚者だったんですね。親子で同じ騎士団がいるって言うのは、どんな気持ちですか?」

「良いものだよ。1人じゃ無いって言うのがね。妻もそろそろ復帰するから、僕の騎士団の所に配属させたいね」

「へぇー。元妊婦さんでも復帰出来るんですねぇ」


「出来るさ。本人が希望すれば復帰が出来るからね。珍しいだろ」

「はい。ウチも違うやり方ですが、元妊婦さんたちを雇うつもりです。ダンジョンの受付として」

「聞いた聞いた。ラザ様も手伝ったんだろ」


「えぇ。面接での書記は大変でしたよ・・・」

「だろうねぇ。僕はあぁ言うのはやりたくないよ」

「「「「「(団長が普通に領主の息子と話してる・・・)」」」」」


「伝令。川を発見しましたが、その周りに複数のホーンラビットがいます。すぐに討伐は出来ますが、全ては難しい事です」

「ホーンラビットですか。ホーンラビットの肉は美味しいですよね。筋をちゃんと切って味付けをすれば、美味しいですよね。調理次第ではステーキになりますね。何だったら揚げ物にしても美味しいですね」

「・・・キミィ。何でそう言う事を言うかなぁ? 僕たち食べたくなってきたよ」


「そんなつもりで言った訳じゃないんですがね」

「いやいやどう考えても、食べたくなるように言ってますよ。アタシも食べたくなりましたよぉ」

「これは何が何でも食べたくなるな。ちょっと僕が狩ってくるよ」


 そう言ってグレイル団長は、先頭にいる副団長の所に行く。話が決まったのか、グレイル団長だけで、ホーンラビットを狩り始める。


「オレたちは周りの警戒をすればいいのか?」

「あの状態だと。それしかないだろうな」

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