第1章 4話 鬼ごっこ?
サブタイに?を入れる予定当初なかったんです。ただの鬼ごっこにするつもりだったんです。なのになんか、うーん、なんしよっかなーそうだ鬼ごっこでも入れるかと思い書いているとあれ?これ本当に鬼ごっこか?鬼ごっこじゃ無くね?となったため入れました。
カレンたちの自己紹介を受けたグレンは
「次に行くね、。っと、その前に聞きたいんだけどさ、3人とも強化と感知の無属性魔導は使えるよね?」
「うん!」「ああ。」
ダルシアとガルシアはグレンの質問へと答えたがカレンはその質問を聞かれるとそっぽを向いた。
「、、、もしかして、カレンは魔導使えない感じ?」
「、、、いえ、強化の魔導なら何とか使えます。」
「感知は使えないだね。珍しいね。感知は結構簡単な部類なんだけど。」
カレンはグレンから再度質問を受けると少し落ち込んだ様子で答えたが、その事にグレンは少し珍しいものを見たという顔でいるとカレンの隣で座っていたガルシアがグレンへ向かって口を開いた。
「グレン先生、このバカは強化以外の感知、回復などの無属性魔導が使えないんですよ。」
「それ、本当かい?」
「はい。」
「そうかぁ。それぞれ得意不得意で使いやすさに違いがあっても無属性魔導はみんなだいたい全部使えるんだけどなあ。」
『これは単に本人の才能が低すぎるだけなのか、それとも封印のせいのどちらかな。』
ガルシアの話を聞いたグレンは内心そう考えると明らかにむくれ顔で落ち込んでいるカレンの方を見た。
「まぁ、カレン。僕が手伝ってあげるから頑張ろうか。」
「はい…」
「それじゃあ次に入るから鬼ごっこと隠れんぼどっちがいい?って聞きたかったけどカレンが強化しか使えないから鬼ごっこをやるよ。」
「鬼ごっこ…?」
「鬼ごっこで一体何をするのですか?」
「先生から逃げればいいのかな?」
「お!その通りだよ!ダルシアちゃん!普通のとはちょっと違うからルール説明するね。先ず、鬼役は僕で君たちはそれぞれ背中、右手、左手にこれから渡す紙を付けてね。僕がそれを剥がしに行くから頑張って逃げてね。別に魔導を使って攻撃したり逃げたりしてもいいよ。そして、僕は1枚剥いだら他の人の紐を取るまで同じ人のは取れない。制限時間内で1人でも逃げ切るか、僕も君らと同じ紙を左胸に付けるからこれを取っても君らの勝ちとするよ。3人とも全部剥がされたら君らの負けって事で封魔武器は明後日までお預けだから。以上がルールだね。分かった?」
「ああ、分かった…」
「ラジャー!分かりました!」
「分かりました。聞きたいことがあるのですが、先生は何か魔導は使うのですか?それでしたらとても私たちには無理だと思うのですが。」
「あ、そこ説明してなかったね。僕は魔導は使わない。後、ハンデとして僕は右脚のみを使う。紙を取る時は手を使うけどね。それと大きな音のなる鈴を付けて真正面からしか君たちを狙わない。」
そのグレンが言ったハンデの数々にダルシアとガルシアはそれぞれ言葉と態度で不満を示した。
「そんなにハンデがあっていいの?私たちが有利すぎないかな。」
「それは流石に私たちを舐めすぎではないか?学術院の生徒と言えども私たちは既に一部の分野において中位騎士に匹敵するのだぞ。」
ガルシアたちの不満の表情を見てグレンは少し目を細め威圧しながら質問に答えた。
「甜める?それはこっちのセリフだよ、確かに君たちは例年と比べても優秀だそうだね。でもね、君たちの方がよっぽど僕を舐めすぎだよ。君たちが中位騎士に匹敵するならともかく、まだ総合じゃあ下位騎士に勝るかどうか程度の実力しかないんだ。このハンデでもまだまだ足りないくらいだよ。」
そう言うとグレンは切り株から立ち上がり隣に置いていた袋の中から紙を取りカレンたちに配り始めた。
「カレンはまだ落ち込んでるのかい。そろそろ元気だしてね。はい、この紙をさっき指定した所に付けるんだよ。」
