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IF31話 とぼけたふり

 春休みが終わり、始業式。1年生から2年生に上がり担任の発表が始まった。体育館に入る前に掲示板にクラス替えの紙が貼ってあり、それを見て自分のクラスの列に並ぶ。ロザリー様やエディスさん。エリオットとその友達とは離れた。なので今年のクラスはほぼボッチになる可能性がある。っと思っていたのだが、1人だけちょっと怒りの視線がくる。オレは彼に何かしただろうか? ここで初めて会うのだが。


 怒りの視線を気にしつつ、始業式が始まる。学園長の話が終わり担任の教師の発表が始まる。


 担任が発表始まっているが、ほとんど知らない先生がいる。知っているのはイゼベル先生、マルル先生、ロヴァン先生くらいだ。そう言えば、討伐隊には参加してないロヴァン先生から「騎士科に転科をしないか」って話があったな。勿論その話はお断りした。騎士になる気は毛頭ない。・・・と思いたいが。国王陛下が権利を使って、オレを冒険者にしないようにするかもしれない。そうなったらどうしようか? まぁ先の話より今の事を考えた方が良いな。


 教師の発表が終わり、校歌を歌って始業式は終わる。体育館から出て自分のクラスに行く。着いたら中に入って、自分の席を探して見つけたら席に座る。去年はここで気配遮断を使っていたが、今年は使わずちゃんと他の生徒たちに挨拶をする。挨拶が終わったらプリシラを呼ぶ。


「始業式が終わったようだな」

「終わったよ。今年はエメリー様とエディスさんは別のクラスだった」

「そうか別のクラスか。これでちと静かになるな」


「嬉しそうに言うなぁ。確かに少し楽にはなったけど。精神的には。それよりさっきからこっちを、見ている人がいるんだが」

「あのおのこが? アレは主の知り合いだろ。過去の記憶にもいたぞ。あの時は幼い時だったな。確かレジと言ったな」

「そうなんだ。オレは全く憶えて無いけど」


 すると男性はこっちに来る。


「―――久しぶりだなラザ。何で去年挨拶が無かったのかは置いといて。お前は随分と強くなったな」

「ええぇっと。この場合は久しぶりと言えばいいんですかね?」

「久しぶりに話すからそうだろうな。それよりなんだその敬語は? 昔みたいに喋ろよ」


 無理なんですよ。何せレジさんに関する記憶が無いんですよ。


「敬語は練習ですよ。今のうちに慣れておけば、後々苦労しなくて良いと思って・・・」


 って言っても駄目か? 流石に練習って言うのは無理があるか。


「練習なら仕方が無いか。色々話したが、俺は他の人にも挨拶をするから。これで失礼する」


 そう言ってレジさんは他の人の所に行く。


「何とか誤魔化せたか。これからレジさんも相手をしないといけないのか?」

「どうだろうな。このクラスには、顔を知っている人はあまりおらんな」

「プリシラって他者の顔を憶えているのか?」


「ある程度はな。まぁどうせ忘れるがな」

「ある程度は憶えてるんだ。何か凄いな」

「―――おはようございます。今年も同じクラスですね」


「げっ。貴女は元運動会実行委員のアリスさん・・・。今年も一緒なんですね」

「女性に対してその言い方何ですか? いくら何でも失礼ではないですか?」

「人を勝手に出たくない種目を出した人が言いますか?」


「はて? 私はそんな事しましたでしょうか?」

「なにとぼけたふりをしてるんですか。・・・今年も運動会実行委員になるんですか?」

「なりますよ。なってまた貴方を強制的に出てもらいます」


「やっぱり憶えてるんじゃないですか! オレを出さなくてもいいじゃないですか!」

「確実に1位なれる人がいるのに、出さない訳がないですよ。諦めて出てください」

「今年も言わなくて済むな」


「何で嫉妬の目で見られないといけないんだよ・・・」

「おーいオメェーら、サッサと席に着け。席に着かねぇ奴はババァの鉄拳が飛ぶぞー」


 イゼベル先生に言われ、立っていた生徒たちは自席戻り、プリシラは精霊界に帰って行く。イゼベル先生はザックリとした紹介をして、出席を取っていく。終わったら、寮の移動の話をして、教室から出る。オレは男子寮に行って、部屋の移動をする。部屋の移動が終わったら、プリシラを呼び出す。


「何も変わってないではないか。何故だ?」

「変わる訳が無いだろ。変わっていたら困るぞ」

「2年生になったんだ。少しは豪華になっていてもいいだろうに。花はもう飾ってあるのか」


「花だけは運んでもらって、先に飾らせてもらったんだよ。空間の中には入れらないからな。こういう運べない物は、先に紙に書いておけば運んでくれるからな」

「それは始業式の最中にやったのか?」

「多分そうじゃない? 運ぶ人も空間収納魔法が使えるだろ。使えなかったら、まだ部屋移動が終わらないだろうな」


「それは大変な事だな」

「部屋移動は終わったけど、前の部屋で使っていた魔法は消したのか?」

「消したぞ。消さなかったら、苦情が来るだろ」


「確かに来るな。消してくれて助かるよ。さて部屋に服とか色々置いていくか」


 オレは空間から服やら何やら色々出して、タンスや机の引き出しにしまっていく。

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