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IF22話 思い込み

 夏休みが終わり9月2日、教室にて。


「今日は魔法について話すぞ。オメェーらが魔法を使い始めてから、無詠唱で発動するようになったな。そこで少し疑問に思った奴もいるだろ。その疑問は何か分かるか?」

「はい。一部の人は魔法が違います。例を挙げると。火魔法で火を出すときに色が赤では無く、青だった人がいます」

「そうだ。人によっては違ったものが発動している。さっきの例の通り、火の色が赤じゃ無く青って言う人もいる。他にも氷魔法を使うと本来は薄い青っぽい色だが、何故か赤い色になっている人もいる。若干効果に違いが出ている」


 確かにそう言う人もいたな。そうなると浄化魔法とかも、何かしら変わっているのか?


「何故同じ魔法を使っているのに、何故違いが出るんですか?」

「前に言ったが、魔法はイメージで発動するもので変わって来る。だが今回は人の『思い込み』の部分が大きいだろ。例えば火魔法を使えば、当然赤い火が出てくる。ただ過去に何かしらの原因で魔法で出す火は、赤では無く違う色と思い込んでいる人もいるだろ」


 この時代にガスバーナー無いのに、火が青だと思い込むか? それとも誰かしら青い火を出したのか? コンロとかがあったな。


「過去の経験で使う人によっては、火の色が変わるだろ。何なら効果も何かしら変わってくるだろ。例えば浄化魔法だ。浄化魔法は汚れを綺麗したり、穢れを綺麗に出来る魔法だ。ただこの魔法にも限度がある。流石に絵とか塗装したものなどは浄化は出来ない。だが過去にこれらを浄化した人がいた。しかも埃やゴミも一緒に浄化していた。思い込みでここまで魔法が、変わるとは思いたくないものだな」

「先生。思い込みで魔法が変わるのなら、公開されている魔法は必要無くなるのでは?」

「公開されている魔法がねぇと。何が普通の魔法で何が異常の魔法か、分からなくなるだろ。それに公開されている魔法が無かったら、魔法が全く使えねぇだろ」


 言われてみればそうだな。公開または決められている魔法から、変化させて違う魔法に変えているから。公開してる魔法がとかがないと、どう魔法を使えばいいか分からなくなるな。


「おぉ火が青くなった!」


 エリオットが火魔法で、火の色を青にして発動している。


「あんな感じで色を変える事も出来るな。エリオットは授業が終わった後で説教な」

「は、はい・・・」

「お前普通攻撃魔法を教室で使うか?」


「使うならアリーナで使ってくださいよ」

「本当にすみません・・・」

「今みたいに火の色が赤から青になっているが、ほぼ効果も同じだ。草や木に当たれば燃える。ただ青い火の方が温度が高いのか、すぐに燃える。何故青い火の方が燃えやすいのかは、今でもまだ研究中だ」


 あぁ火の色とかはまだ分かって無いんだ。そう言えば魔道具であるコンロから出る火は、赤かったような・・・。でもあれは火力調整が出来るから、赤色でも問題は無いんだろうな。浄化魔法に関しては、絶対に違う魔法になってるだろ。


「ん? でも魔道具やかまどとかの火って赤だよな。何で魔法だけで赤から青に変わるんだ?」

「それについても何も分かってねぇ。魔法だけで青色になるのか、他のも青になるのかは謎だ。ところでエリオットは何故火を青く出来た?」

「ただの思い込みです」


「そうか。なら他の色に変えてみろ。ここではなくアリーナに移動するぞ。場所は第2アリーナだ」


 イゼベル先生は先に教室から出る。オレたち生徒は席から立ち上がって、第2アリーナの更衣室に行く。更衣室で練習着に着替えたら、第2アリーナに行く。


「ここなら平気だろ。エリオットは実際に他の色に出来ないか、やってみろ」

「はい!」


 エリオットは火魔法を使って、青色以外で違う色に変える練習をする。


「そう簡単に出来るのかな?」

「分かりませんね。ただエリオットさんは出来たので、他の色に変える事も出来ると思いますよ」

「あぁ何かエリオットなら出来そう。ラザは?」


「どうでしょうね。やった事が無いので分かりませんね」


 実際はもうやっているけどな。いらないものを燃やすときは、便利なんだよなぁ。


「でも思い込みとイメージって。同じのような気がするけど。アタシの勘違いかな?」

「同じでは無いですよ。思い込みは自分がそう信じたものですよ。例えば箱の中には必ずお菓子がある。というのが思い込みがで。イメージは、箱の中にはお菓子以外にも色んなものがある。というのがイメージです。想像と言えば良いでしょうか」

「ならそれと魔法とどう関係があるの?」


「火魔法を例にして言いますと。火を出すために詠唱をします。ここで思い込みとイメージを使います。先ず思い込みは経験上で、魔法で出す火は青色思い込みます。次にイメージは、自分が出したい火の大きさや形をイメージします。後は魔力を使えば出来ると思います」


 エメリー様はそう言うと、火魔法で青い火を出す。


「ただし思い込みは無くても、イメージでも青色になると思いますよ」

「流石学年1位。もう簡単に青い火を出してるよ」

「やっぱりオレたちとは違いますね」


 オレとエディスさんがそういうと、エメリー様は青い火をこっちに向ける。


「「すみませんでした」」

「次は本気で投げますからね」

「あれ? 俺が頑張って色を変えようとしてたら、エメリー様が出来ちゃってるよ・・・」


「エリオットさんもすぐに出来ますよ。イゼベル先生。何か的はありませんか?」

「今から作る」


 イゼベル先生は土魔法で的を作る。的が出来たらエメリー様は、青い火を弓の形にして弦を引いて火の矢を放つ。放たれた火の矢は的に当たり爆発する。


「威力が段違いじゃねぇか。どうなってるんだ?」

「流石にこれはイメージとか思い込みじゃないよな」

「やっぱり色に問題があるんじゃない?」


 青だからかなり威力があるんだろうな。他の色だったら爆発はしないだろ。多分。


「とりあえず。オメェーらもやってもみろ。何かしら新しいは発見があるだろ」

「「「「「はい」」」」」


 各自で他の魔法で違う変化があるかをやり始める。

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