出来る領主はマジリスペクトもの
デキる領主は此処が違う!
やぁ。俺だ。最近仕事が無くて絶賛ユーナたん内部で寝ていてニート生活を満喫している。
その理由となる男が先日この村に派遣されてきた領主、ウェル様だ。
思わず俺がデキる領主は此処が違うと叫んでしまうほど有能な男だ。しかもイケメンと来ている。イケメンの癖に村娘を屋敷に呼びつけない。ホモ説まで流れる始末なほど潔癖な男である。
イケメン領主は此処が違う!! 上背は百八十センチくらいかな。
緑の瞳に蜂蜜色の柔らかそうな髪をバッサリ首筋で切っている。マジイケメン。
出来る領主の存在感!!!
そんなウェル様はある日突然領主不在でもなんとでもやってきたこの村の領主として派遣されてきた。
お蔭で村人たちは大いに戸惑った。なにされるか解ったものじゃないと。
しかし、ウェル様は必要以上の税を取らない。自分の畑も自分で耕している始末。本当に貴族か。威厳が無い。
そう思ったらガン無視を決め込もうとしていた村の男どもや村長が餓鬼族に困っていると聞きつけて供の者達と共にサクッと出撃。
「二度と帰って来るな」とか言われながらも無傷で生還。
自称領主を名乗る山賊の襲来にも毅然と単身立ち向かい、交渉のみで帰らせる。
その際、故郷に戻る旅費としていくばくかのお金を渡すイケメンぷり。
故郷が既にない山賊どもは一転してウェル様の私兵になると言い出す始末。
当初心配された治安面であるが、彼らは実に誠実に働き、畑仕事まで手伝ってくれる始末。
「いやぁ! 兵隊の仕事が無いんだし、ウェル様になんでも手伝って来いって」そういってニコニコ笑いながらユリカお母さんの顔色をうかがう彼ら。
早くもユリカさんの魔性に囚われた模様だ。哀れ。
つよい領主はハンパない!!!!
ウェル様が凄いのは武術だけではない。
都から持ってきた最新の農業技術を惜しみなく伝え、
当然ながら『このやり方でやってきた』と言う老人方からの苦言を『ではお金を払いますのでお手伝いしてください』と頭を下げるレベルの交渉術。
また、この村ではなんでもない普通の農作物に過ぎないカボチャを巧みな宣伝術と確かな調理技術、都に置いているという調理人のレストランを使って甘い甘い美味しいブランドカボチャにしてしまった。
出来る領主はモテモテだ!!!!!
女を虜にするイケメンだが男も意気に惚れこむ始末。今や大人気。
神殿にフラリと顔をだしたと思ったらユーナやユカたち子供と一緒に勉強をしてみたりする。
曰く、「勉強忘れました」そんなわけあるかっ?! でも勉強が出来ないふりをして的確な質問をいくつも放ち、子供たちに『教えさせる』ことで勉強のレベルを上げている。本当に出来る男である。
というか、この人身体幾つあるんだ?! それくらいの働きっぷりを見せる。
というかね。俺様はチート勇者でなんでも出来ると思っていたけど、そりゃないわ。
何年も何年も一つの村にとどまって生活しているとか生活の知恵マジリスペクトよ~。その辺を今回は語ろうではないか。
って。ユーナたんが起きるみたいだからこの辺で。
何? 面倒だから逃げるのかって。なわけあるか。