最近流行りの異世界転移しちゃったってマジですか!?
_日の暖かみともうすぐ訪れる冬の風が素肌をくすぐる今日この頃。とてつもなく眠い、恐ろしく眠い。こんな寝心地最高な日に6時間目を古典にする方が悪いとしか思えない。
古典の先生の教科書読み上げる声がまるで川のせせらぎのようで眠気をゆっくりと誘惑する。
アタシはこれに耐えれるのか?いや、絶対に耐えれないと思う。
周りを見渡せば死屍累々、屍の山…古典の先生によってやられた生徒達。いびきをかきながら寝る男子、涎を垂らす女子、教科書で姿を隠している小賢しい友人、そして机の上に足を乗せ堂々と寝る不良生徒……いや古典の先生も怒ってよ!?
こんなに脳内で独り言呟いて抵抗していたけれどもう無理眠い限界です、はい。
あ〜、段々古典の先生の声が呪文みたいに聞こえてきたよ。
その瞬間視界が歪み生徒達の寝息が消えた。
_____「え?」
え、え?なにこれ?なにこれ!?嫌なんか…白い布?被った人たちが円陣を作って変な言葉唱えてるし、夢!?これが噂の明晰夢って言うやつ?てか周りにアタシに似たような周りを見渡してる学生?たくさんいるんだけど……
とりあえず話しかけてみなくちゃ今なにも分かんないよね?
「あ、あの〜すみません、ここはどこでしょうか……」
うわ、この子めっちゃ可愛い…綺麗な色褪せないポニーテールの金髪に赤い瞳…あれ?瞳の中には花の模様みたいな…
「__ぃ_おい!ちゃんと話し聞いてんのか?」
「はひんっ…!?す、すみません!もう一度お聞きしても…?」
はっと我に返った。見惚れてたみたい…ていうか、この子ハーフかな…堀も深くて、スタイルもいいこりゃモデルいけるね!
「おまえ、大丈夫か?さっきからぼーっとしてるが」
謎の金髪美少女は手のひらを縦にひらひらと動かした。
「へ!?あ、大丈夫です!お話お願いします!」
金髪美少女は額をポリポリと掻き、身体を揺らし目を輝かせた。
「それならいいけどよ…正直いってあんま私もここが何処かなんてよくは知らねーけど、見た感じさ…噂の異世界転移って奴じゃね!?」
「っ!?異世界転移……なにそれワクワクするんすけど!」
アタシは感情が昂り思わず鼓膜が痛くなるほどの声を出してしまった…。
「うわっ、びっくりしたー…でも、だろ!分かるか!?まぁ、だとしても宗教的に召喚されたのはふつーに怖いけどな」
そう言い、金髪美少女は右手で左腕を擦る。
2人ではしゃぎながら雑談を続けているといつの間にやら、延々と続けられていた理解できない呪文のような禍々しい言葉がようやく止まった。
「あ、やっと止まりましたね…。はぁ〜、これからの展開にドキがムネムネしちゃう…!」
「それって反対じゃね!? 」
1人の白い布を被っていた人が杖を着いて祭壇のようなものにあがる。被っていた白い布ををゆっくりと取ると清潔感のある老人の姿が見えた。老人は何やらまた不思議な呪文を1つ唱え、ゆっくりと話し出した。
「a、Aー…あ〜、うむ…皆さん我らの言葉ガ分かるようニナりましタかの」
絶妙にさっきの呪文のように感じるとこが1部あるけども理解出来る言語になっていた。これもまた魔法の1部なのだろうか…これからの展開に心踊らされる。
「まだ少しおカシいとこあるはずじゃが…やガて馴染むじゃろウて」
金髪美少女は立ち上がり、この状況で物怖じせずハキハキと老人に問いかけた。
「ふーん…それで、ここはどこだ?あんたらは一体誰なんだ?」
そして老人らしい…いかにも笑い方をして、ゆっくりと告げた 。
「安心せい、何も悪いようにはしないわい。君らは選ばれたのじゃ。創造神様に」
さすが異世界…多分だけど、てかアタシも神様に選ばれたって事??ついに、ついに…この平凡な私が!
「へぇ、それでその創造神様とやらに選ばれた私たちを呼んで何をさせようって?」
腕を組み、怪しげなものを見るかのように目を細める。
「人聞きわるいノぅ…君らには世界を救う手助けをしてほシいのじャ」
「!…せ、世界を救うだって?」
異世界感満載で嬉しいのは分かるけど表情に出過ぎでレバレだぞ金髪美少女…
「つまり、ここは異世界…なようなものでしょうか?」
うぉ、突然話し出した…あの子もめっちゃ綺麗な顔してる。黒髪に澄んだ青い瞳、そして黒いメガネ…キャラ強!…雰囲気的に優等生キャラかな?
「うむ、そういえるであろう。今、この世界はあと数年で滅びると”予言の書”によって書き記されておった。」
「よ、予言の書だって…!?」
もう隠すきないでしょ…!めっちゃニマニマしてるよ金髪美少女ちゃん!
「詳しくその予言の書についてお聞きしたいのですが…」
美形メガネっ娘が詳しく聞こうとしたところで――
「まぁまぁ、そんな急がんでも良いじゃろうて」
温厚に話す老人とは反対で、目をキッと釣り上げ、強い口調で告げた。
「いや、急ぎますよ。私たちの世界では突然数十人が消えているんですから、それにこの状況で落ち着いてなんて居られません。 」
あ、そうじゃん…!お母さんお父さん心配するし、友達もアタシが突然消えて腰抜かしてるかもしれない…そう思うと異世界への憧れは薄れていく。
「その事なら安心せい、この世界と君らの世界では時間の流れが全く違うんじゃからな。こっちの数十年で君らの世界では1秒経つかどうかじゃ。」
さすがに時間の流れ違いすぎる、薄れていった異世界への憧れがまた戻ってくる感覚がする…チョロいなアタシ。
「あまりにも信じ難い話ですね、全て」
顎に手を当て考える素振りを見せる
「けど、今私達ができることなんてねーよ、このジジイから情報を聞き出すしか。」
腰に手を置きため息を吐きながら、困ったようにつぶやく。
「…まぁ、こんな暗い部屋じゃ気も滅入るじゃろ?今からお主らが好きそうなことをするとしようかのぅ…着いて来なされ」
そう言うと、老人は杖をついてるにしては軽やかな足取りで大きな扉を手を使わず魔法なようなもので開けた。
「何それ何それ…めっちゃワクワクするんすけど…!」
「ふっ、それじゃ私はここらで失礼するよ」
髪をかき上げ、カッコをつける金髪美少女…
「え?急にどうした?」
当然の別れに呆然する
「主人公は…大体後ろの列にいるだろ!」
ガッツポーズをし、目を輝かせながら、意気揚々とどうでもいい事を言っている…
「そんなドヤ顔で言われましても…」
「んじゃ、またな〜!!闇堕ちだけはするなよ」
金髪美少女は手をひらひらと振りながら人混みに紛れてった。嵐みたいな美少女だったな
「ふぅ…ここかはアタシの異世界生活始まるの
か…!」
私はこれからの展開に緊張、そして期待をしていた。
ここまで読んでくださってありがとうございます!! どちゃくそに初心者なんでお手柔らかにお願いします……!!!誤字脱字などもろもろも酷いでしょうが…これからも読んでくれると嬉しいです!