IF29話 植物魔法
冬休み。オレは冬休みに入る前に、プリシラから魔力貰って精霊の魔力にした。
「今日は『植物魔法』を使ってもらうぞ」
「植物魔法って何だ?」
「植物を成長させるためや、攻撃に使う魔法だ。今回は植物を成長させる方に使ってもらう。花や野菜や薬草でも何でも、植物だったら何でも育てる事が出来ぞ」
「凄いな。この魔法があれば食料危機になっても、何とかなるんじゃないか?」
「肉や魚などはどうする? 野菜だけでは食べ飽きるだろ」
「それもそっか。植物魔法を使うのは良いけど。この部屋で育てるのか?」
「そうだが。育てるためにわざわざ植木鉢と種を、買ってきてもらったのだが」
「この部屋で育てるのか。先ずは植木鉢に土を入れないとな」
「主が入れるのか? 間違ってこの部屋を土で埋め尽くすなよ」
「・・・頑張ってみる」
オレは空間から買った植木鉢を出す。土魔法を上手く制御しながら、植木鉢に土を入れていく。
「よし出来た。この部屋が土だらけにならなくて良かったよ」
「安堵してるところ悪いが。まだ水魔法を使う必要があるぞ」
「そうだった・・・。先ずは種を植えるか」
「種は何を買ったんだ?」
「サザンカとノースポールとネリアの3種類。どれも12月には咲く花だな。12月以外にも咲くけど」
「別に12月に咲く花じゃなくてもよかったがな」
「売っていたものが、12月に咲く花だったなんだよ。それにしてもこの花たちは、絶対に地球でもあっただろ。特にサザンカは聞いた事あるぞ」
「妾は知らんぞ。とにかくこの3種類の内1つ選べ。選んだ種を植物魔法を使って育てるぞ」
オレはサザンカを選んで、瓶の蓋を開けて種を出して、土に植える。次は水魔法を制御しながら使う。
「水も入れる事が出来たな。次は植物魔法だけど。どう使うんだ?」
「先ずは見てみろ」
プリシラは右手に白の球体を出す。
「これが植物魔法だ。この白い球体には、植物が育つための栄養が全て入っている。この白い球体を土に植えた種に与える」
「それをどうやって出すんだ?」
「イメージすれば出せるが」
「それだけで出来るなら、精霊の魔力にしなくてもいいだろ」
「精霊の魔力じゃないと栄養が出来んぞ。白い球体を作るどころか、何も出来ないぞ」
「本当か? 普通の魔力戻ったら試してみるか」
プリシラが言った通りに右手で、イメージで植物魔法を使ってみる。オレの右手にプリシラが作った、植物が育つための栄養が全て入った、白い球体らしきものが出来る。
「・・・出来た。プリシラ、出来たぞ!」
「偉いぞ。どれ。ちゃんと植物魔法になってるか見るとするか」
プリシラはオレが作った白い球体を見る。
「ちゃんとした植物魔法だな。ちと大きいがな」
「言われてみれば。プリシラが作った白い球体より、オレが作った白い球体の方が大きな。何か問題でもある?」
「特には無いと思うが。そのまま使えば、サザンカが育ちすぎるかもしれんな」
「それはもう枯れてると思うけど」
「まぁ使ってみんと分からんな。早速使ってみろ」
オレは白い球体を土に植えた種に与える。白い球体を与えられた種は、成長してすぐに花が咲く。
「成長が早い!? こんなにすぐに花が咲くのかよ。綺麗なピンクだな」
「―――特に問題は無いようだな。ところで主は、この花の花言葉は知っておるのか?」
「全く知らないけど。プリシラは?」
「妾も全く知らんな。植物図鑑が買うべきか?」
「買ってもいいけど。本って高いんだよな~。白紙の本なら安いけど」
「見つけたら値段でも憶えておくもいいだろ。ほれ他のも育ててはどうだ?」
「他の花もか・・・」
空間から2つの植木鉢と2つの瓶を出して、土魔法を使って植木鉢に土を入れる。瓶の蓋を開けて種を植えて、水魔法で水を入れる。最後は白い球体を作って、土に植えた種に入れると花が咲く。
「これでノースポールとネリアが咲いたな」
「どっちも綺麗に咲いておるな。部屋に飾るのか?」
「飾っておくか。あんまり長く花は咲いて無いだろうけど」
「言い忘れておったが。開花の時期が近づけば、また花は咲くぞ」
「また咲くんだ。ってこの花たちは枯れないのか?」
「枯れないな。妾が過去に育てた花は、花びらこそ散っていたが枯れる事は無かったな」
「それもう花じゃ無いだろ・・・。じゃあ空間の中には入れられないな」
「卒要する時には、このまま家まで持って帰る必要があるな」
「卒業する前に一度家に帰って、部屋に飾っておくか。それにしても植物魔法は凄いな。成長過程を全てすっ飛ばして、成長したぞ」
「魔法で育ててるからな。そう言った過程はすっ飛ばすのは、普通だからな」
「それ普通じゃないからな。これで植物の成長は終わったと思うけど。攻撃ん方はどうなんだ?」
「攻撃の方は色々あるが基本的には、地面ではないと使えんな。石で出来た道や、氷で出来た道などは使えん」
「地面じゃないと使えないって事か。どんなことが出来るんだ?」
「ツタを出したり種を出したり出来るな。ツタは絞めたり、刺したりする事が出来るな。種を使った攻撃は、相手の体内植え付けて一気に成長させて―――」
「最後まで言わなくてもいい! どうなるかもう分ったから!」
かなりグロイ事になるぞ、その攻撃のしかたは・・・。
「これが植物魔法だ。次は野菜を育ててもらうぞ」
「野菜の種って売ってたかな・・・」
「・・・見なかったな」
「これは専門店を探すべきか?」




