押して駄目なら(200文字)
掲載日:2016/03/13
「最近の奴は、壁ドンに弱いと聞いてたんだが」
眼前で苦笑している人間に、俺は眉根を寄せる。
「効果ないね、俺も男だから。男にされても嬉しくないや」
「あっそ。――んじゃ」
へらりと笑っている男の胸倉に手を伸ばした。
「……何すんだよ」
「壁を押して駄目なら、胸倉掴んで引いてみろって言うだろ」
「へえ、初めて聞いたんだけど」
男もまた、俺を引っ張る。
数秒間、重なる影。
すっと離れた唇は、くすりと笑った。
「悪くないね」
「最近の奴は、壁ドンに弱いと聞いてたんだが」
眼前で苦笑している人間に、俺は眉根を寄せる。
「効果ないね、俺も男だから。男にされても嬉しくないや」
「あっそ。――んじゃ」
へらりと笑っている男の胸倉に手を伸ばした。
「……何すんだよ」
「壁を押して駄目なら、胸倉掴んで引いてみろって言うだろ」
「へえ、初めて聞いたんだけど」
男もまた、俺を引っ張る。
数秒間、重なる影。
すっと離れた唇は、くすりと笑った。
「悪くないね」