漫才 「異世界転生」
【GETUP！GETLIVE!漫才・コント大賞】第三回の応募用作品です。
ツッコミ「君、異世界転生って知ってます？」
ボケ「異世界転生？ なんや聞いたことあるなあ。神宮さんにお参りしたり、おかげ横丁で食べ歩きしたりするあれか？」
ツッコミ「……え、何？ 何の話？」
ボケ「せやから、こう、大きなエビが有名やったり、めちゃめちゃ色が濃いけど味はそこまで濃いわけちゃううどんがおいしかったり……」
ツッコミ「……あ、伊勢か！ それ異世界やのうて伊勢界隈やないかい！ いや、これ台本ないと気付かんわ！ ツッコミに高度な推理を要求するボケやめーや！」
ボケ「すまんすまん。ほいで、異世界転生がどうしたって？」
ツッコミ「知っとるんかい。まあええわ。その異世界転生やけどな、僕、ちょっと憧れみたいなのんがありまして」
ボケ「ほー。異世界転生に憧れ」
ツッコミ「なんや今人気あるやないですか」
ボケ「え言うほど人気あります？ もう結構下火みたいなネット記事とかも見かけますけども」
ツッコミ「言うなやそういう事を！ ネット記事とか信用すなや！」
ボケ「いや、でも実際のところどうなんですかね。売上的なところとか。正直飽和状態で食傷気味言いますか、そういうのあるんちゃいます？」
ツッコミ「ええねんそういうのは今は！ 人気あるいう体で話しとるんやこっちは！」
ボケ「わかったわかった。ほいで、年甲斐もなく異世界転生に憧れあるから何なんですのん」
ツッコミ「年甲斐もなくて、その一言いります？ まあええわ。キリないし、これは飲み込んどいたるわ。でな。異世界転生に憧れあるから、ちょっと今日は異世界転生をしてみよ思いまして。悪いけど君、ちょっと付き合うてくれへんか」
ボケ「あ、そういうパターンの導入なんですね。はい、わかりました」
ツッコミ「ちょいちょいメタい事言うな。ええと、じゃあ僕が異世界に転生する主人公やりますから」
ボケ「私は異世界をやったらええわけですな」
ツッコミ「そうそ……ん？ まって、何やってくれるって？」
ボケ「私は異世界をやったらええっちゅうわけですな」
ツッコミ「どういうこと……？」
ボケ「まあまあ、とりまやってみましょうよ」
ツッコミ「え、なんで君がやる気なの？ ええけど」
ボケ「じゃあまず、主人公の君が現実で死んで、不思議な部屋で神様に会うところからね」
ツッコミ「あ、そっから細かく設定してくれるんや。なんやめっちゃ至れり尽くせりやな。急に」
ボケ「はい、じゃあ今君死にました」
ツッコミ「う、うわあー！ あれ？ 俺は死んだはず！ ここは一体どこなんだ！？」
ボケ「ウィーン。ティロリロン。ティロリロン」
ツッコミ「え？ 何の音？」
ボケ「そりゃ君、自動ドアの音よ」
ツッコミ「何で！？ マジでどこなのここ！？」
ボケ「まあ異世界だからね。常識が通用すると思わん方がええよ」
ツッコミ「間違えてコンビニ入っちゃったかと思ったわ」
ボケ「間違ってないよ。コンビニに突っ込んで死んだからね。アクセルとブレーキ踏み間違えて」
ツッコミ「それが死因なの！？ 運転手がそれで死んだの初めて聞いたわ！ こういうの普通、トラックの事故とかじゃないの！？」
ボケ「トラックの事故だよ。君運転してたのトラックだし」
ツッコミ「僕トラックでコンビニ突っ込んだの！？」
ボケ「いらっしゃいませー。温めますかー？」
ツッコミ「トラックに突っ込まれてんのに余裕だな！？」
ボケ「違う違う、コンビニはコンビニやけど、異世界のアレやから。転生のためのアレな部屋やから」
ツッコミ「ああ、始まってんねやな。それはええけど、何を温めてくれますのん？」
ボケ「そらもう、タマシイ的なあれですよ。これ温めないと異世界に転生できへんっちゅうことでね」
ツッコミ「あ、そういうシステムなんや。何かその、ユニークスキルみたいなのを付けてくれたりはせーへんの？ アイテムボックスとか」
ボケ「アイスボックスはレジ前のそちらですー」
ツッコミ「コンビニやないかい！ アイスボックスやのうてアイテムボックスや！ もうええわ。ほなステータス最強とかはないの？」
ボケ「ストロー３、４本ですか？」
ツッコミ「コンビニやないかい！ 僕パックのジュース何個買ってんねん！ なんや３、４本て曖昧な……」
ボケ「えー以上でよろしかったですか？」
ツッコミ「結局特典何もないんかい。まあええわ。現地で強くなっていく系ってのも憧れるしな。ほんで、僕が転生するのってどんな世界なん？」
ボケ「内宮前店になりますねー」
ツッコミ「ないく……何？ どこそれ」
ボケ「瓦の屋根の、和風な感じのコンビニで」
ツッコミ「コンビニやないかい！ ちゅうか内宮前店て……。
それ伊勢界隈やないかい！！」
おしまい
黄金の経験値っていうクッソ長いの書いてますので、もしよろしければそちらもどうぞ。
ジャンルはＶＲゲームです。
ついったー
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