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転生したけど受精卵に負けてしまいました  作者: 鴉野 兄貴
チート主人公ですが受精卵に負けました
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影武者

 うーむ。もみゅもみゅ。



 俺は惰眠を貪っていた。寝てて悪いか。毎日が日曜日サイコ―!

 ユーナと妹のユカは順調に育っている。


 親父がいないながらも村人の皆さんとお母さんのユリカに愛情いっぱいに育てられて幸せそうだ。

 この世界の村の生活は意外と豊からしく、魔物にさえ注意すれば飢えることはないらしい。


 時々くる衛兵さんは気前のいい人揃いで、税を納めるついでに大人たちが買ってくる玩具や果物に子供たちは大喜びしてむしゃぶりついている。


 ユーナは花が好きらしいな。

 時々大人たちに花の苗を頼んで花を軒先に植えて楽しんでいる。


 どうもこの世界、庶民ですら花を植えて楽しむらしい。

 中世ヨーロッパよりは文化、文明レベルは高いのかな? 神殿で子供たちは勉強しているし。



 そして重要な事実に気が付いた。

 ユーナって確かあのゲームのヒロインじゃなかったっけ?


 妹と母は序盤のイベントでヒロインの目の前で山賊どもに散々犯された挙句首を跳ねられて惨殺されて、ヒロインの真の力が目覚めるって展開だったような。


 まさかなぁ。

 異世界とか違う惑星に転生ならまだ納得がいくがゲームとかになってくると人間の想像力で生み出した世界だし。あり得ない。



 しかしユーナたん可愛いよユーナたん。


 俺はずっと愛でていたいよ!

 妹ちゃんも友達二人も可愛いよ!

 お母さんも再婚話が出るほど可愛いよ!



 素直に育ってねユーナたん。

 というかこのままユーナが育ったらこの身体って誰かと結婚して……うーん。アー! 俺は男には興味ないのだがなあ。



 俺は二五歳のいい大人でアレだがユーナはまだまだ幼い。

 持っている知識や感情、経験の量は俺が圧倒していて、変に俺が出るとユーナが消えてしまいかねない。

 そういう深刻かつ切実な事由があって致し方なく俺は普段寝ているのであってコレは重要な職務である。本当だ。



 具体的に言うと俺が三ならユーナは一しかない。



 混ざってしまうと取り戻しがつかない『ユーナっぽい俺』になってしまう。

 これでも一〇倍以上の圧倒的大差からユーナも進歩したのだが、もっと勉強したり花を愛でたり感動したりして経験積んでほしいなぁと思う。


 ああ。恋をしたほうが成長率は高いのか。なんかムカつくが。



 そうだ。ユーナが寝ている内にちょっと家の修理をしておいてやるか。

 隙間風が入ってきたら寒かろう。


 なんか俺、この家のお父さんみたいだよなぁ。

 この間井戸が枯れた時も追加で夜中に掘る羽目になってしまってたし。


 よっこいしょ。

 ついで仕事に動物を魅了する魔法で薪をユーナのお母さんにメロメロの猟師さんの進行ルートにばらまく作業完了っと。


 おっと、そういえば猟師さんが言ってたな。

 隣の村への道が崩れかかっているって話だからこっそり補強しておいてやらねば。

 山賊が襲ってこないように芽のうちにボコっておかねばならんし忙しい忙しい。



 というか、せっかくのチート能力なのに俺って残念すぎね?



 ……まぁいいけどさ。

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