第1章 5話 説明事項
特に前書きは何も無いです。
鬼ごっこ?を終え、意識を取り戻したカレンとガルシアはダルシアに事の顛末を聞いていた。
「あはは、、2人とも大丈夫ぶ?」
「あー、顔が痛い。もっと手加減してくれてもいいだろ。」
「私も蹴られた腹がまだ痛むぞ、、、それでダルシアよ、結果はどうだったのだ、負けたのか?」
「ううん!私たちの勝ちだよ!時間切れでだけどね!」
「うーむ、何とも微妙な勝ち方だな、それは、、」
「まぁ、いいじゃねぇかアホ皇子。それでも勝ちには違いないし封魔武器も今日で貰えるんだしよ!」
「確かにそれもそうだな!あとアホ皇子言うなバカレン!」
カレンたちは自分たちが勝利したと聞き喜び、封魔武器について話しながらグレンの元へと向かった。
「グレン先生。うん?おい、グレン先生?」
カレンはグレンの後ろからグレンへと話し掛けたがグレンからの反応は無かった。
「おいバカレン、グレン先生寝ているぞ。」
「おーい!グレン、起きろー!!」
カレンが大声で呼び掛けるとグレンは頭をカクンッと頭を支えている手から落とすと眠そうにあくびをしながらカレンたちの方を向いた。
「ん、ふわぁぁ、、、なんだカレンたちかい。やっと目が覚めたんだね。」
「俺たちが勝ったんだから今日封魔武器をくれるんだよな!」
「そういや、そんな約束してたね。時間切れでの勝利だけど一応それでも勝利だしね、いいよ。後であげるね。」
「よし!」「やったぁ!!」「ふっ」
カレンたちは封魔武器をくれえると言質を取るとカレンは手をグッと握り、ダルシアはバンザイしながらぴょんぴょんとはね、ガルシアはドヤ顔をし喜んでいた。
「しっかし、君たちなかなか強かったよ。自分で言うだけのことはあるね。予定では20分程で終わらせるつもりだったんだけど、、、ガルシアが1番良かったかな、最初の判断も1番早かったし、まぁ、最初の木の上で呆然としてたから減点だけど。カレンも良かったけど、最初に僕に蹴られたところがちょっと悪かったね。不滅者の中には触れる事で能力を使う個体もいるから俊敏を強化して避けた方が良かったと思うよ。最後はダルシアね、ダルシアはもっと早く頭を整理できた方がいいよ。カレンたちの強さを信用するのは良いけどちょっと信用しすぎ、カレンとガルシアが魔導なしの1撃でやられるのが想定外で混乱してたでしょ。あと、付与を使えるのは良いけど自分自身の強さも身につけようか。」
「くそ、、」
「むう、反論出来んな、、」
「うぅ、ごもっともです、、、」
「ちょっと3人で反省会しててね。」
封魔武器を貰える事ではしゃいでいたカレンたちはグレンによるダメだしで一気に気分を落とされ、その後グレンの指示で反省会を開き話し合っていた。数十分後、反応会を終えたカレンたちの元にグレンがやって来た。
「さて、それじゃあ封魔武器を渡そうかなって思ったけど、、」
「けど、なんだ?」
「どうせ出来ないだろうなーって思ってて持ってきてなかったんだよね!今、僕の家にあるんだ!ごめんね!渡すの明日まで待っててね!」
「はぁぁ!?ここでお預けかよ!!」
「私たちに期待させるだけ期待させておきながら、なんだその理由は!!」
「えぇ、、、」
「いやー、本当にごめんね!あっそうだ!そういえばこの班って似てる名前の人多いよね!カレンと僕とかガルシアとダルシアとかさ!」
グレンがそう誤魔化そうとするが、封魔武器を今貰えると思っていたカレンたちは目を細め冷たい目線を向けるだけだった。
「う、、さあ!とりあえず帰ろうか!」
居心地の悪くなったグレンはそう言うと山道をいの一番に下りだしカレンたち3人はため息を吐きながらグレンの後を追った。
そうしてカレンたちとグレンは山から降りやってきた道を通り帝都アルーラットに着くとそれぞれの家へと帰って行った。
翌朝、7時頃にカレンは目を覚ますと朝の諸々する事を終えた後、母であるアイナの写真がある机の前で座っていた。
「今日、グレン先生が封魔武器をくれるんだって。封魔武器を貰えれば栄騎士になれるよ、、これで、母さんを殺したあの不滅者に復讐が出来るようになるよ。だから、母さんも俺を見ててね。必ず仇は殺すからさ、、、」
いつもの強気な表情と言葉では無く、親とはぐれ迷子になった子供のような顔をし目を涙で濡らし泣いていると誰かが玄関で呼び鈴を鳴らす音が耳に入った。
「誰だろ、、母さんちょっと見てくるね。」
カレンは涙で濡れた目と頬を袖で拭きいつもの強気な表情に戻すと、階段を下り玄関へと向かい誰かと確認すると呼び鈴を鳴らしていたのはダルシアだった。
「ダルシアか、、、ダルシア、今行くからちょっと待ってろ!」
『うん!分かったー!』
カレンはドア越しにそう言うと服を着替え母の写真に行ってきます、と挨拶をして表へ出た。
「ダルシア何の用だ?」
「んー?カレンと一緒に行きたいなーって思ってさ!」
「そうか、じゃあ学術院まで一緒に行くか。」
「うん!行こ行こ!」
ダルシアはそう言うとカレンの手を引き学術院までの道を少し小走りで行き、20分程で2人は教室へと着いた。
