IF33話 高い
5月下旬。図書室で図書員の仕事中。
今年は冒険科にクリス様の妹、サラサ様が入って来た。冒険科に入って来るとは思わなかったが、まさかクリス様に妹がいるとは思わなかった。
「あのクリスに妹がおったとは驚いたな」
「オレも驚いたよ。ゲームでは一度も出てこなかったな。もしかしたら。出ていたけど、モブ扱いだったのか?」
「モブ扱いとはな。だが出て来ては無いだろ。主の記憶の中には、全くサラサらしき人物はいなかったぞ」
「いなかったんだ。今後オレたちに接触してくるか?」
「してくるだろうな。サラサはエメリーやロザリーの友達だろ。その2人は妾らと仲が良いんだ。何かしら接触はするだろ。それ以外にも、冒険科の先輩として接触はするだろ」
「今は挨拶程度で終わってるだけで、本格的な接触は無いけど。プリシラが何か圧でもかけているのか?」
「かけているが。これ以上面倒は妾はお断りだぞ」
「オレもお断りだな。でもエメリー様やクリス様がいると、高確率でいるかも」
「クリスがいる場合は低いだろ。サラサはよくクリスに弄られているからな」
「弄られているって、どんな風に弄られているんだ?」
「主に身体を弄られているな。言葉で弄られる時もあるが、主に身体の方だな」
「うわぁ・・・。可愛そうだな」
「そう言う事もあり、クリスがいる所では避けるかもしれんな」
「クリス様がいない所では、プリシラが何かしら圧をかけるのか。それより運動会だよ。また使い魔と二人三脚に出る羽目になった・・・。そして使い魔の徒競走も」
「良いではないか。別に困る事でもない」
「嫉妬の目が刺さるだろ」
「気配遮断の許可は得てるだろ。それを使えば関係無いだろ」
「入場退場と走ってる時とプリシラがゴールした時は、気配遮断を解かないといけないんだぜ。その時の視線が痛い・・・」
「我慢しろとしか言えんな。それとも運動会を自体をサボるか?」
「サボったら何て言われると思う? 少なくてもイゼベル先生から鉄拳が飛んでくる」
「間違いなく飛んでくるな。やはり我慢しかないだろ」
「我慢しないといけないのか・・・」
オレたちは本を本棚に戻し、全て戻したら司書さんの所に戻る。
「司書さん。本戻してきましたよ」
「お疲れ様。紅茶でも飲むか?」
「いただきます」
司書さんは紅茶をコップに入れて、テーブルに3つのコップが置かれる。オレとプリシラは椅子に座り、コップを持って紅茶を飲む。
「そう言えば。紅茶に砂糖を入れると、甘くなると聞いたな。砂糖は無いのか?」
「ある訳無いだろ。砂糖は高いんだ。仮にあっても貴方たちには使わせない」
「砂糖は無いか・・・」
「砂糖は売ってるけど、胡椒とか塩より高いからなぁ・・・。もう少し安くなんないかな?」
「無理だろうな。胡椒を沢山栽培をしてそれを売れば、一気に価格は下がるだろうな。他は難しいだろうな」
「それをやるとオレたちが相当恨まれるだろな。そう言うのは少しづつ売るしかないな。砂糖と塩は無理だけど」
「いっそ胡椒を栽培するか? そうすれば買わなくて済むだろ」
「そうだけど。自分好みの胡椒を栽培するのは大変だろ。それに栽培する場所が無い。よって却下だ」
「むぅ・・・」
「貴方たちは随分と楽しそうに喋ってるね。お兄さんに混ざって良いか?」
「混ざったところで特に面白い事はないですよ。それに話しについてこれるんですか?」
「内容にもよるけど、ついてこれると思うよ」
「なら運動会の話でもするか」
「運動会か。また去年みたいにプリシラさんと一緒に出るのか?」
「そうですね。勝手に種目を決められたので、出る羽目になりました」
「去年は貴方たちにかなり注目してたからなぁ。今年と来年もそうなるんじゃないか?」
「注目するなら、エメリー様たちを注目してほしいですね。オレとプリシラを注目しても、何もないんですがねぇ」
「無理だろ。注目しない方が可笑しいだろ」
「また嫉妬の目を浴びるんですね・・・」
「頑張れよ」
司書さんめ・・・。他人事のように言いやがって・・・。
紅茶を飲み終わったら、まだ仕事に戻る。
6月25日。運動会当日。まさかのオレが出る種目は全部、午前中になっていた。オレは耐えられるのかと思いながら、午前中にある種目に出る。結果。駄目でした。
「午後の種目になったが。大丈夫か、主よ」
「ダイジョウブジャナイデス。イロイロヤバイデス・・・」
「かなり見られていたからな。教師の用の観客席で司書が笑ってるぞ」
「おのれ司書さんめ! 運動会が終わったら、司書さんの奢りでご飯食べに行くぞ!」
「立ち直りが早いな。だがあの司書の奢りは良い話だな。任せろ。絶対に奢らせてやる」
絶対に司書さんの過去をネタにして、脅すんだろうな。ざまぁ見ろ。
午後の種目を見ながら、閉会式が始まるのを待つ。閉会式が始まって、ウチのクラスが1位だった。閉会式が終わったら、教室に戻り帰りのホームルームが始まる。終わったらオレたちはすぐに図書室に行って、司書さんを見つけて、今日の晩御飯を奢らすために、あの手この手で司書さんを丸め込む。結果。晩御飯を奢ってもらう事になった。




