表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/64

骨肉の争い

 両刃の剣──バティが生前から愛用してきた鉄剣である。彼が生きてきた時代の重たい剣、その先に生まれた繊細な刀とは異なる。

 無骨な大ぶりな剣を振るうと、瞬く間に豪雨と雷鳴が生じ、電撃が美麗之前を直撃した。


 が、美麗之前は手にしていた優雅な扇でひと振りで薙ぎ払う。稲妻は拡散されキューブに当たり、火花を散らした。


「チッ」

 さすがは格上。初手では無傷か。


 バティは次なる攻撃を行う。吹きすさぶ豪雨に加え、数多の落雷、そうして雹をふらせ──目くらましをする。

「あははっ!」


 剣で美麗之前をつき刺そうとするが、そこには姿形もなかった。狐火に加え狐の生首に噛まれ、布を破り毒が皮膚を腐らせるのを知る。


「アナタ、それでも武人だったのぉ?? 相も変わらず弱っちいわ」


「それは阿字母さまに与えられた力の差だ。奢るなど、甚だしい!」


 ベルトの尾を薙刀に変形させ、二刀流に型を変える。戦いが不利なのは痛いほど自覚していた。だが、自らのプライドを傷つけられるのが嫌だった。

 大人気ないのは十も承知である。武人たるもの、背水の陣であっても戦うものでありたい。


 薙刀で狐を切り払い、キューブに一度隠れる。薙刀から更に大薙刀に変えようとした瞬間──周囲が眩いばかりに輝いた。いや、業火の如し赤い炎が空間中を満たし、雨を止ます。


「クソが」

「じゃ〜〜あ、次はアテクシね」


 サッと扇をしまうと、彼女は舞うように右手をあげた。「アナタが雨好きなら、針の雨を降らしてあげる♪」

 注射が空から降り注ぎ、命の危機を覚悟した。



 しかし青火が入れ替わるように加勢し、医療用具を滅却する。炸裂する冷たい焔。身体をバラバラにするかのような痛みを伴い、双方は呻いた。



「お二人とも、おやめくださいまし! 仲間割れはよくないのでっ!」


 幼い声音にハッとキューブの向こうをみやれば、印猫の使いがこちらを庇うように立ち塞がっていた。彼女は確か、カヤスといったか。


(第二眷属の威力は凄まじいな。端女であれだぞ。悔しいが、情勢が変わった)


「アナタあ、確か印猫の金魚のフンね?」

「はい! あーしからもお願いをしにきました。お願いです。印猫さまの行いに猶予をくださいっ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