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第39話 血を拭えるのは涙ぐらいだろ

今回、酷いグロがあります。飛ばしても大丈夫です!

……疲れてるんですかね。

「シシシ……タ・タ・タ・タ・タ・タ!!!!』


満足そうに騎士が吠える。

少女が頭を抱え、涙を流す。


「ぁ……あぁ……あああ……。」


『ワ・タ・シ・ガーーーワタシ!!」


『コワレロ……コワレローーーーー




ーーーー壊れんのはお前だ」


「ワ?』


ギュンッ!突如、手に持っていた棒が高速移動する。

その棒は、あの死んだはずの少年が持っていたーーー


「ーーー『グングニル』。」


そう銘打たれた石槍。

手を離そうがもう遅い、慣性の力に引き摺られた鎧男がなす術なく拳に吸い込まれる。


「るああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」


ベゴン!!鎧が5センチ程凹み、殴りつけた右手から鮮血が噴き出した。

だが、まだだ。


「ワ・ワ・ワァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!??!!?!?!!!!!!』


ズドン!!グングニルがその腹に突き刺さる。

兜の隙間から黒い内容物が噴き出た。


「許すか……この程度で……!!!」


そのままグングニルごと騎士を地面に突き刺し、馬乗りになる。

そこまで行けば、やる事は当然。

強化された常人のそれではない攻撃力とスピード。

その全てを利用し、

殴る、殴る、殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る。


「ガッ……ガッ…!!ガァッ!!!ガァッ…!!』


その度に、鎧に凹みが生まれ、黒い内容物が噴き出る。

骨が軋み、何度も血が噴き出た。

しかしもう、痛みなど感じはしなかった。


「死ね…死ね…!死ね!!死ね!死ネェッ!」


ズドンッ、その一撃で鎧の肉体が跳ねる。

遂に芯を捉えた。無意識に口の端が歪む。


「ワ・ワ・ワ…………ッ!!!!』


『何故だ?』その行動は優司の脳内をその疑問で占領した。

鎧が解除され、黒い体液塗れの少女が顕になったのだ。


「命…乞いか?女の子には攻撃出来ないだろって?

()()()()()?」


寧ろ、好都合といった表情で首を掴む。

ゆっくりと、まるで痛め付けるように槍から身体を引き抜く。

ねっとりとした黒い体液が、血のようで気味が悪く感じ、腹癒せに槍を蹴り飛ばす。


「ここまでやって、中身が女の子だから無理?

()()()()()()()()()()()

()()()()()()()()()()()()、お前を潰す。」


どこか式子舞妹に似ている少女、にも関わらず力を込めた。

未だ殺しきれていない事実が、半端な優しさを裏付けているようで、自分が自分で嫌になった。


『ガ・ガ・ガ・ガ・ガ……ッ!!」


ふと、騎士ですらなくなった『ソレ』が力無き腕で遠方を指し示した。


「……狙いはそっちか。」


影を経由して移動したのだろう。

鎧が剣を、泣き疲れ眠った少女に向けていた。


『シ・シ・シ・シ…死…!!」


細いその手が首を絞める腕に巻き付いて来た。

吐きそうな程気味の悪い笑みを浮かべるながら。


「へぇ、離さないとアイツを殺すって?」


ソレは、引き裂けそうな程口を歪めるだけで、ノイズを吐き出しはしなかった。


「楽しそうな所悪いが…言ったよな、お前を潰すって。」


反論…もしくは鎧に命令を与えようとしたのかは不明だが、ソレが口を開いた瞬間。

ズドンッ!!!


「なんの考えも無しに、自分の得物を蹴り飛ばす訳ないだろ。」


兜がすっ飛んだ。

当然だ。鎧とは人間の外付け装甲のようなもの。

固定する場所が無くなれば、脆くなるだろう。


「これで、お前を潰す時間が出来た。」


パッと手を離し、ソレを宙に突き放すその一瞬。

その一瞬だけ、鎧と動きがシンクロした。

影伝いに鎧が転送され、


………とても、何かを殴った音には聞こえなかった。

どちらかと言えば、破裂音。

暖かくねっとりとした黒が降り注ぐ。

鎧は噴水になった。


いつも読んでくれてありがとうございます!!


グロ飛ばしたよー!って人、黒騎士は倒されました!大丈夫です!

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