表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/177

IF34話 大事

 7月中旬。休みの日。オレは部屋で実家から届いた、手紙を黙読してる。


「何て書いてある?」

「家の状況が書いてあった。何か今年は騎士と執事とメイドに、新人が来たらしいよ」

「新人が来たのか。珍しい事もあるものだな」


「普通に人数は足りていたからな。特に増やす理由は無かったし。今回何で雇ったんだろ」

「今までいた人たちが辞めたか、能力が高かったかのどっちかだろ」

「そうだろうな。これよりもっと大事なのが『ダンジョン』が出来た」


「ダンジョンとな。街の中心に出来たわけではないよな?」

「街の近くだってよ。ダンジョンが出来たのは、丁度7月入ったくらいに出来たらしいな。今は何処が所有するかで揉めてるみたいだな」

「ダンジョンは見つけた人が、どうこう出来る権利があるのではないのか?」


「そうだよ。見つけたのはウチの騎士団だから、騎士団に権利があるけど。そのまま親父の方に譲渡したみたいだな。ただ冒険者の方にも情報が行って、ギルドマスターが家まで押し掛けたみたい。裁判まで発展してるみたいだけど」

「大事ではないか。まだ終わってないのか?」

「まだ終わって無いみたいだな。オレが帰って来るまでには、決着をつけるみたいだな。後は王都の騎士団が来たみたいだな。目的はダンジョンにある、宝とかが目当てかな」


「王都の騎士団も来たのか。やはり街の騎士団では足りぬか。王都の騎士団が来ても、騎士の宿舎が無いのでは?」

「そこは王都の職人と材料を持ってきたみたいで、今は新しい騎士の宿舎を造ってるみたいだぞ」

「完成するまで何処で寝泊まりをしてるのやら。今年は帰ると色々大変ではないか?」


「大変だけど。ダンジョンに潜ってみたいんだよなぁ~。騎士団に同行出来るかな」

「出来たとしても。親からは許可を得られるのか?」

「・・・得られないかも。王都の騎士団が来たって事は、あの第3騎士団も来てるのか?」


「どうだろうなぁ。あの第3騎士団団長なら、真っ先に行こうとするだろうな。流石に命令されなければ、行く事はないか」

「どうだろうな。もし来ていたら、家で会う事になるな。ちょっと怖いな・・・」

「貴族相手に変な事はせんだろ」


「そう思いたい。そろそろ行くか」


 オレは手紙を空間の中に入れて、部屋から出る。


 行く所は森だ。今日は魔法科と冒険科の合同で、魔物を狩る。そこは騎士科でもいいだろ。って思ったが。魔法科にはエメリー様がいるから。冒険科にはオレとプリシラとサラサ様がいるから、冒険科に頼んだんだろうな。それプラス。変なお誘いが無いからって言うのもあるだろう。


「あの小娘は主とサラサがいるから、冒険科に頼んできたのか?」

「それもあるだろうけど。騎士科の生徒より、冒険科の生徒の方が強いからじゃないか? 人数はこっちの方が少ないけど」

「騎士科にはおらんかったか。まぁ(わらわ)らも余りおらんがな」


「4人しかいないからなぁ。それ以外は誰って感じだしな。仲良くなる気は無いけど」

(わらわ)らに近づくのは大体は、悪質な勧誘だからな。最近は減って来たな」

「減って来ることは良い事だよ。勧誘してくる奴らは、何言ってるか分からないんだよ」


「ちゃんとした言語を使ってほしいものだな」


 オレたちは森の方に行く。着くと何人か人が集まっている。オレはよく喋る先輩を探すと、ナタル先輩を見つける。


「おはようございます。ナタル先輩」

「ご機嫌よう。まだ全員は揃っていませんわ」

「集合時間にはまだ余裕があるからな。ちと早すぎたか」


「もうちょっとゆっくりすればよかった。今回参加する魔法科の生徒は、2年生だけですよね」

「そうですわ。魔法科の1年生はまだ基礎が終わったばかりなので、この森での魔物討伐には参加出来ませんわ」

「やっと基礎が終わったのか。ちと遅すぎるのではないか?」


「冒険科と魔法科を一緒にしてないか? 冒険科はイゼベル先生が教えてるんだ。基礎とかそんなの、すっ飛ばすに決まってるだろ。お陰で自分で調べることになったな」

「わたくしたちにお聞きになさればよかったのですが。あの時はそうもいきませんでしたね」

「あの時は雰囲気が最悪でしたね。スティース先輩が変わってくれたお陰で、雰囲気がガラリと変わりましたね」


「そのきっかけを作ったのはラザさんですわ。ラザさんがきっかけを作ってくれなければ、このような状態にはならないと思いますわ」

「きっかけを作ったのは確かですが。その後行動したのはスティース先輩ですよ。オレよりスティース先輩が凄いですよ」

「主よ。そう遠慮するような事を言っとると、ただの嫌味に聞こえるぞ。もうちと素直にならんか」


「あぁ・・・。うん。そうだな。ありがとうございます」

「はい」


 待っていると魔法科と冒険科が集まって来る。先生たちも来て今回の行動を話しをする。先ずはパーティを作り森に入る。森に入るのは1つのパーティが入ったら、時間をずらして違うパーティが入る。イゼベル先生は先に森に入って、手に余るような魔物は先に殺しておくそうだ。オレはエメリー様たちとパーティを組んでいるが・・・。


 オレはチラッとエメリー様たちを見る。少し場所が離れているから、全ては聞き取れないが。見るだけでエメリー様を、讃えてる事が分かる。


「まだ何も始まて何のに、もうご機嫌取りをやっているよ」

「あの小僧どもは駄目だな。先に死ぬやつだな。だがまぁあのエメリーが苦笑いをするのは、中々良いではないか。ちと困るが良い」

「酷い事を言う・・・」


 時間になり、オレたちのパーティは森に入る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