きせき はあるか?
「そもそもっ! アリーさんはここで何をしてるんですか?! これは? まるでっ」
「そうだ。私の研究だ」
揺るぎない感情と言葉に打ちのめされそうになる。
「アリーさんは人権を無視しています。人を、こんな風に扱っては──」
「は? コイツが人だって?」
そういうと、彼女は手のひらにリボルバー拳銃を召喚する。試し撃ちの的のようにナァ〜ごへ発射した。
鋭い銃声。だが、彼女に傷一つつかない。
「コイツらには傷一つつけられまい。ラファティ・アスケラくん、君は知っているんだろう? どんなに外傷を与えようが、ヤツらはこうだ」
「……まあ」
無意味名 パビャ子は傷つかない。
何があろうと。パーラム・イターもきっとそうだ。
だが、だからと言って。
「……君は? 撃たれればどうなる?」
「い、いや、傷つきますよ! 知っているでしょう?! アリーさんと、同じなんですからっ!」
銃口を向けられ、慌てふためく。偽物の天使はそこまで物理的に魔法な存在じゃない。
「ぎゃアッ」
無慈悲に発砲され、死を覚悟した。だが──不思議と痛みはない。
銃弾は身体をすり抜け、床を抉る。ラファティは混乱した。
自分自身は治癒魔法に秀でているがこんな異能はない。
「ン? まぐれかもしれないなあ?」
3発。連続で撃たれ、泣きそうだった。結果は同じであり、自分は無傷。
「あっは! アリーのヤツ、内心焦っているんじゃないかい? 目の前の、未知の存在に!」
「サリエリ、お前、俺に何をした? な、なんで」
「かみさまの加護のおかげですよぉ。ステキでしょ?」
ニコニコと彼女が横槍を入れてくる。加護? (ふざけんなよっ! 神なんていねえんだ)
「ラフ。君は僕を神だと信じていたのか。悪い事をしたね。そこまで追い詰めてしまうなんて」
「そこにサリエリ・クリウーチがいるのか? 感慨深いね。奇跡を信じた落ちこぼれが、神として昇華されるとは」
「コイツは永遠に悪魔に好かれそうだ」
減らず口を叩くいないはずの旧友に、涙を浮かべた。
「泣かないでくださぁい。アリーさん、彼を許してあげてください。同じ服を着てる人のけんきゅー、ツラいでしょ」
「アスケラはすでに伝書鳩ではない」
ラファティくんはラファエル枠なんです




