はじめに
『翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団』
タイトルは『ユーレイ探偵団』ですが……オカルトでもホラーでも推理小説でもありません。ファンタジーです。
まず、舞台となっている『街』は北に山、南に海な、ありがちな地方都市です。
では、ローファンタジーなのか?
いいえ。
片足はハイ、片足はローにあるくらいの、と~っも現実世界っぽいハイファンタジーです。
いやだからこういうのをローファンタジーだと言うんだよ。
――という声が聞こえてきそうですが、私には無理なジャンルですので、このお話はハイファンタジーなんです。
とにかく、この舞台に関しましては、続く外伝の『はじめに』で詳しく紹介します。
次に、『ユーレイ』と『幽霊』は違います。
幽霊の中でも人らしく生きている魂をユーレイと呼びます。
つまり大きな括りが『幽霊』、幽霊の中での精鋭が『ユーレイ』なんです。
ユーレイ達の多くは不思議な力を持っていて、負の感情で暴走した幽霊――怨霊を鎮め、成仏へと促す『祓い屋』をしています。
祓い屋達は『怨霊退治』と言っていますが、怨霊を滅するなんてことはしません。
稀に、生きている間に その不思議な力が発現する者もいて、ユーレイ祓い屋達と共に怨霊と戦っていたりもするんです。
そんなユーレイと生き人達、祓い屋のお話なんです。
タイトルの翔・翔・翔はユーレイです。
ヒロインは生き人の響です。
とある年の夏、お盆から始まる このお話は、3ユーレイと女子大生の普通ではない日常を綴ったものです。