信号待ちと新米警官の話
「あの、ちょっとすみまセン」
もう横断歩道を渡れば高校はすぐそこという交差点で突然女性の声に呼び止められて、俺は素直に立ち止まった。振り返って最初に目についたのは警察手帳、そして警察官の制服を着た女性だった。とくべつ化粧をしているようにも見えないのにやけに美人だった。
「はい。お巡りさんが俺に何の用です?」
「犯罪予防システムによる検査の結果、今のあなたは三時間以内に重度の犯罪を犯す可能性が70%を越えていることが分かりまシタ」
「えっ!?突然なにを言い出すんですかお巡りさん!」
「ハイ。犯罪予防システムによる検査の結果」
「ごめんごめん、そこはいいんだよ」
厄介なのに捕まってしまった。
「重大な犯罪って……いきなり言われてもピンときませんよ。いったい俺が何をしでかすっていうんですか?殺人かなにか?」
「ハイ。具体的には、あなたが善良な一般市民のいる公的機関の屋内で三時間以内に爆発時の破片により対象を殺傷する非時限式の爆発物を複数個用いたテロ行為を行い、少なくとも30名以上の死傷者が出る確率が74.223%デス」
「えらく具体的な予測だなオイ!逆に信頼できないぞそれ」
「最新の犯罪予防システムによる予測です。このバージョンでのバグは現在確認されておりまセン」
「いつから使われてるんだそのシステム」
「日本時間における本日午前六時デス」
「ついさっきじゃねーか!バグなんかあっても発見されるわけないだろ!!」
まったく、ため息が出るぜ。
そうだ、思い出した。このやけに対応に疲れる警官は人工知能つきのロボットなのだ。確かに今日の朝六時からいくつかの地域限定で試験的にロボ警官が配置されるという話があった。昨日のニュースで言ってたんだっけ?そう考えてみると、たしかにえらくパリッとした制服を着てるなぁこいつ。
くそ、こんなところでモタモタしているわけにはいかないってのに。
「すまないな、そのシステムはやっぱり信用できそうにない。俺、急いでるから!」
「待ちなサイ。何の用事でスカ?」
「俺にはそれに答える義務があるのか?」
「いいえ、ただの職務質問ですから、そのような義務はありまセン」
「じゃあ回答を拒否しまーす!」
叫びながら駆け出そうとした俺は腕を掴まれ、あやうく脱臼するところだった。
「何しやがる!?」
「あなたには犯罪予防システムによって要注意ランク3が適用されていマス。したがって私には職務質問を開始する義務があり、職務質問の開始をあなたが何らかの行為によって阻害すれば、公務執行妨害と見なしこの場であなたを拘束することができるのデス。さて、職務質問をさせてもらいマス」
「待て待て待て、職務質問に答えるのは義務じゃないってお巡りさん自身がさっき言ったんだろ。俺は既に回答を拒否したじゃないか」
「ハイ。回答を拒否しても構いませんが、私はあなたに職務質問をする義務があります」
ふむ。つまり、だ。
「んじゃその職務質問への回答を拒否するんで」
「分かりました。待ちなサイ」
やっぱりな。
「私はあなたにいくつかの職務質問をしなくてはなりまセン。ですので今から職務質問を始めます、よろしいでスネ?」
「はいはい、分かったよ!どうせ拒否しても無限に引き留め続けるつもりだったんだろ?答えてやるから腕を離してくれ」
「ふふふ、察しがよくて助かりマス」
警官がニヤリと笑って俺の腕を解放した。ちくしょうこのくそったれロボめ。態度もそうだが、ロボットならロボットらしく無機質を突き通せばいいものを妙に人間味のある表情をしやがる。こいつを設計したやつは絶対狙ってやってるな。
「ではまず、あなたは何の用事があって急いでいるのでスカ?」
「高校だよ。俺は自分が通う高校に行くのに急いでいるんだ」
「どこの生徒か聞かせてくだサイ」
「どこも何も、この道路を挟んですぐそこの公立座々西高校だ。てか一個前の質問も含めて制服見りゃわかんだろ?」
「……なるホド。ライブラリかまだ未熟でしてね、参考になりマス」
ポン、と手を叩いてわざとらしく納得する素振りを見せるロボ警官。なんだか見ていて無性に腹が立つ、おちょくってるとしか思えなかった。
「もういいか?」
「まだデス。生徒手帳を拝見しテモ?」
「はぁ……ちょっと待ってろ」
