短編:目指せ甲子園!!
=短編=
「目指せ甲子園」
*中学生の頃に考えたマンガを今の技術で再現してみました。
僕の名は宮塚 亮太。
小学校の頃から野球を続けていて、中学校も野球部に所属、そしてこの春高校になっても野球を続けようと思っている程にこの球技を愛している。
だからと言って特別が野球が上手い訳でもなく、大会での成績も平凡その物。
練習もちゃんとしてるし自主練とかもしてるんだけどレギュラーにもなれない。ほんと世の中不公平だと思った事は何度もある。
だけど僕は野球をやめられなかった。
キッカケは子供の頃に両親がプロ野球の試合に連れていってくれたからだと思う。それから野球に興味を持つようになって、そして近所の子供達と一緒によく遊んだ。
時には友達付き合いでサッカーとかにも手を出したけど僕の野球に対する愛は日に日に強くなる。
道具はそれなりに必要で色々と手間だけどあの皆で一致団結して戦えるあの一体感がたまらないのだ。
時には励まし合い。
時にはナイスなプレーを決めて声援を浴びて。
時には三審を奪いエース気分を味わい、偶然打ったホームランでヒーローになれる。
ここまで上手く行く事は早々ないけどあの快感は今でも忘れられない。
だから僕は野球を続けられるのだ。
ここ春日山学園の野球部でも僕は変わらない。
甲子園を目指すつもりで行くけど、本音は皆で一致団結して太陽のように熱く頑張れたらそれでいいと思う。
そんな事を考えていた時期もありました。
この春日山学園の野球部が何かがおかしかった。
「拙者、ミスターブド―でござる」
「同じくロックだ。部員としてよろしく頼むぜ」
挨拶してきたのは剣道着の防具を着けた巨漢と明らかに人間とは違う野球の制服を着た生命体の岩の塊のような生命体だ。
ミスターブド―とロックさん。
共にアメリカのグランドキャニオンから来たらしい。
どうでもいいがお前ら本名はストロ○グ・ザ・武道と摩雲○とかツッコンだらダメなのだろうか?
「俺の名はエイリアン森茂。ピッチャーをやっている」
野球服を来たエイリアン、森茂君がご丁寧に挨拶をして来た。
頭部が奥行きある縦長で目付きが鋭く、皮膚も肌色で顎も三つに割れている。しかも背は2mぐらいあった。
何でも地球侵略するのに失敗して野球を始めたらしい。
何があった。
「僕はグモたん星人のグモ吉!!」
「ポペロン星人のポペ田ポペ!!」
共に一等身のウサギとアンコウのように頭部から発光物体を吊るしている可愛らしいゆるキャラが挨拶してくる。
大体身の丈は150cmぐらい。それが野球服を着て野球帽を被る姿はとても愛らしい。
「余はMrファラオ。ピラミッドで眠っていたのだが暇を持て余してな。野球を始めようと思ったのだ」
全身包帯だらけにファラオの被り物をつけた男が丁寧に挨拶をしてきた。
大人しくピラミッドで眠っていてください。
「俺の名は洗濯機マンだ」
最新型のドラム式洗濯機がペコリと頭を下げる。
マネージャーは楽が出来そうだと思う。
「昔はレスラーだったんだが胸に象の鼻が突き刺さってな、プロレスを引退して野球選手になったんだ」
「え~?」
背中に戦車の砲塔を背負った筋肉モリモリの覆面レスラー「戦車マン」が言った。
つーかお前レオパル●ンだろ。
大人しく超人墓場に引き籠もってろ。
「俺の名は風車マン。オランダから来た」
と、風車に横長のカメラアイと手足をくっつけた超人がいた。
何か予選になったらオランダで風車に化けて引き籠もって通過したのは良いが本戦で惨敗しそうな予感がするのはきっと僕だけではないだろう。
長々と解説したがこいつら全員が僕と同じ新入生の一年。
ミスターブド―
ロック
エイリアン森茂
グモ吉
ポペ田
Mrファラオ
洗濯機マン
戦車マン
風車マン
全員が野球部に入部した志を共にしたくない同志なのである。
甲子園を目指すよりこのまま王位決定トーナメントか超人タッグトーナメント、あるいは超人オリンピックにでも参加した方がいいと思ったのはたぶん僕だけではないだろう。
つーか後半作者のネタが尽きたのか完全に超人になっているぞ。
ちなみに先輩にもティラノサウルスやらクモの怪人やらがいてもうここは何部何だよと言いたくなる程の惨状だった。
「俺は野球部のキャプテン、真田 勝哉だ」
と、野球部のグラウンドでキャプテンが挨拶する。
意外にも普通の真面目そうだが厳しそうな目付きが印象に残る人間だった。
腕を組み、この人外集団の前で威風堂々と自己紹介している様は頼もしさすら感じてしまう。
そして隣には顧問らしき――パンツとリングシューズを身に付け、マスクを被った、それもルチャリブレが得意そうな細マッチョのレスラーがいるがきっと野球部の顧問なんだろう。
名前はきっとMrXとかだ。作者の性格を考えるとスカイマスクとかそんなネーミングかも知れないが些細な事である。
こうして僕の高校野球生活は始まりを告げてしまった。
そして真剣に退部しようかどうか悩んだのは言うまでも無い。