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序章 疑問と達成の笑み
足、腕、腹部、顔、身体中に走る激痛。それも気にならない程に達成感に満ち溢れる。
辺りは冷たい空気が流れる。ただ、空気自体の温度は決して冷たくはない。雰囲気がかなり冷たいのだ。凍るような空気が流れる。
その空気を打ち崩す様に少女が言葉を投げかける。
「楓…これが貴方のしたかった事なの………」
その通りだ。楓はこの為に幾度となく損な立ち回りを続けてきた。
「何でこんな事を…私達はいつも一緒に!」
少女はその美貌を壊し、ぐしゃぐしゃな顔で泣きながら訴えかける。
だが何故彼女が泣いているのか楓には分からない。意味が分からない。
「颯那。何で泣いてるの?」
彼女は驚きを隠せず、目を丸くさせる。だが直ぐに目を鋭く切れさせ楓に斬りかかる。
「……颯那。じゃあね。」
向かってくる少女に一発、力を込め拳をぶつける。瞬間彼女の身体は爆ぜ、血しぶきを上げる。
その血を一身に浴び排村 楓は不敵な笑みを浮かべた。