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長崎との夜

この物語は全て創作です。モデルはありません。

その頃、美智子に再婚話があった。



在日韓国人で、妻を無くし、親の代からの財産はあるとの事。



美智子の車椅子に乗った母や、姉はとても喜んだ。1人で働き、別れた旦那の財産を少しも受け継がなかった美智子の行く末が心配でならないと言う。



美智子も今年45歳。



確かに老後を考えると、悪い話ではあるまい。今まで何かと我慢させて来た長男、長女にも少し贅沢もさせてやれるだろう。



しかし....



全良そうな二つ年下のその人を、美智子はなぜか好きになれなかった。まぁ、いつものワガママなんだろうが....



どうも、10年前の恋仲だった長崎と比べてしまうのだった。あの人懐こく甘えたような、困ったような、出来の悪い子犬のようにしょげた顔。



美智子が素早く一万円札をポケツットに忍びこませると、泣いたような、それでいて助かったようなに顔をくしゃくしゃっとして、だいたいその前後に2人はホテルに行き、美智子が責められて弱い方の耳を激しく舐めまわされたものだ。



今思い出しても、身体の奥が痺れるような気がする....



でも、あれは過去の話。



長崎は今や本社のお偉さん。その後、奪い取った妻と離婚した話も聞かない。



だから、この縁談の話を決めようか?と思った矢先だった。



なんと!



長崎から電話があったのだ。今度仕事でこちらに来るから、食事しないか?と言う誘いだ。



美智子はこの電話に舞い上がった。



ただの食事では無いだろう、多分。昔肌を重ねた大人の男女が会うんだから。



今年新調しようと思っていたコート代の10万を洋服ダンスの奥から引っ張り出す。



長崎に思いっきり抱いて貰おう。もし抱いてくれればだけど。そしてこのお金を渡そう。長崎は困った顔をしながらきっと受け取る。



ずるい男だもの。



美智子はちゃんと長崎の正体を分かって、会いに行くのだった。



そして....



長崎の腕の中で、存分に乱れた美智子は、再婚しようなんて気持ちはこれっぽっちも無くなってしまった。



長崎と寝た瞬間、他の男に抱かれるのが嫌になってしまったのだ。長崎は他人のものなのに....



情けないけど、かすかにでも長崎の未練があるうちは再婚出来ないようだ。



神様は本当に意地悪だ。



しかし、美智子は幸せだった。



あの小生意気な佳那にも、いつも美魔女きどりのいい女面してるユキナにも、ここ数日負けた気がしなかった。



昔の男に揺れる美智子。せっかくいいご縁が来たのにね〜。あるあるですよね。

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