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俺TUEEE出来る世界へ?  作者: しびっく
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えっ!チート能力はくれないの!?

 ジーっと地球を眺める全知全能の神。

「見つけた。こやつなら崩壊へと向かう世界のバランスをとってくれるじゃろう。」


 神は100年掛けて貯まった神力を解放し、日本人の男性-西島(ある)(29歳)-の魂を自らの元へ呼び寄せた。




 ん?頭がボーっと…

『えっ?えっ!えっ!?何だここっ!どこだ!誰だ!?何?私はどこ!?ここは誰!?』


 俺はさっき仕事から家に帰って、あまりの疲れにソファに座って目を閉じたところだったはず…


なのに気付けば辺り一面真っ白な世界。というか若干眩しいなここ。目の前には変なオッサンいるし。


「初めまして。有よ、いきなり呼び出して申し訳ないな。混乱しておるじゃろうがワシは神じゃ。」


 いや、ヤバいだろこのオッサン。神って?俺は神は信じてないが…でも俺の名前知ってるし。


 しかも宙に浮いているような今の不思議な状態…確かにおかし過ぎる。夢?てか何この無重力感…気持ち良い。


 もしかしてこの凛々しい顔ってゼウスとか?まさか最近流行りの異世界への転生とか!?


「ヤバくないぞ、安心せい。そして夢ではない。確かに人間はワシのことをゼウスと呼んだりしているようじゃの。そして異世界への転生は大正解じゃ。」


『えっ。喋ってないのに…これが神様か…いや、ゼウス様、変なオッサンとか言ってすみません。」


「まぁ良い。ワシは心の中までも見通せてしまうからな。隠し事は出来んぞ。何ならお主の恥ずかしい黒歴史も全て知っておる。」


『ぎゃああぁ!やめてっ!黒歴史だけは!忘れていたい!』

 誰にでも小学生の頃のあんなことやこんなことってあるよね?そうだよね?


「誰にでも恥ずかしい記憶はあるものじゃよ。そんなことより、お主を今からお主に合うであろう世界へと転生させようと思う。」


『ゼウス様、それって唐突過ぎません?心の準備が…』


「唐突でもなかろう。お主は有り余る才能が有りながら、その才能を全く活かせていない仕事をし、毎日に嫌気がさしていた。違うか?今日も『あー、ゲームみたいな世界へ行きてー』と言っておったじゃろ。」


『っ!』

さすがゼウス様。お見通しのようだ。



 今まで俺は社畜となり、7年間働いてきた。

 しかし仕事というのは楽しくもない、面倒臭くてやりたくもないことばかりだった。お世辞にも自分に向いてるとは言えないものだったが、生きていく為には金が必要だし、そこそこ良い給料がもらえる仕事を辞める勇気は無かった。好きな事をして大金を稼いで、成功してる人達をいつも羨ましいと思っていた。


 自慢にはなってしまうが、俺は昔から神童ともてはやされてきた。クラスでは勉強も運動も1番だったのだ。ただどれも何か物足りなくて長続きはしなかった。

 こと運動に関しては色々と齧ってみるものの、すぐに県大会1位を取り、全国大会でも入賞一歩手前まで行けた。

 顧問の先生からは「お前なら全国1位になれる。」とか言われたけど、だから何なのだという思いがあった。

 

 そんな俺は情熱を傾けるものが見つからず、努力することなく学生時代を過ごしていくこととなり、そこそこの大学に入り、そこそこの企業へ就職したのだった。


 いつも思っていた…大好きなド○クエのような世界はないのかと…そこでなら俺は輝けるはずだって…!



『ゼウス様!そこは剣と魔法の世界ですか!?』


「まぁそんな感じの世界じゃな。魔物がおる世界じゃ。今まで様々な世界を作ってきたが、お主に合う世界じゃと思うぞ。」


『魔物!うおぉぉ!めっちゃ楽しそう!でも死ぬ危険性があるのか!?』

しかし、何で俺なんだ?てかそんなことをする理由は?何が目的なのか?


「まぁ色々と疑問はあるじゃろうが、答えていこうか。今回はお主の他にも何人か別世界へ連れてくつもりじゃよ。」


 ゼウス様によると色々な世界を作ってきたが

・ゼウス様は直接の干渉は出来ないらしい

・世界は最初の設定を決めたら後はその世界の住人が世界を変えていく

・地球はややこしいルールが多過ぎる為、俺のような不満を抱えながら、才能を発揮することなく生涯を終える人間が多い

・100年間掛けて神力を溜めれば、10人の魂を移動させることが出来る

・俺が向かう世界はバランスが崩れ、崩壊する間近らしい

・様々な世界を見てきたが、愛着が湧き、崩壊していくのは我慢できなかったらしい

・そこで燻っている才能ある魂を移動させることに決めた

とのことだった。


 一通りの説明は受けたが心配になってきた。


『それって俺の力でバランスを取れるんですか?』


「それはワシにも分からん。お主次第じゃ。」


『何かスケールがデカ過ぎて荷が重い…』


 てかゼウス様も自信があるわけじゃ無いのかよ…


「大丈夫じゃ。お主の好きなようにやれば良い。本来バランスが崩れて行くのも自然な流れである以上は、ワシのやっとることは自己満足でしかない。結果はどうあれ気楽に楽しんでくれたら良いのじゃよ。」


『そう…なんですかね。ところでゼウス様、そんな重要な役割を持つってことはチート能力とか貰えるんですよね?』


「そんなもんは無いぞ?自分の力で道を切り開いて行くのじゃ!』


『えーーー!マジで?…ゼウス様、ちょっと地球に未練があるので待って欲しいんですが…』


 いや、普通にチートも何も無いのに世界を救うとか無理ゲーじゃね?


「有、すまんな。魂を抜いたらもはや戻せないのじゃ。ということで行ってくるがよい。」


『嘘だろおおおおぉぉぉ…!』


 俺は叫びながら転送されるのであった…


「あー最後に言っとくが、地球でのお主の居た記憶は全部上手いこと消しておくから大丈夫じゃぞー。」


 それって俺は地球に居なかったことになるのか。嬉しいやら悲しいやら。訳分からんわ。チクショ〜!


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