けんけん、きやんきやん
けんけん、きやんきやん、などあざとい鳴き声を出していた。
けんけん、コンコン、きやんきやん。
四歳くらいの垢抜けない子どもは不意に視線を感じて、振り向いた。
「おわ、びっくりした!!」
「随分楽しそうにしているから気になってね」
郷涅は公園で子供たちと輪になって不穏な遊びをしているリクルートスーツの『子供』へ話しかけたのだ。
草木も眠る丑三つ時。
夜中の、まだ首都圏エリアにはたどり着かない──森の中にある小さな公園でこんな風景を見たら、誰だって気になる。
「子供と遊ぶのが大好きなんだ〜! で?」
「この子たちは?」
「フツーの人間。ワタシと遊びたいからここに来たんだって、クックック。あはは、バカみたいでしょ? ワタシのお誘いにのるなんてさー」
「わたしは郷涅。君は?」
「悪野狗 嗤使! よろ〜〜~っ! ほいっ」
あくどい笑いを浮かべ、彼女は宙に浮いた。子供たちは無言で泡をふき、白目のまま、クルクル回っていたがワッと蜘蛛の子を散らすように走り去っていく。
「あの子にき、めーたっ! じゃーね! 邪悪なる術士さん!」
一人の女の子の肩に取り付くと、一緒に夜闇に消えていった。きっと取り憑かれた子に良い結末は待っていないのだろう。
「インスピレーションがわくねえ〜〜。ははは」
「郷涅。何しているんだい。さっさとコンビニ探すんだよ」
穢偽の声色がして、残念だな、と公園の灯りから視線を逸らした。
「えー、コンビニ? わたしゃあ、ファミレスがいいなァ」
「じゃあ奢る気があるってヤツか」
「ゲェッ」
こうなると彼女は譲らない。仕方なく、頷いてトボトボと歩き出す。
(良いネタを思い浮かんだなあ。悪い事ばかりじゃあない)
「何、ニヤニヤしてるんだ」
「あー、いやいや。ちょっとした考え事です」
出したいキャラを出せた喜び(2回目)