「はい…」
「君たち2人も早く付ける付ける。」
カレンたちは紙を背中、両手に付け終わると広場の中心辺りで待っているグレンの所へと集まった。
「付け終わったね。場所はこの山、制限時間は30分。僕は20分経ったら探しに行くね。それまでは目隠しと耳栓しておくから。それじゃあ、よーいドン!」
グレンが時計をスタートするのを合図としてカレンたちは広場を出ると3人は一旦集まり作戦を考える事にした。
「おいアホ皇子、ダルシア、3人バラバラに逃げるか、グレン先生を迎え撃つか、どうする?俺は迎え撃って紙を取る事を選ぶ。」
「そうだなバカレン、私もだ。アレだけ舐められたんだ、一矢報いるくらいはしてやりたいぞ。」
「私は反対方向に逃げて30分間逃げ切る方がいいと思うかな。魔導は使わないって言ってたけど準天将相手に流石に勝てるなんて思えないよ。」
「でもよ、俺らは魔導を使ってもいいんだ。準天将と言っても所詮人間だ。魔導なし、右脚のみならいけるんじゃないか?」
「うーん、確かにそうだね。じゃあ私も迎え撃つのに賛成するよ!」
グレンを迎え撃つ。そう意志決定したカレンたちはグレンが居る広場に戻り、周りの木に登って隠形の魔導を使い(カレンはダルシアにかけてもらった。)息を潜めグレンが動き出すのを待っていた。
「よし。ここなら向こうからは見にくいな。」
「あと少しで始まるね。」
「目を離すなよ、バカレン。」
「お前こそなアホ皇子。あとバカレン言うな、殺すぞ。」
「お前私より弱いくせによくそんな事言えるなァ?」
「んだと、アホ皇子!!」
「ちょっと!2人ともバレるから静かにして!!」
カレンとガルシアが器用に子声で言い合いをしているしダルシアがそれ小声で注意をしているとジリリリリリリ!!と時計の音がなり3人は視線をグレンが居た方へと向ける。
「ん?グレン先生もういないぞ?!」
「なに?流石に早すぎる。まだ時計が鳴って私たちが見てから数秒しか経っていないぞ!」
「どうするの!グレン先生見つからなかったら作戦出来ないよ!」
グレンがいない事にカレンたちが騒いでいるとカレンたちが登っている木の上から大量の葉が落ちてきた。
「うわっ!急になんだ!?」
「ぺっぺっ、、うへぇ…口に入ったよ…」
「なんでこんな時に落ちてくるのだ、、」
「なんでだろーね?」
「「へ?」」
カレンたちが葉に驚いているとふと後ろからグレンの声が聞こえ3人は揃って後ろを向き呆然とした。
「逃げずに僕を狙う心は良いけど標的から目を離したらダメだよ?相手が相手ならすぐに殺されるよ?じゃあ1枚ずつ貰うね。」
カレンたちが思いもよらない事に呆然としているとグレンは3人の紙を1枚ずつ破り取った。
「バカレン!ダルシア!一旦離れるぞ!」
1人気を取り戻したガルシアがそう言うとカレンとダルシアも気を取り戻し木から飛び降りグレンから距離を取った。
「気を抜き過ぎたか、、今回ばかりは助かったアホ皇子」
「ありがとっ!ガルシアくん!」
「ああ、バカレン。もう気は抜けんぞ。」
カレンたちが少し離れた所から木の上にいるグレンに警戒しているとグレンは木から飛び降りゆっくりと3人の方へと歩いてきた。
「もう、あんなミスはしたらダメだからね。じゃあ次々行くよ!」
グレンはそう言うと地面を蹴り一瞬でカレンへと迫り上から蹴りを放った。
「カレン!来てるよ!」
「っ、筋骨強化!!な、おっも、がはぁっ!!」
カレンは迫るグレンに気づくと筋骨強化を使い腕で防いだがグレンの蹴りの威力に耐え切れず地面へと叩き付けられた。
「はい。もう1枚ゲットね。次は、ガルシアに行くよ!」
カレンを地面へと叩き付けた隙に紙を奪ったグレンは次の標的に定めたガルシアへと向かった。
「来たな!筋骨強化、反応強化!ダルシア、グレン先生に弱化を頼む!」
「分かったよ!付与・筋骨弱化!付与・俊敏弱化!」