「ん?バカレンとダルシアか、相変わらず距離が近いな。」
「あん?バカレン言うなって言ってんだろアホ皇子。」
「おはよ!ガルシアくん!」
「ああ、おはようダルシア、そのバカは無視しておいた方がいいんじゃないか?。」
「んだと、アホの分際で、、」
「はい、そこまで!ガルシアくんはカレンを挑発しない!カレンも挑発に乗らない乗らない!」
いつものようにダルシアがカレンとガルシアの煽り合戦の仲裁をしているとやたらハイテンションなグレンが教室へ入って来た。
「グッモ〜ニ〜ング!!やぁ!僕が来たよ!このグレン・スカイブルーがやって来たよ!」
「うるさい!」
「うるさいぞ!」
「あはは、、」
ハイテンションなグレンに対して煽り合っていたカレンとガルシアは同時にグレンの方を向き叫び、そんな2人にダルシアは頬を人差し指でかき苦笑いをしていた。
「うるさいってなんだい!せっかく和ませようとしてたのにー。ぷぅー。」
「口で言うな!」
「男がそれをするな!気色悪いぞ!」
カレンたちの態度にご立腹のようすのグレンはいかにも僕、拗ねてます。というような態度を取り一通り満足すると、真面目な表情と口調に戻し口を開いた。
「さて、ふざけるのはこれくらいにしてこの後、闘技場まで行って君たちに封魔武器を渡すけど、その際にいろいろ注意事項とかの説明をするよ。何か質問はあるかな?」
「何で闘技場まで行くんだ?ここじゃあダメなのか?」
封魔武器を渡すだけなのにわざわざ闘技場まで行く事に疑問を覚えたカレンがそう質問する。
「うん、ここじゃあ周りの物が壊れるかもしれないし、ちょっと危ないからね。」
「危ない?ただ封魔武器を渡すだけではないか?」
「まぁ、君たちの今の知識じゃあ分からないか。学園じゃあ教えられない事だしね。とりあえず闘技場まで行こっか。」
カレンたちはなぜ危険なのかが分からないままグレンと共に帝都の中心辺りにある第6闘技場へと向かった。
「カレン、ガルシア、ダルシア、これから封魔武器を扱うために必要な事を教えるよ。これは栄騎士以外には他言無用だからね。もし漏らしたら上層部に殺されちゃうかもよぉ、、」
「ああ。」「分かった。」「う、うん、、」
グレンはヒッヒッヒッと笑いながら脅しかけるようにした後、封魔武器についての説明を始めた。
「カレンは封魔武器をどんな物だって学園で習った?」
「俺は才能がある者が属性魔導と根源能力を解放するために必要な物だと習った。」
「学園ではそこまでしか教えないからね。本当はね、ちょっと違うんだ。封魔武器が各々の属性魔導を解放するまではあってるんだけど根源能力を解放するっていうのは間違えなんだ。」
「え、でも、栄騎士は根源能力を解放して使ってる人何人もいるよ?」
「うん、確かに栄騎士は根源能力を使える。当然僕も使ってるしね。でもね、封魔武器を使うだけじゃ根源能力を解放し使う事は出来ないんだよ。封魔武器で解放する事が出来るのは根源能力ではなく根源獣という存在なんだ。」
「根源獣?一体何だそれは?」
カレンとダルシアが聞いた事もない根源獣なる存在についてこそこそと話していると、ガルシアが根源獣についてグレンへと質問をした。
ガルシアに質問されたグレンはその場を離れ倉庫から黒板を引っ張り出して来ると絵を描きながら説明を始めた。
「根源獣が何かだって?根源獣とは人口の約1割程の人の魂に宿っている精神生命体のような存在で、色んな姿のものがいるんだ。根源獣はどういう訳か封魔武器にだけ反応し宿主に対して干渉が出来るようになる。そして、根源獣が元々保有している能力を僕たち栄騎士は借り受けて使っている。それが僕らが根源能力って呼んでいるものなんだ。」
「大雑把に言えば属性魔導と根源能力を解放するってのは間違いでもないのか。」
「なるほど、根源獣か、、」
「私の中にもいるのかなぁ、出来れば可愛いのが良いなぁ。」
グレンは根源獣と根源能力についての説明を終え黒板を倉庫に仕舞いに行く途中に振り返って叫んだ。
「君たちー!特に可愛いのが良いって言ってるダルシアー!ひとつ言い忘れてたけど根源獣って基本人間の事嫌ってるからー!」
そう言うとグレンは倉庫に黒板を仕舞い戻って来たが、カレンたちはグレンが持っている手のひらサイズの黒い箱のような物を見た。
「グレン先生、その、変な黒い箱みたいなのは何だ?」
「これ?封魔武器だよ?」
「へー!封魔武器って最初はちっちゃいんだね!」
「は!?こんなのが封魔武器なのか!?」
「落ち着けバカレン、授業で封魔武器はそれぞれ持ち主にあった形に変わると習っただろに、、これだからバカレンは、、」
「うるさい、アホ皇子、、」
ガルシアはやれやれといった表情でため息を吐くと、カレンは顔を逸らし内心、思い出した!そういえばそうだったぁ!!と赤面しているとグレンがそれじゃあこれから封魔武器を配るよーっと言っているのを聞き、頭をぶんぶん振ると顔を上げグレンの方を向いた。
後書きも特に何も無いです。