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IF42話 どうしても

 オレは後ろを振り向くと、第3騎士団の団長ルトリさんがいた。


「何でもういるんですか? 疲れ切って仮の宿舎で、寝てるもんじゃないんですか?」

「まだ元気だよぉ。で、何でいるの?」

「何でって言われましても。オレはカルバーン家の人間なので、ここにいるんですよ」


「へぇカルバーン家の・・・。やっぱり第3騎士団に来ない? お前が来てくれれば、ここに留まる事が出来るんだけどぉ」

「あぁ・・・うん・・・。もし国王陛下が良からぬ事をした際には、お世話になります」

「・・・予想外に反応にちょ~と動揺したけど。まぁ良いよね」


「主よ。正気か?」

「正気だ。だって精霊と契約してるんだぜ。そう簡単には手放したく無いだろ。冒険者ギルドに圧力をかけて、オレを登録しないようにするくらい簡単だろ」

「あり得るな・・・。だがそれをやれば怒りを買うことくらいは、分かっておると思うが」


「分かってると思うよ。ルトリさん。自己紹介はした方が良いでしょうか?」

「いらないよ。もう知ってるしぃ」

「なら第9に挨拶してきますね」


「第9ねぇ。あの団長はメンドが嫌だから、あんまり期待はしない方がいいよぉ」

「別に期待はしてませんよ。それでは」


 オレたちはルトリさんから離れて、第9騎士団がいる所に行く。騎士から第9の団長がいる場所を、聞いてそこに行く。ドアの前に着いたらノックをして、入室の許可を得たら中に入る。


「あぁ・・・うん・・・。どちらさん?」

「ラザ・メルト・カルバーンです。右にいるのが精霊のプリシラで、左にいるのがメイドのミシュさんです」

「ラザ・メルト・カルバーン・・・。あぁ去年の夏休みで、ゴブリン集落の討伐参加した生徒の1人か。いやぁ災難だったねぇ」


 それを聞いたミシュさんは、オレを見て驚く。


「何故言わなかったって顔をしておるな」

「もう終わった事ですし。言う必要が無いと思いました。それで貴方様の名前は?」

「僕はグレイル。第9騎士団の団長だ。先に言っておくが、あんまり面倒は持ってこないでくれよ」


「どうでしょうかねぇ。ここにいる以上、嫌でも面倒は来ると思いますよ」

「やっぱりぃ? ヤダなぁ~、なぁんでこんな事になったんだろ・・・」

「さぁ? あんまり面倒とか言ってると、クビにされますよ」


「的確な事を言うな。第3は戻って来たんだろ?」

「えぇ戻って来ましたよ。ルトリさんに会いましたよ」

「つまり次は僕たちか~。行きたくないねぇ~。変わってくれる?」


「そんな事をしたら、確実にクビにされますよ。ちゃんと団長も行ってください。ついでにダンジョンに連れて行ってください」

「ちゃっかりキミも行こうとしてるねぇ。僕にはキミを連れて行く権限は無いよ。行きたいなら、親に頼め」

「じゃあ頼んでみます。許可を貰いましたら、連れて行ってくれますよね?」


「許可を貰えたらな」

「そうですか。では失礼します」


 オレたちは部屋から出て、オレの部屋に行く。


「ルトリさんが言ってた通り、面倒が嫌なんだな」

「何故騎士になったのか、分からんな」

「騎士になってその団のトップになって、仕事を部下に丸投げして楽をしたいんじゃないのか?」


「なるほど。それなら楽になるな。だが団長がやらねばならい時は、どうするんだ?」

「その時は色んな言い訳を使って、仕事を来ないようにするんだろ。無理な時は無理だろうけど」

「それでよく団長として務まるな。いつか団長辞めさせられるだろ」


「どうだろうな」


 オレたちは移動して、オレの部屋まで来て中に入る。


 2日後。オレは親父の命令で街に設置されてる井戸に行く。井戸に着いたら人を集めながら、井戸に手押しポンプを設置する。設置が終わったら、周りを見てオレは手押しポンプの紹介を始める。


「皆さんこんにちは。カルバーン家の三男、ラザです。今回は皆様からの意見で、井戸の水汲みを楽にしてほしいと言う訳なので、この手押しポンプをドワーフの方が造ってくれました」

「手押しポンプ? 何だそれ?」

「聞いた事無いわねぇ」


「アレで水が楽に汲めるのかぁ? 嘘でも言ってるじゃないか?」

「それより水を汲ませてくれよ」

「オマエ。ラザ様に失礼だろ!」


「あ、今水を汲ませてほしいって言った方。こちらに来てください」


 オレがそう言うと。水汲みをしたい人が、やっちまったって顔をしながらこっちに来る。水出口の下にバケツを置いてもらい、ハンドルを握ってもらって上下に動かしてもらう。何回か上下に動かしてると水が出てくる。


「うおぉぉぉぉぉ! スゲェもう水が出て来たぜ! これらかなり楽だぜ!」


 男性がそう言うと、周りの人たちは驚く。


「皆様見ていただけだ通り。ロープを引っ張って水を汲むより、ハンドルを数回上下に動かせばすぐに水が出て来ます」

「凄いな。じゃあもうロープを引っ張って水を汲まなくていいのか?」

「おいお前、敬語」


「あっ! す、すみません!」

「別に気にしなくていいですよ。先ほどの質問の答えは、はいです」

「「「「「おぉ~!」」」」」


「で、でも。これを設置をしたら、増税するのでは・・・?」


 待ったましたっと言わんばかりに、オレは空間から紙を出す。


「父親からある紙を預かっています。簡単に言いますと。『手押しポンプを設置したからと言って、増税しない』と言う事です!」


 周りの人達たちはちょっと信用出来ない顔しているが、オレはすぐに紙の内容が見えるように周りの人たちに見せる。紙の内容を見て皆は納得した。


「ではオレは他の井戸に行って設置をします。最後に確認ですが。皆様がどうしてもロープを引っ張って水を汲みたいのであれば、すぐに出も手押しポンプを外しますが。どうですか?」

「「「「「手押しポンプはそのままでいいです!」」」」」

「分かりました。では失礼します」


 オレたちは違う井戸に行って、同じように手押しポンプを設置して紹介をする。全ての井戸に手押しポンプの設置が終わったら、オレは役所に行って親父から預かった紙を渡して家に帰る。

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