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詩 裁縫のばけもの

作者: 仲仁へび



「こいつの腕は醜いな。見たくない」


「でも、細かい事ができるみたいだ。工場で仕事をさせるか?」


「いや、いくら便利でもばけものを使うのはな……」


 きって きって

 ぬって ぬって

 つなぎあわせて つなぎあわせて


 バラバラにしては

 またくっつける


 それが楽しい

 楽しくてたまらないの


 どんなものでも

 扱えないものなんてないわ


 特に人間なんかは

 簡単に

 きったり ぬったり つなぎあわせられるの

 弱いし 脆いし 小さいから


 何かをやるのは楽しいの

 手を動かすのが楽しいの


 だから 私はやり続ける

 他にやりたい 事がないから


「見たくもないから腕に布をまいておけ」


「余計な事をされてはいけないから紐で縛っておけ」


「人間だったら腕が醜くても使ってやったのに、残念だな」



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