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虹の絆

作者: 風都 來論

人間の『心』は

人と通わせる事でどんどん柔らかく温かくなる。


そんな表現をしたくて、書きました。



素直に生きた2人に注目です。



虹を見ると、思い出す。

















虹の絆













僕は公園で虹を見た

初めて見た虹はとっても綺麗で、いつか小さな頃に見た、絵本のまんまだった。




ままが今日泣いて居る事が


僕には良く分からなかった


僕はこんなに元気になった。


お日様だってポカポカ気持ち良くて


猫ちゃんだって 触れるし


毎日毎日お布団にいる事も無くなった













またしばらくして公園に行った時、虹が出てた。





そしたらおじさんがベンチで寝てたんだ。


「おじさん、僕、虹が見たいから、ベンチに座らせて!」



って僕が言うと、おじさんは むくっと起き上がって僕を見た。


「虹?」

おじさんがキョロキョロしてるから、

僕は指差して教えてあげた。



「おお」


おじさんは虹を見つけると僕と一緒にベンチに座ってしばらく一緒に見てた。




虹が薄れてきた頃、おじさんが言った。


「綺麗だなあ」







僕は次の日も公園に行った。

つまんないから、お絵描き道具を持って来たんだ。



あ、


「おじさん!」


虹のおじさんを見つけた僕は、おじさんの所まで走ってって、

お絵描き道具を見せる。



「ん、なんだあ」

おじさんは僕に気付くと、僕の持って居たクレヨンと紙をとった。


「いいじゃないか、一緒に書こう」




僕とおじさんは一日中お絵描きをした。



「お花書けたよ」

僕が絵を見せるとおじさんはよーく見てから、


「綺麗だ!」

と言ってくれた。

僕は優しく笑うおじさんが大好きになった。


僕たちは、毎日毎日公園で絵を書いた。


虹が出たら、おじさんと僕でどっちが虹の絵上手く書けるか、競走するんだ。










小僧が来ない。



毎日毎日 公園に来て居た虹の小僧が来ない。

この時間のはずなのに。


いや、いいんだ


俺は綺麗な人間じゃない


そうだ。近付かんほうがいい―
















ん?


僕、なんで病院にいるんだろう。



なんでパパとママが泣いているんだろう。

なんだか眠い。

僕は優しい風が吹くほうに、顔を向けた。


   あ






「クレヨン、貸して」







小僧―





『あの子の余命はね、あと1ヶ月持つかどうかなんです―』




母親は潤んだ瞳で俺にこう言った



『あの子、今まで笑った事無かったのに―おじさんが大好きなんだって毎日楽しそうに笑うの、ありがとう』





こんな俺に―





綺麗な心を―







おじさんが




楽しい事を―







教えてくれた…







「小僧!!!!!!!!!!!!」

俺は勢い良く病室に入った


そこには誰も居ない。





「来てくださったんですね」


振り向くと、あの小僧の、母親―



「あの子は―たった…今っ………」

泣き崩れる母親に俺は言葉を失った。








ベットの上にパタパタとなびく、一枚の紙。



そこには七色のクレヨンで描かれた

虹があった。



その絵の下の方には

゛虹のおじさんへ゛と書かれていた。





「小僧…っ…俺…は…ぅうぅっああぅああああぁあぁぁああ」








男は持って居た自分の絵を手放し、その場で長く、長く泣いた。


窓の外には今までで一番綺麗な

虹が見えて居た。



少年が無くなっても、

その分の『心』はしっかりおじさんに伝わっているでしょう。


文章を見れば分かりますが2人は

『虹が出たら競走しよう』とは約束して居ませんでしたが、どちらも大好きな虹をお互いに見せたい、書きたい


そんな同じ純粋な思いがあったんです。


友達というか、相棒というか、

言葉無くとも伝わる『心』の色。

生活の中でも出て来ると思います。


これを読んだ皆さんの心と私の心がもっと温かくなったらいいな、と思います。


來論

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