出合い
短めの話にする予定。
突如として現れた鎧によって人類は滅ぼされた。
少年は長い眠りから目覚める。
ここはどこだ。
知らない天井だ。
随分長い間眠っていた気がする。
自分の置かれた状況を把握するため、体を起こしてあたりを見渡す。
風邪を引いてずっと寝ていたときのようなぎこちなさを感じる。
奇妙な形をしたランプや本棚が置かれているがその文字は全く見たことのないものだ。
どうやら家の中にいるということは分かったがすでに自分の知っている世界ではないらしい。
バタン!
急に扉の開く音がした。
振り返るとそこには白い髪の毛をした細身の女の子が立っていた。
「えええええええええええええええええええええええ動いてるし」
突然大声を挙げられたのでびっくりする。
驚いて動けないでいるとこっちにやってきて、俺の体をペタペタと触り始めた。
なんだか全身がむず痒くなりそのくすぐったさから体を硬直させていた。
「ちょ…なんだお前はっていうか何すんだやめろ!」
「んんー世話してあげてたってのに生意気言うなぁーこいつぅ。おとなしく触られてろぉお」
「あ、ちょっと待っ…そこは」
「んん何かなこれは?」
「いや、何って…」
「非常に興味深いわね。もっとよく調べさせて!」
「ダメだって!!!」
強く言い放ったことで彼女は僕の体を触るのをやめた。
「もう、突然大声出さないでよびっくりするじゃない」
「こっちは突然体を弄られてそれどころじゃないけどね!!」
それから1時間くらい確かめさせるよう要求され続けたが何とか断り自分の置かれている状況をきいた。
この世界は地中にあること、地上波鎧が闊歩していること、彼女が仲間たちと共に鎧と戦っていることなどをきいた。
地上の文明は高度な技術によって非常に豊かで快適な生活を送っていたが、突如として現れた鎧によって人類が滅ぼされた。
その当時の文明の高度な技術を手に入れるため彼女たちは地上に向かい鎧と戦っているらしい。
その折、機械の中で眠っていた俺を彼女たちが見つけここまで連れてきたのだという。
「君のことを仲間に報告しなきゃいけないのよねーとりあえず来てくれるかしら」
「郷に入っては郷に従えというしな――仕方がない君についていこう」
この時俺は気づいていなかった、彼女の面影がどこか自分の妹と似ていることに。