「おっとと、へぇ、ダルシアは付与までを使えるんだね。感心感心。それでガルシアはこれに耐えられるかな!」
近くまで来て弱化をくらったグレンは先程カレンに放った蹴りをガルシアに向かって繰り出した。
「ぬうっ!確かに重い!だが、耐えられん程ではないぞ!」
「おっ、なかなかやるね!言うだけはあるよ!」
蹴りをくらったガルシアであったが何とか耐え、グレンを後ろへと弾いた。
「でもね、今ので紙は取っちゃったからまた後でね!次、ダルシア行くよ!」
グレンはダルシアの方へと向かうが、ダルシアは阻止しようと魔力弾を何発か放った。
「狙いは悪くないけど、ちょっと直線的過ぎだね!紙を1枚貰うよ!」
「うわっ!あっ!取られた!」
ダルシアの放つ魔力弾を全て避けたグレンは走りながらしゃがみこみ、地面を一気に蹴ると驚かすようにダルシアの目の前へと現れ紙を奪った。
「次はカレンかな、、っとと危ない危ない。」
「ちっ、やっぱダメか!」
グレンが先程カレンを叩きつけた場所を見ていると背後から筋骨強化と反応強化を使い隠形の魔導を付与されたカレンがグレンの紙を奪いに来た。
「まぁ、狙いはなかなか良かったよ。隠形の魔導も付与されてるようだし。」
「なかなか良いってそれでも気付いた癖によく言うな!!」
「じゃあ標的が来た事だし紙を取ろうかな。」
「退いてろバカレン、私がやる!筋骨強化、!はぁぁぁぁ!!」
カレンへと迫るグレンに向かってガルシアが上空から殴りかかった。
「なっ!?」
「ガルシアもなかなか良かったよ。でも声に出さない方が良いかな。」
グレンへと殴りかかったガルシアだったが、グレンは迫り来る拳に対し足を上げI字バランスのようにして脚裏を当てる事で止めていた。
「っと、そりゃ!」
「うおっ!、、ぐふっ!」
グレンはガルシアを蹴りを上げるとガルシアの腹に向かって回し蹴りをし吹っ飛ばした。
「はい、2枚目回収ね。それじゃあ次はカレンの前にダルシアから取ろうかな。」
「あっ、、」
グレンはそう言うとこの応答で少し混乱しているダルシアからサッと紙を奪った。
「ダルシアはもっと早く頭を整理をしないとね。とりあえず、これで全員残り1枚ずつだね。ほらー君たち、ここからがラストスパートだよ!」
そう言うとグレンはガルシアと合流しているカレンを見つけそちらへと向かって行った。
「おい、アホ皇子!1人じゃ無理だ、ダルシアに補助して貰って二人でやるぞ!」
「ああ、私もそう考えていたところだバカレン。ところで来てるぞ。」
「分かってる!一旦ダルシアの所まで行くぞ!」
カレンとガルシアはグレンに追われながらもダルシアの元まで向かった。
「ダルシア!俺とこのアホに補助をかけてくれ!」
「うん!分かった!付与・筋骨強化!」
「良し!迎え撃つぞ、バカレン!」
「ああ!行くぞ、アホ皇子!」
2人は少し離れた所で立っているグレンへと迫って行った。
「よーし!来たね、そろそろ僕に食い下がってくれよ!」
「私に合わせろ、バカレン!」
「バカレンは余計だ!分かった!」
カレンとガルシアは連携して攻撃を繰り出すがグレンは全ての攻撃を脚で涼しげにいなしていた。
「連携は良いよ!でもね、まだ足りないよ!これで終わりかな、ふっ、おりゃ!!」
「ががぁあ!?」
「うごぉ…!?」
「後、紙も貰っておくよ。」
カレンとガルシアはグレンによってカレンは顔を蹴り飛ばされ空を舞い、ガルシアは腹を蹴られ地に叩き付けられ気絶した。
「後はダルシアだけだね、『ジリリリリリリリ!!』、、っと時間か、2人に時間をかけすぎたかな。ダルシア!カレンたちが起きたら知らせてくれないかい!」
「分かった!カレンたちが起きたら先生の所に一緒に向かうね!」
30分の鬼ごっこ?は時間切れによるカレンたちの勝利という結果で終わった。
はぁぁぁぁ、、、テストだりぃなり。