86/112
おじさん
もしかしたらその人が襲われているのかも!
いそがないと!
といい、中に入ると、おじさんが笑ってる。
それも1人で。
「えぇ!?」
思わず柴乃が声をあげた。
「おやおや、迷い込んだ子羊ですか?」
チョットナニイッテルカワカラナイ
「はい?」
と莉久が聞き返すと、
「あら。実験を見に?」
とスルーされた。
「いや、あなたに用があります。てか、凶悪なモンスターが居ると聞いたんですが!?」
「あぁ、それ私ですね。何故、ここで実験していると声が外に漏れるもので。」
そりゃあね。
急に"フハハハハ"って聞こえたら怖いもん。
「で、用とは?」
「伝承を聞きに来たんですぅ。」
「うーん。この子羊達に教えていいものか。」
「何か問題があるのか?」
「これは代々家の家系に伝わるもの。家しか知らないのです。」
「つまり?」
「何か、品物がほしいですよね。」
「え、」
「だって、こっちは家の家系しか知らないものを教えるのです。何かあってもいいでしょう。」
嘘じゃん。
何を渡せと?




