詩 裁縫のばけもの
掲載日:2025/12/05
「こいつの腕は醜いな。見たくない」
「でも、細かい事ができるみたいだ。工場で仕事をさせるか?」
「いや、いくら便利でもばけものを使うのはな……」
きって きって
ぬって ぬって
つなぎあわせて つなぎあわせて
バラバラにしては
またくっつける
それが楽しい
楽しくてたまらないの
どんなものでも
扱えないものなんてないわ
特に人間なんかは
簡単に
きったり ぬったり つなぎあわせられるの
弱いし 脆いし 小さいから
何かをやるのは楽しいの
手を動かすのが楽しいの
だから 私はやり続ける
他にやりたい 事がないから
「見たくもないから腕に布をまいておけ」
「余計な事をされてはいけないから紐で縛っておけ」
「人間だったら腕が醜くても使ってやったのに、残念だな」




