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いつも通りの朝

誤字がありましたら、報告してくれると幸いです。

 朝。金曜日。


 それを知らせるように少し暖かい光が僕の頬を撫でる。


 もう少しだけ寝ていたい……ということで僕は腕で光を遮り、また寝る。


 その数分後、アラームが鳴る。


 ……起きるか。


 上半身を起こし、今日はそのまま立つ。

 つま先立ちで上へ、上へとできる限り伸び、脱力する。


 あくびと同時に眠気が体外に排出されていくのを感じたら、僕の視界はだんだんと安定してくる。


 階段を下りながら朝ごはんは何にしようかと考える。


 パンは切らしているし、冷凍ご飯も昨日底をついた。


 面倒だが今からご飯を炊くか? 

 当然ながらそんな時間はない。


 ならば必殺、コーンフレークだ。

 食べたい量を皿に出し、牛乳かければ、出来上がり。


 ザクザクとしたコーンフレークを食べ進み、砂糖でいい感じに甘くなったミルクを飲み干す。


 よし、準備をしよう。


 数十分後、靴を履き、外に出て隣の家の庭を見ると、やっぱりそこには楽がいた。


「おはよ、光」


 僕が近づいている途中に楽はそう挨拶してくれる。

 

 時々楽はこうして先に挨拶したがるようになった。

 理由を訊いたところ、先に挨拶され続けるとどうしても自分が受け身になっているんじゃないか、そう思ってしまうかららしい。


「おはよう、楽。現代の魔法の食品ってカップ麺とコーンフレーク以外に何があると思う?」

「そうだな……やっぱ冷凍食品じゃないか? めちゃくちゃレベル高いだろ、今」


 いつか管理人のおじいちゃんに貰った天津飯も冷凍食品だったか。

 確かにあれは美味しかった。


「今はラーメンもお湯なんて沸かさないで、レンジでチンするだけでできるらしいし」

「まじか」


 楽が歩き出すと同時に僕も歩く。


 数歩歩いて何かを思い出したかのように楽が「あ」と呟く。


「もしかしたらわかってるかもしれないが、念のため言っとく。

 今日はオカルト研究会の活動の日だから一人で教室出て帰宅するなよ」


 帰宅……そういえば楽には、僕が早めに教室を出ても怪しまれないように、帰宅部の最速記録を狙うとかなんとか言った気がする。


「帰宅的衝動に駆られない限りはそうするよ」

「生まれたばかりの子供をがいるサラリーマンみたいな衝動だな」

「僕も訊くの忘れてたんだけど、先週一週間で大筆先輩と何か進展はあった?」


 金曜日。

 いつもなら月曜日に訊くのだが、今週一週間どこにも訊いていなかったことを、思い出す。

 

「ああ、それが……なんか今それどころじゃなくて、異常事態が──いや……すまん、なんでもない」

「異常事態……何かあったの?」

「まあ、色々な」


 なんだその曖昧な答えは。

 知りたきゃ自分の目で確かめろということだろうか。

 そんなことをしなくても、僕は部室に行くというのに。


 僕たちのことを見ながら走り去っていく野良猫を──目で追いながらそう思った。


読了、ありがとうございました。


もしよろしければ、広告下、星の評価【★★★★★】とブックマークをしてくださると、大変嬉しいです。

狂ったように喜びます。

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