ちっ、めんどくさいことばかり言いやがる。スッと差し出されたその手のひらが無性に腹立たしく、上着のポケットから取り出した生徒手帳を乱暴に押し付けるようにして渡した。ロボ警官の手のひらは柔らかかったが、それ以外は微動だにしなかったことがその怪力を示している。
「……ずいぶん状態が良いのでスネ」
「お巡りさんはロボだから知らないだろうがな、普通高校生は学生証なんかめったに使わねえんだよ。俺は今日の午後に友達と映画を見る約束があったからたまたま持ってただけ。信じられねえなら他のザニシ生を捕まえて聞いてみるといい」
「すみません、ザニシ生、トハ?」
「座々西に通ってるやつのことだ。なあ、生徒手帳も見せたんだしもういいだろ?」
「ええ、ご協力に感謝します。よい一日ヲ」
あー、やっと終わったぜ。丁度よく信号も青になるし、どうにか間に合いそうだな。
ところで、俺は信号が青に変わるタイミングを当てるのが好きだ。小学校の頃に近所の兄ちゃんに披露されて以来、タネを知っていてもやりたくなってしまう。そら、3、2、1……
「待ちなサイ」
「だぁーっ!!お前は俺を脱臼させるためにタイミングをはかってんのか!?」
一歩踏み出そうとした俺の腕がふたたびロボ警官に捕まった。用件はもう分かっている。
「いえ、職務質問をさせてもらいマス」
「分かってるよ!こっちは急いでるんだ早くしてくんないかなぁ!?」
「では、遠慮ナク」
いちいち癪にさわる返事をするやつだ。今から過去に戻れるなら俺は間違いなくロボ警官に反対する活動家になることだろう。
「高校に行くにはまだ時間が早いのではないでしょウカ。何の用事でこの時間に登校しようとしているのかを」
「日直だ!日直!!今日一日俺がホームルームの日直当番なの。で、日直は朝だけで教室の鍵を開けて、チョークの補充をして、それに配るプリントがあればそれを印刷室から運んでおく義務がある。頼むから、早く学校へ行かせてくれ」
「わざわざ重労働しに早起きなんて高校生も大変でスネ。さて、まだ質問はありまスヨ?」
「なにが『さて』だ。俺の話聞いてた?」
「あなた、遅刻の常連だそうでスネ」
「あ?なんで知ってるんだよ」
「先程拝見した生徒手帳を元に調べさせてもらいまシタ」
すました顔でロボ警官は言うが、なんなんだこいつは本当に。データベースはまだ未熟とか言ってたくせに、生徒手帳があれば勤怠状況まで把握できるとか意図的に未熟を装っていたとしか思えん。
「で、それがどうしたんだ。俺を今日も遅刻させたいのか」
「いいえ、そういう意図はありまセン。ですが、そのような生徒がどうして今日に限って早く学校へ行くのかと思いまシテ」
「……あのな、俺はさっきその理由を話したと思うんだよ。俺は、今日、日直当番で、早く、学校へ、行かないと、いけないの。分かってくれますかね?」
あまりにも間抜けな質問に呆れてもはや怒る気すら失せてしまった。これならまだ人間の警官のほうが断然良い仕事をする。責任回避だか予算削減だか知らないけど、こういうところをちゃんとしておかないから無能だって怒られるんじゃないのかよ。
「ハイ。あなたが日直で急がなくてはならないのは、日直が急がなくてはならない役職だからである、というのは当然理解していマス」
ムカつく返答だな。
「ですが、奇妙なことがありマス。記録によればあなたの遅刻回数は度を越していて、ここ二ヶ月間きちんと登校したことは無いですヨネ?」
「それが?」
「データベースによれば、座々西高校は生徒を1クラス40から46人ずつ分けています。そしてあなたのクラスが42人。すなわち二ヶ月もあれば、日直当番はほぼ確実に一周するはずです。理論上、少なくとも一周以上日直当番をずる休みしているあなたが、なぜ今日に限って早く学校へ行くのかと思いまシテ。少し不自然ですヨネ?」
「誰よりも不自然な存在に不自然なんて言われてもなぁ……何でもいいだろ理由なんて。たまたまだよ。なんとなく、今日は早めに行こうと思っただけだ」
「あれ、日直だからじゃないんでスカ?」
「お巡りさんがそれを怪しんだからその前の理由を言ったんだろ。なんとなく早めに行くかなって思って、日直当番という理由が背中を押したってわけだ」
「なるホド。分かることには分かりましたが、分かりづらかったので次回以降はもっと文法的に正しく話してくださイヨ。私はたった今日、この業務に着いたばかりなんでスヨ?」
「それでお前が偉そうにするのはおかしくないか!?」
