どうやら戦争が始まるようです。
今回間話のため短いです,異様に。
そしてプランツさん視点です。
「王子様、お話があります」
とある快晴の日のこと。メイド兼諜報班であるリリーが俺の部屋へと訪ねてきた。
珍しいことである。基本、諜報の報告はエトワールに行くからだ。
「話?」
「はい。簡潔に言います。」
いつもおちゃらけているその表情が、今日は嘘のように真剣であった。
「帝国軍が、侵略を図っているようです」
「なに!?」
そのとんでもない情報に、俺は目を丸くするしかできなかった。
帝国軍――――ここ、エレフセリア王国の西に位置する、エスラルダという帝国の軍隊。それは世界最強とも言われている虐殺部隊である。
そんな奴らが、なぜ今更侵略だなんて。
「先程文が届きました。お読みになります?」
「もちろんだ」
その手紙をひったくる。
そこには。
「女をわたせ、さもなくば攻め入る――だと?」
「女、ですか」
少し考えるそぶりを見せるリリー。
「僕ですかね!」
「お前はただの女装少年だろう。やはり、クレアか……?」
クレアの『魔を退ける』が外に漏れたとしか考えられない。
「……戦争だ、リリー。」
「へ?」
「帝国になど――俺の大事なクレアを渡すものか!」
第一章終わり! ここまで読んでくださいましてありがとうございます。どうもお粗末様でした。