第71話 強そう。
すみません、昨日と合わせて二本投稿します。
「うーん、誰もいないね。」
「そうだな……本当に誰も……!?」
「待ったか?侵入者共……!!」
ヘルメット無しの少女がバイクを回転させながら止めた。
ラフなホットパンツに胸元を強調させるようにも思えるTシャツ、パーカーを取った顔はよく知るものだが、彼女はこんな表情をする『人間』ではなかった。
「さっきのとは別の奴……?」
「強そうだね。」
バイクから少女が降り立つ、乱暴に乗り捨てられたバイクは謎の技術で地面と垂直に停止した。
「当然だ。俺は『PKA.origin』。3.65km先に転がる可愛い妹の姉だからな……!」
「……PKA……?それって、プラトニカルが新しく開発した多目的用アンドロイド!?」
「プラトニカル……分からん。」
「ま、そんな事はどうでもいいじゃねぇか。
俺はあの妹……『.patrol』よりも戦闘用に調整されている。」
ガシャン、垂直に立つバイクに蹴りが入る。
その蹴りに呼応するようにパーツが組み変わる。
「まずは小手調べに……『PKW.tyrant』コード変換『キル』。」
あっという間に『ソレ』は人型に変形した。
右腕部に装備されている超大型の機関銃、その弾倉らしき部品が回転する。
「さぁ……殺りあおうぜ?」
「ーーっ!?」
閃光が迸った。
先程のSFチックなレーザー光線とは真逆、実弾のマズルフラッシュだ。
それが破裂音と共に湯水のように垂れ流しにされる。
「マズいッ!」
2人は知りもしないが、これは『リボルバーカノン』という銃器で、本来ならば戦闘機などに搭載される銃器なのだ。
明らかな威力過多。しかし、それはただの人間を相手にする場合だ。
舞い上がったその砂煙の中、そのデカブツに立ち向かう人影があった。
「ーーっっっらぁぁぁぁぁああああああ!!!!」
超反応で防御に回した左腕のフレームが軋む。
酷い硝煙の砲塔での突き上げを紙一重で飛び退いて回避する。
「へぇ、そんな大仰な見た目してるけど、JKの攻撃で凹むんだ。雑魚だね。」
砂煙が晴れる。そこには回避に失敗した優司の姿があった。
だが、彼はそれで良かった。
「『再生能力』。またレベルが上がったらしい。」
白煙を上げてクレーターが塞がっていく。
「……面白えじゃねぇか……!!」
再度トランス○ォーマーもどきに近づき両肩部の取手を引き抜く。
それはショーケースに並ぶ銃剣とほぼ同じ形状をしていたが、
「コード認証『.オリジン』」
刃が緑色ではなく、ルビーの煌めきを纏う。
「優司くん、女の子をお願い。」
「……あぁ。」
「嬉しいなぁ……女の子扱いしてくれるなんてなぁッッッ!!!!」
いつも読んでくれてありがとうございます。