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第17章「かげ」 1-18 性能限界

 ストラの邪魔はせず、次元バリアを中和しようとする4人の玄冬に応戦しているリースヴィルの助太刀に入った。超高濃度魔力を凝縮して創りあげた巨大な鎌のような刃物を2つ出し、玄冬を襲った。


 玄冬がその漆黒のダブル魔力鎌に特殊鋼の忍者刀を合わせ、受け流してたいを反転しオネランノタルに近接、振りかぶって斬りかかった。


 的確に魔力中枢器官を狙ったので、オネランノタルも歯を食いしばり、器官を移動させつつ魔力バリアで受ける。


 刀がバリアに接触したとたんに位相空間中和が起こり、空間ごとバリアが豆腐みたいに切れた。


 (げえっ……!)


 オネランノタルが驚愕と恐怖を同時に味わった刹那、ストラのプラズマ弾が玄冬に直撃、炸裂して、玄冬の肉体を半壊せしめて吹き飛ばした。


 「……助かっ……」


 そう思って大きく下がったオネランノタルの背後から、玄冬が大上段に振りかぶった刀を真っ向に振り下ろした。


 それには、リースヴィルが熱光線ヒート魔法を叩きつけたものの、そのリースヴィルにも玄冬が襲いかかった。


 そこもストラの正確無比なプラズマ光線の照射が救ったが、身体の大部分が焼け焦げ、砕け散った側からリースヴィルに新しい玄冬が襲いかかった。


 「どうなってるんだ!!」


 魔力から大火力を引き出し、左右2人の玄冬に叩きつけたオネランノタル、その2人が間違いなく焼け焦げ、炭化して地面に付したのを確認したとたん、3人目が炎を裂いて刀を振りかざしてきたので、それを魔力のダブル大鎌で受けた。


 玄冬が魔力凝縮法によるオネランノタルのダブル大鎌を一撃で破断し、しかも同時に後ろからも1体がオネランノタルめがけて刀で突きを放った。


 オネランノタルは背後からの攻撃も気づいたが、魔力バリアで防ぐのが精一杯だった。が、バリアは易々と突き破られた。


 そのオネランノタルの背後の玄冬へ、

 「……うおぉおりゃああ!!」

 大至急で戻ってきたフローゼが竜から飛び降り、炎刀を袈裟に叩きつけた。


 バッサリと背中を切り裂かれ、玄冬が仰け反ってよろめいたところを、オネランノタルに影響がない範囲で魔力阻害装置を作動! 一点照射効果で、よろめいた玄冬が泥人形みたいに砕けて転がり、忍装束だけになった。


 とたんに、横から強力な回し蹴りを喰らって、今度はフローゼがよろめいた。


 そこへ玄冬が猛烈な斬撃を加えつつ、三方向から爆裂苦無クナイが飛んできて、フローゼに突き刺さりはしなかったが、ちょっとした火球ファイア・ボール三連発ほどの爆発がして、さしものフローゼも吹き飛んで地面に伏す。


 そのフローゼへ、さらに2人の玄冬が矢継ぎ早に刀を突き立てたので、転がって避けながら炎刀を振りかざして牽制し、なんとか間合いを取っていったん全体を見据えた。


 フローゼを襲った2人の玄冬、間合いが広がったと観るや、すかさず近くのリースヴィルやオネランノタルを攻撃する。


 改まって戦場を観察すると、8人の玄冬が一行を襲っているが、斃されても倒されても次から次に新たな玄冬が現れている。


 当然のごとく、フローゼ、愕然。

 状況が理解できない。


 (な……なんだ……!? 分身なのか……!? 魔法!? これは魔法なのか!? 何人いるんだ!? どっ、どこから現れてる!? こいつは、こいつはいったい……なん……なんだ……!?!?)


 埒があかないと、ストラが8体同時に猛烈なプラズマ弾を放った。コンマ秒単位で同時に・・・着弾するように軌道計算した。


 これは、全て同時に・・・当該空間より消滅させたら、完全に滅することができるかもしれないと仮定したからだ。


 が、爆裂したとたんに、再び8体の玄冬が現れた。

 また同時に8体同時攻撃。

 すかさず、8体が現れる。

 それを7回、繰り返した。


 爆破の影響から逃れて少し離れたフローゼ、オネランノタル、リースヴィルは、錯覚でも見ているのかと思った。


 だが錯覚でも幻覚でもない。

 現実だった。


 次元バリアに保護されているプランタンタン、ペートリュー、フューヴァ、リン=ドンに至っては、わけが分からないまま、とにかく退避していた。


 この攻撃の中で、ストラは気づいた。

 (同時に8体出現が、性能限界・・・・か……?)

 いまのところ、8体以上は同時に出現していないのである。

 (で、あれば……しかし……この状態では……いったん引く……)

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