相変わらずカチンと来る態度のロボ警官だったが、なんだか段々御しかたが分かってきた気がした。といっても、要はぼかさず的確に答えていけばいいのだ。そうすればロボ警官が追求できることも無くなるだろう。頭はあまり良さそうじゃないし。
「なあ、もういいよな。もう俺が学校に行ってもいいよな」
「だめデス」
即答かよ。
「まだ何かあるのか!?これ以上俺は何を話せばいいんだ?もう時間がない、頼むからいっぺんに言ってくれ」
「分かりまシタ」
よし来い。これで出た質問を全て詳細に答えてやって、ロボ警官が次の質問を思い付く前にさっさと信号を渡ってしまおう。まったく、ようやく解放されると思うと清々する。見ろ、俺が呼び止められたときはいなかったのに、通行人が増えてきてしまった。そろそろザニシ生もちらほら姿を見せ始める頃。タイムリミットがかなり迫ってきた。
「では質問デス」
「おう」
「①日直は異性同士の二人ペアでスネ?②あなたはこれまでに何度かペアの異性を意識したことがありますか?③あなたには今までに交際した相手はいませんでしたヨネ?④あなたは昨晩、クラスの出席予定のなかでも特にあなたのペアが今日学校に来るかどうかを調べましタネ?」
「多い!それになんだそのやたら偏った質問は!?どう考えても私的な知的好奇心を満たすためにやってるだろその質問!!」
「データベースを参考に合理的な質問をしているはずデス」
「はず、ってなんだよ。お巡りさん自身のことだろ?」
「ソフトウェア開発は複数人で行っていますから、開発者たちの間でちょっとしたすれ違いがあっても不思議じゃありまセン」
「不思議だよ!天下の公務員たる警察官を作ろうってのに、しょうもないミスを手抜きで放置したまま実用化ってあり得ない!」
「……ふィェー」
「目をそらしながら吹けもしない口笛を吹くんじゃねぇ!ロボだから呼吸していないだろうが!」
「これ以上その話題について追求したら職務質問の開始を妨害したと見なしまスヨ」
「ロボが職権濫用とかレベル高いよな最近のAIは!」
まあいい、質問に答えてやろうじゃないか。交遊関係の突っ込んだ部分をやたらと聞きたがるこのポンコツに頭は勝っている自信がある。でも力では絶対に勝てない。さっさと終わらせて後は野となれ山となれだ。
「答えるぞ。しっかり聞いとけ」
「ハイ」
深呼吸して……一息に!
「①その通り!原則として男女ペアだ、②今もそうだとは言わんが、もちろんある!③悔しいが正解!④ああそうだよ、一人だと困るからな!というわけでサヨナラッ!」
猛然と駆け出した俺を止めることはもう不可能だ。ロボ警官がこれ以上何を思いつこうが、俺の腕を掴もうとしようが関係ない!信号は都合の良いことに丁度青になった!さあ、このまま教室まで一気に飛ばすぜ!
次の瞬間、俺の身体は空を飛んでいた。
やけに速くなった認識速度の中、俺をはね飛ばしたのであろう高そうな車が走り去っていくのを見ながら『飛ばす』ってそういうことじゃないんだけどなぁとか下らないことを考えてしまう。麻痺した身体はスローモーションでアスファルトへと落下し、じわじわ広がってきた痛みが脳みそを揺らし始めた頃にようやく時間が元の通りに流れだした。
「ちくしょう、なんで俺はっ、今日こんな目にばかり遭うんだ……!痛い、痛い、痛すぎて泣きそう…… 」
「生きてまスカ?」
空を見上げる俺を覗き込んでいるのはロボ警官だ。周囲には早くも野次馬の声が聞こえる。
「くそっ……こいつはこんなときまでムカつく言い方しやがるよ。色々、言われてるけど、大丈夫ですかって聞くのが、普通だろ……」
「勉強になりマス。さて、もう緊急の通報は済ませてありますのでまもなく救急車が到着しますし、信号無視の轢き逃げ犯の逮捕もすぐでショウ。さいわいあなたは目立った外傷も無さそうですし、それだけ喋ることができるのですから致死性の内臓傷害も無いのデハ?」
「ははは……有能なんだか無能なんだかわかんないね、お巡りさんは……」
身体を起こしてみる。打ち付けたのはおおざっぱに右半身といったところだろう、特に脚のダメージがヤバそうだ。俺の知っている限り、右膝はこんなに内側へは曲がらない。右足で体重支えるのは無理だな。
早く学校に行かなきゃ……もう痛すぎて色々ネジが吹っ飛んでいる気がする。冷静な判断をしているつもりだが、はたしておかしいだろうか?
