ばてぃ と みはる
ミハル・ミザーンはタバコふかしながら、ボンヤリしているとまた上空に気配がした。
「また来たんか〜〜」
「休憩時間に、様子を見に来ただけだよ」
宙を浮く、軍服に酷似した羽織りものが特徴の摩訶不思議な存在。バティ。
彼はフワフワと器用に、地面に着地した。我々天使よりも天使らしい、と他人事に傍受していた。
「都会な場所に仕事場があるんだな」
「ああ、一応……会社としてビルに入ってるんかな? オイラはあまり頓着してないんよ」
タハハ、と苦笑するもタワーマンションの建ち並ぶ駅前を彼は興味深そうに眺めていた。
「人は時代が経つにつれて住まいの考えが変わるみたいだ。あんなに高い場所に住めるとは」
「高所恐怖症にはキツイよなァ」
「ほう。高所恐怖症。高いところが苦手な輩もいるのか」
彼は納得すると、ズイッと近づいてきた。なんだろうと、首を傾げると静かに口を開く。
「これから、僕の仲間が来るかもしれない。その時は助けてくれまいか?」
「助けられたのなら、だけんど」
「君なら大丈夫だ。ミハル。どうにか彼女たちを匿ってほしい、さすればしばらくして迎えに来る」
まるで死亡フラグのセリフではないか。「おい、本当に大丈夫なんか? おまいさんが危険な気がするぞ」
「多分、平気だ」
好戦的な笑みに、彼は歯向かいコテンパンにされて封印されていた過去があるのを思い出した。きっと何度でもそうするのだろう。
「分かったよ。できるだけ早く迎えに来てくれや」
「ああ、頼もしい! じゃあな」
「おい、何か話をしないか? ただの世間話をよ。せっかく久しぶりに会えたのだからさ」
ミハルの提案に彼は渋ってみせたが、そうだな、と最終的に頷いた。
「積もる話もある。ならばタバコとやらを僕にも寄越してくれよ」




