雨の日の出会い 2
悪友の昭仁に電話をして、事情を話した。
電話をした第一声に「君にもペットを飼うことに?!」と言われた。ほっておけ。
「竜は基本的になんでも食べるけど、弱っているなら消化にいい物がいいよ」
「なるほど、とりあえずお粥を作って与えてみるよ。」
「うん、それがいいよ!それとどんなこたt」
ピッと電話を切る。話し出すと止まらないからな。
さて、おかゆを作るか。
作り始めて数分後。
「我ながら上手く出来たかな」
鍋を覗き込み、湯気を見て少し笑う。
『きゅー…』
『ギャーンッ』
ふと、二匹の竜立ちを見ると元気がない白い竜をを心配そうに介保している黒い竜が目に入った。
「ほらご飯だよー」
皿によそったお粥を片手に二匹がいるところまで持っていった。
とりあえず、元気がない白い竜の近くに座る。
「ほら、白いの、ご飯だよ。」
『きゅー?』
首をかしげながら白いのはこちらを向く。
可愛いな、この白いのは可愛いぞ。
スプーンによそい、息を吹きかけ少し冷まして、口元まで運ぶ。
黒い竜が何かを叫んでいるがが無視だ。
『きゅっ…』
「おお、食べた。」
少し感動。
白い竜が食べ始めると黒い竜も恐るおする食べ始めた。
ニヤニヤする顔を抑える。
黒い竜よ、その目は辛いぞ。
空になった皿を片付けるために立った。
グイッ
「え?」
少し引っ張られた。
足を向けるとそこには元気になった白い竜がズボンを引っ張っていた。
「どうしたんだ?」
『きゅっきゅー!』
「いや、何言ってるかわからないぞ」
『きゅー……』
そんなあからさまにがっくりしなくても…。
とりあえず一なでして、離れる。
『おい、なんであの人間を引き止めたりしたんだ』
『だってあの人、優しい目をしてたよ』
『演技だったらどうするんだ』
『そのときはその時、だよ。』
『………』
黒い竜は黙った。
人間は自分たちを道具としてしか見てなかった。
こいつだけは何も知らない、人間たちがしてきたことなんて。
「………。」
この人間は撫でようとしようとしたのでとりあえず一発しっぽで叩いといた。
人間は「いたっ?!」とか言っていたが無視。
『人間なんかきらいだ。』
そうつぶやいたがこの人間は首をかしげるばかりだった。
わからなくていい、と静かに目をつむった。