「動くことはあまりおすすめできませンネ」
「お節介をどうも。そんなに言うなら、俺が駆け出す前に止めてくれればよかったのに」
「私から逃げるために突然駆け出したあなたの過失でショウ」
「責任はあくまでとってくれないのね……」
どうにか左足だけで立ち上がり、からだ半分だけで前に進む。おっ、意外とイケるんじゃね?教室までもてばいいのだから、このままでも全然大丈夫だろうな。
「じゃ、お巡りさん。救急車呼んでくれて悪いんだけど、俺、学校に行かなきゃ。みんなが日直の俺を待っているんだ」
「どうしても、と言うのならその行為を止める権限は私にはありまセン。法の整備が待たれマス」
「そりゃいいや。んじゃ、元気でね」
「元気がないあなたが言うのでスネ……」
背中からロボ警官渾身のツッコミが聞こえたが無視する。あー、ようやく解放されるよ。ロボ警官のせいで色々狂ってしまったからこれからどうにかリカバリーしていかなきゃなぁ……鞄重てえなぁ。こんなに重かったっけか。引きずっている鞄の底が、アスファルトに引っかかれてズルズルと鳴っている。
「でも、あと少しだ!頑張るぞっ……」
「待ちなサイ」
「……最後の最後までやってくれるね」
ケガに配慮してか、制服のすそを軽く引く程度でロボ警官は俺を止めた。見掛けだけ見ればけっこうかわいらしいしぐさをしている。これも設計か?
「質問、正真正銘最後の一個デス」
「はいはい、なんですか」
本当に最後なのだろう。えらくはっきりと言いきったロボ警官に少しだけ感動してしまった俺はどうにかして向き直った。やはり何度見てもけっこう美しい顔立ちをしている。状況が違っていたら、今とは別の理由で鼓動が高鳴っていたことだろう。
「気分を害さないで欲しいのでスガ」
「救急車の到着までじっとしてろってのは無理だ。おれは日直で」
「違います」
やっぱり即答だった。
「私が聞きたいのは許可です」
「……何の」
ロボ警官は俺の怪我の具合を改めてまじまじと見て、すごく申し訳なさそうな雰囲気になった。なんだか意外だ。すごく人間っぽいぞこいつ。そして一体なんだろう、最後の質問は許可と言っていたな。あれほど好き勝手行動してたくせに、最後の最後まで許可を取ろうとするなんて。
でもまぁ、どうせこの許可も出さなきゃ前に進まないんだろうな、なんて。考えていたとき、ロボ警官から最後の質問があった。
「鞄の中、見せてくだサイ」
「で、そこで教室をまるごと吹き飛ばす予定だった爆弾が見つかってあえなくお縄、ということッすか」
「まさか最後の最後に気がつかれるとは……」
「で、先輩はなんだってそんなことを計画したので?」
「まー、俺を散々いじめ倒していたやつがいてね。日直でペアになっちまってた女子。周囲も完全にグルだった」
「あ、それで全部まとめて、ってことッすね」
「道具の用意も含めて二ヶ月かけて計画したぜ。朝のうちに爆弾を設置して、朝のホームルームで起爆するつもりだった」
「なんというか、変な努力してたンすね」
「あのロボ警官のせいで全部パァになっちまったうえに、こんなところへぶちこまれちまったがな」
「そういや先輩をはねた奴は?どうなったンすか」
「ああ、それはな。なんという因果かそいつ、俺をいじめてた奴だったんだよ」
「えっ?それじゃあ……」
「女子ンとこにいるんじゃねえの?知らないけど。無免許で轢き逃げ、逃走中にもう一人跳ねてそっちは殺しちまったらしい。俺とどっちが先に出られるかは知らないが、少なからず殺しはしてない俺のほうがまだマシだと思ってる」
「思考がクズッすね」
「クレジットカード詐欺でここにいるお前に言われたかねーよ」
「まあいいじゃないッすか。にしても、そのロボ警官すごいッすね」
「あ?」
「先輩がやること、一応的中させてたじゃないすか。最初から」
「確かになぁ」
一通り語り終えて振り返ってみても、その点では確かに従来の警官よりは有能だったと思える。
「でも、あいつらを本当に信用していいのかは分からねえよな」
「え、なぜッすか。俺の『子』を取っ捕まえたのもロボットだったし、めちゃくちゃ有能ッすよねあいつら」
「お前もあいつらに捕まったみたいなものなのかよ!……あのな、俺が轢き逃げされたとき、まだ車が視界に入っているくらいの時間にロボ警官はもう通報を済ませていた。早すぎるだろ、いくらなんでも。それにあのロボ警官なら、飛び出した俺を掴んで引っ張り戻すくらいできたと思わないか?」
「いや、それは先輩がはねられたのを見て他のロボ警官に報告、通報させたとかじゃないッすか。あと、先輩がそもそも掴まれないように走ったンすよね」
「そうかもしれないけどさ……」
今思い返すとぞっとする、不気味なモヤモヤ。
「お前も警官にノルマがあるのは知ってるだろ?」
「ああ、いまだにあるらしいッすね」
「お前が手っ取り早くノルマを稼ぎたかったら、どうする?」
「そりゃあ、スピード違反とか、犯罪が起こりそうなのを出待ちして……あ」
「な、怖くねえか?この仮説」
俺が爆弾ぶちかますのを予測できた奴が、轢き逃げしそうな無免許運転の車がいつ、どこを通るのかを予測できなかったはずがないだろ?